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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

走らない、崩せない、打てない…超守備的なヌーノのスパーズは苦境を乗り越えられるのか?

フットボールの世界では、勝者と敗者のコントラストは常に残酷です。カイ・ハヴェルツの1発だけで、トーマス・トゥヘルはビッグイヤーを獲得した王者として称賛され、ペップ・グアルディオラはチェルシーの栄光を飾った舞台装置のひとつとして報じられました。

プレミアリーグ6節のノースロンドンダービーは、「敗れたほうが解任候補となる残酷なサバイバルゲーム」だったのかもしれません。3節までノーゴールで最下位に転落し、プレミアリーグにおける次の解任候補の大本命と目されていたミケル・アルテタは、3-1の快勝によってニューカッスルのスティーヴ・ブルースに不名誉なポジションを譲りました。

一方、敗れたヌーノ・エスピーリト・サントは、3連勝で首位のロケットスタートから一気に暗転。チェルシー、クリスタル・パレス、アーセナルと続いたロンドンダービーの3連続3失点3連敗で、ブックメーカーのオッズを激しく下げています。プレミアリーグ6試合で4ゴールは、ノリッジとウルヴスの次に少なくリーグ17位。ソン・フンミンの3発とデル・アリのPKのみに留まっており、相手の陣形を崩して決めたのは、ノースロンドンダービーでレギロンの折り返しを7番が合わせた1発だけです。

プレミアリーグの1試合あたりのシュート9.3本は最下位、オープンプレーでのチャンス5.3回も最下位。走行距離も最下位で、クロス13.8本は19位。味方に届いたクロス19本の内訳を見ると、ソン・フンミンとレギロンが7本ずつで、右からのアタックが脆弱なのがよくわかります。昨季プレミアリーグで最多となる137本のシュートを放ったハリー・ケインは、セントラルMFのようなポジションでプレイする姿が目立ち、5試合で9本しか打っていません。

スパーズのスタッツを分析した「スカイスポーツ」のアダム・ベイト記者が懸念しているのは、守備重視というイメージがある前任のジョゼ・モウリーニョよりもはるかに守備的な戦い方に終始していること。ガリー・ネビルも、「マウリシオ・ポチェッティーノ監督の下では、最も走るチームのひとつだったのに、今やワーストに落ちてしまった。熱意、食欲さ、激しさがない」と評しています。

攻撃に問題を抱えているスパーズは、苦境を脱することができるでしょうか。「スカイスポーツ」は、ヌーノを招聘したとき、覚悟すべきだったという見方を示しています。ウルヴスを率いていた2019-20シーズンの走行距離はワースト。今季のスパーズは、前半に2点しか決めていないのですが、ヌーノ時代のウルブズが前半にゲットしたゴール数は、3年連続でボトム5です。

「これこそが、プレッシングをしないチームであることの結果だ。彼はオープンになるのを待ち、それは後半に入ってからやってくる傾向にある」(アダム・ベイト記者)

チェルシーには狙いを読まれてカンテ投入で速攻を喰らい、クリスタル・パレスには圧倒的に押され、ノースロンドンダービーではオープンな展開になる前に勝負を決められてしまいました。夏にスパーズにやってきた指揮官は、それでもオープンな展開を待ち続けるのでしょうか。ブックメーカーのオッズは、本命スティーヴ・ブルースに迫る対抗馬となっていますが…!?


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