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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「統治の終わりを示す音色は鳴り響いていた」…トッテナムがジョゼ・モウリーニョを解任。

The Club can today announce that Jose Mourinho and his coaching staff Joao Sacramento, Nuno Santos, Carlos Lalin and Giovanni Cerra have been relieved of their duties.」。トッテナムのオフィシャルがツイートしたのは、4月19日18時53分。ジョゼ・モウリーニョと4人のコーチングスタッフが、任を解かれたことをアナウンスできるようになったという短い文章でした。この情報を追いかけていた「テレグラフ」の記者たちは、「relieved of their duties(義務から解放された)」という言い回しは厳しく聞こえるとコメントしています。

チェルシーでプレミアリーグ制覇を3度も成し遂げた名将は、最初のタイトルチャレンジであるカラバオカップ決勝を戦う権利を得られず、ノースロンドンを去ることになりました。12節にはプレミアリーグの首位に立っていたスパーズは、2位リヴァプールとの直接対決に敗れた後、ずるずると後退してしまいました。その後のプレミアリーグは7勝4分9敗。降格ゾーンにいたフラムに引き分け、ブライトンに1-0で敗れ、ニューカッスル戦は2-2のドロー。下位チームに勝ち切れなくなったチームは、4位ウェストハムと5ポイント差の7位という厳しいポジションであえいでいました。

ヨーロッパリーグでは、ディナモ・ザグレブにホームで2-0完勝の後、敵地スタディオン・マクシミールでオルシッチにハットトリックを喰らってまさかの敗退。直前のノースロンドンダービーで完敗を喫し、「インテンシティも迫力もなかった。重要な選手たちが、何人か消えていた」と主力を非難した指揮官は、「重要な試合を戦っているようには見えなかった」「0-0のハーフタイムに、そんな方法(=消極的な戦い方)でプレイするリスクについて彼らに言い聞かせていた」と、責任転嫁とも取れるような発言を繰り返しました。

この頃、既にウーゴ・ロリスが「ドレッシングルームに不満と分断が存在している」と指摘していました。解任のトリガーとなったのは、ニューカッスル戦後のプレスルームにおけるコメントではないでしょうか。今まで率いてきたクラブでは、リードを守り切ってきたのに、ここではなぜその再現に苦労しているのかと問われた指揮官は、「監督は同じだが、選手が違う」と言い放ちました。トビー・アルデルヴァイレルトの欠場について、コロナウイルスの検査が遅れたためとしたことも、選手たちの疑心暗鬼につながったといわれています。直前の3日間のトレーニング映像が残っている選手が、試合に出られないはずはないからです。

これらの発言を紹介しながら、「ジョゼ・モウリーニョの萎える言葉の数々に、トッテナムの選手たちはうんざりしている」とぶち上げた「テレグラフ」は、マンチェスター・ユナイテッドとエヴァートンにも勝てなかったチームを追い続け、監督解任のプロセスをいち早くキャッチしたようです。デル・アリ、ハリー・ウィンクス、ベルフワイン、ガレス・ベイル、ヴィニシウスといったタレントたちの冷遇と、プレスを通じて選手を批判する姿勢が命取りとなりました。カラバオカップの決勝という、否応なくテンションが上がるステージすらまかせられないほどに、選手たちの心は彼から離れていたのでしょう。

「ジョゼとコーチスタッフは、クラブとして最も困難だった時期に一緒にいてくれた。ジョゼはパンデミックの際にも、とても素晴らしい回復力を示した真のプロフェッショナルだ。個人的なレベルでは、彼とともに仕事することを楽しんでいたけど、物事がうまくいかなかったことを悔やんでいる。これからも、いつでもここで歓迎されるだろう。彼とコーチスタッフの貢献に感謝したい」(ダニエル・レヴィ)

モウリーニョ招聘によって、トロフィーを獲得できると信じていたレヴィ会長は、「同じ選手、違う監督」を選びました。就任から86試合での退任は、ポルトを率いてから最短です。スパーズの選手たちは、クラブOBのライアン・メイソンの下で残り試合を戦うことになりました。「トッテナムには、TOP4とタイトル獲得のチャンスがある」「モウリーニョはウルヴス?」「来季のスパーズの監督は、ナーゲルスマン、ハーゼンヒュットル…」。現地では、さまざまな情報が飛び交っています。

「モウリーニョの17ヵ月」を振り返るのは、もう少し心を落ち着けてからにしましょう。トロフィーを獲得できず、チームを改善したとはいえず、ひとたび得たリードを守り切る彼らしいフットボールを見せることもなかった指揮官について、「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、こう記しています。

「以前と同じように、モウリーニョの統治の終わりを示す音色は鳴り響いていた。ショックだったのは、そのタイミングだけだ」
「プレミアリーグのモウリーニョ時代は終わったように見える。よくも悪くも、彼がいなければ活気のない場所になるだろう」


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