イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ラウンド16のドロー決定!スールシャール、アルテタ、モウリーニョ…ELで得られるそれぞれの果実。

「どんだけクジ運が悪いんだ…」。1週間前に、マンチェスター・ユナイテッドの対戦相手の厳しさについて、グチをこぼさせていただいたばかりなのですが、ヨーロッパリーグのラウンド16でまたもやらかしてしまいました。チャンピオンズリーグはパリ・サンジェルマン、ライプツィヒとの死のグループ。FAカップはリヴァプール、ウェストハム、レスターとプレミアリーグ上位との死闘ばかり。ELぐらいは、スールシャール監督の古巣モルデあたりとやらせてもらいたかったのですが、レアル・ソシエダの後はACミランです。

セリエA13試合14ゴールのズラタン・イヴラヒモヴィッチを敵にまわしたくなかった…!3年前まで、わがクラブのエースだったゴッドがゴールを決めたら、立ち上がって叫んでしまいそうです。準決勝ならやむなしですが、ラウンド16でぶつかるとは。アーセナルの相手は、1年前のラウンド32で足をすくわれたオリンピアコス。ヴォルフスベルガーに楽勝したトッテナムは、次も与しやすいディナモ・ザグレブです。あなうらやまし、ノースロンドン。プレミアリーグでは中位に沈む2チームは、ヨーロッパリーグでは主役となりそうな雲行きです。


【ヨーロッパリーグ ラウンド16組み合わせ】
アヤックス VS ヤングボーイズ
ディナモ・キエフ VS ビジャレアル
ASローマ VS シャフタル・ドネツク
オリンピアコス VS アーセナル
ディナモ・ザグレブ VS トッテナム
マンチェスター・ユナイテッド VS ACミラン
スラヴィア・プラハ VS レンジャーズ
グラナダ VS モルデ

スールシャール、アルテタ、モウリーニョ。ヨーロッパリーグには、それぞれ異なる思いが込められているのではないかと想像します。スールシャール監督の目標は、イングランドにおける初戴冠。正式監督に就任してから初めてフルで戦った2019-20シーズンは、プレミアリーグ3位、カラバオカップ、FAカップ、ヨーロッパリーグはすべて準決勝敗退と、美しすぎるブロンズコレクターでした。

巻き返しを図った2020-21シーズンは、1月にプレミアリーグで首位に立ったものの、マンチェスター・シティにあっさり捲られ、あっという間にギャップは10ポイント。カラバオカップは2年連続でマンチェスターダービーで完敗し、4大会連続の4強止まりです。今季のELは小粒なクラブばかり。苦手のスペイン勢は、ビジャレアル&グラナダと中堅のみで、プレミアリーグのライバルはスランプに陥っている2チームです。ペップがいない世界で勝たなければ、どこで勝つんだ!?

監督初年度の2020-21シーズンにFAカップのトロフィーを獲得し、リヴァプールとのコミュニティシールドを制したアルテタ監督にとって、ヨーロッパリーグはCL出場権を手に入れるための光の道です。プレミアリーグは11位で、6位リヴァプールと6ポイント差という厳しいポジション。国内カップ制覇の道は既に閉ざされており、ELで勝てなければ、アーセン・ヴェンゲルが来てから1度もなかった欧州不参加という屈辱を味わうことになりそうです。

ベンフィカ戦でトーマス・パーティーが復帰し、負傷者はゼロになりました。トッテナム、リヴァプール、エヴァートン、チェルシーを残しているプレミアリーグで巻き返しを図るより、欧州のルートのほうが快適に走れそうです。プレミアリーグでは不振が取り沙汰されたオーバメヤンも、ELでは3戦3発。ベンフィカとの2試合で1ゴール2アシストのサカや、7戦3ゴール3アシストのニコラ・ペペにも期待できます。2016-17シーズンのマンチェスター・ユナイテッドで、プレミアリーグを6位で終えながらこちらを制したジョゼ・モウリーニョのように、ELシフトで戦ってもいいのではないかと思います。

昨季からトッテナムを率いているモウリーニョ監督にとって、今季の楽しみは決勝に進出したカラバオカップとこの大会です。4年前と同様に、ELで勝ってチャンピオンズリーグに滑り込むというプランが最大の魅力であることは間違いありませんが、主力との確執や解任が噂される名将にとっては、「チーム蘇生につながるステージ」という面も大きいのではないでしょうか。ヴォルフスベルガーとのホーム&アウェイでは、これまでくすぶっていたヴィニシウスが3ゴール、ガレス・ベイルが2ゴール。出番がなかったデル・アリも、豪快なオーバーヘッドを決めてくれました。

彼らのパフォーマンスをプレミアリーグにフィードバックできれば、スパーズはTOP4争いに復帰できるかもしれません。ハリー・ケインの後ろにソン・フンミン、デル・アリ、ガレス・ベイルが並び、全員が絶好調なら、リヴァプールやマンチェスター勢に負けない得点力を誇るチームになるはずです。プレミアリーグで上位に復帰し、返す刀でELとカラバオカップを獲れば、「ポチェッティーノが実現できなかったトロフィー獲得を成し遂げたヒーロー」としてクラブの歴史に名を残すことになるでしょう。

ELラウンド16は、3月11日と18日に開催されます。マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグのマンチェスターダービーの直後にミランとのファーストレグ。セカンドレグの3日後にもレスター戦が控えているのを見ると、「プレミアリーグで最も大事な試合がある時期に、なぜ
ミラン…」と、またもやグチが止まらなくなりそうです。

アーセナルとトッテナムは、ラウンド16の2試合の間にノースロンドンダービーというスリリングなスケジュール。ダービーの意味を知るアルテタ監督は、ELのためにメンバーを落とすなということはできないでしょうね…。それぞれの思いが込められたヨーロッパの熱きバトルは、例年以上に楽しみな大会となりつつあります。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す