モウリーニョさん、「お金でタイトルを買おうとしている」話はやめませんか…⁉
この2年、派手に動きながらまだ結果が出ていないマンチェスター・ユナイテッドやリヴァプールがいわれるのなら、「はい、すみません」としかいいようがありません。ところが、モウリーニョさんの頭の中には、8月2日に開催されるプレミアリーグの前哨戦、コミュニティシールドがあるのでしょう。よりによって、お金の話では決してケンカを売ってはいけないアーセナルのヴェンゲル監督をご指名してしまいました。
「各クラブが最近3~4年で選手獲得に使った金額を計算してみれば、そこには驚きがあるだろう。エジル、アレクシス・サンチェス、チャンバース、ドビュッシーの獲得額を足すとびっくりするはずだ。優秀な選手、優れたGKがいる素晴らしいチームだ。充分タイトルを争えるだろう。正直に、そして現実的・客観的に見たければ、電卓を持ってくるのが一番簡単な方法だ」
この発言について、まず申し上げたいのは、「モウリーニョさんはセコい」です。チェルシーとアーセナルの移籍収支を、ここ4年で比較するとチェルシーのほうがマイナスが少ないのは事実です。アーセナルのマイナスは約1億ポンドで、チェルシーは7500万ポンドとなります。しかしこれは、チェルシーがファン・マタ、ラウル・メイレレス、ルカク、クルトワ、ケーヒルを景気よく獲得した5シーズン前を除外しているからで、過去5年とすると、アーセナルの9200万ポンドに対してチェルシーは約1億2500万ポンドと逆転してしまうのです。どの期間を取るにしても、両者の間には3000万ポンドクラスの選手をひとり売買すれば逆転してしまうぐらいの差しかなく、モウリーニョさんがヴェンゲルさんを一方的にいじれるほどの明快な数字はありません。ここ3~4年などとご自身に都合のいい期間設定をしたトークを聞くと「今季も策士は元気です。プレミアリーグが始まりますね!」と気分が盛り上がります。
さらに、イタリアメディア「ユーロスポーツ」が追い打ちをかけてきました。彼らは「過去10年で、最も補強にお金を遣った監督は誰か」というランキングを紹介しています。あれ?マジですか!?
【過去10年における監督の補強費ランキング】
1位/ジョゼ・モウリーニョ 9億300万ユーロ(約1233億円)
2位/カルロ・アンチェロッティ 8億8100万ユーロ(約1203億円)
3位/ロベルト・マンチーニ 6億6700万ユーロ(約911億円)
4位/マヌエル・ペジェグリーニ 6億4500万ユーロ(約881億円)
5位/アレックス・ファーガソン 4億6500万ユーロ(約635億円)
6位/アーセン・ヴェンゲル 4億2800万ユーロ(約585億円)
引退した監督あり、お休みしていたシーズンがある監督あり、予算が少ないチームを率いていた監督ありで、事情はそれぞれですが、この10年ではモウリーニョさんがいちばんアグレッシブだったのは間違いないようです。これについては、フラットに「タイトルを獲得するためには、それなりの投資が必要だということがわかります」としておきましょう。いや、そもそも、お金をかけさえすればタイトルが獲れるなどという簡単な話ではないことは、この件の火付け役だったモウリーニョさんこそがいちばんよくわかってらっしゃるのではないでしょうか。
そろそろ、まとめに入りましょう。今回のモウリーニョさんの発言の真意はどこにあるのでしょうか。以下の3つが考えられます。
(1)好意的な解釈:
「モウリーニョさんは、開幕戦どころかその直前のコミュニティシールドを盛り上げようと、悪役を買って出ている。プレミアリーグ全体のことを考えて発言する器の大きいひとだなあ」
(2)フラットな解釈:
「モウリーニョさんは、今季のアーセナルの強さを警戒し、直接対決を前にしてついついいじりにいってしまった。わかります、強そうですもんね、アーセナル」
(3)意地悪な解釈
「モウリーニョさんは、自軍の仕上がりの遅さを懸念しており、コミュニティシールドでアーセナルに負けるのではないかと危惧している。試合後に、ヴェンゲルさんに初めて負けましたねなどと嫌な質問をされたくないので、事前に煙幕を張りにいっている。よくいえば負けず嫌い、悪くいえばセコい」
私は、モウリーニョさんのこういったトークは嫌いではないので、(2)としておきたいと思います。8月2日、VSヴェンゲル監督。勝つにしても負けるにしても、モウリーニョさんのトークが楽しみです。まさかとは思いますが、負けたら仕掛けます?大型補強。昨夏も、7月19日に「補強は終了」と宣言した後、ロイク・レミーやドログバ獲ってますからね…。
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もっと単純にチェルシーに対して金満批判をしている人はまだまだいて、それに対してもう金満というならアーセナルらも含まれると言っているだけと思います。
しかも発言内容読めば昔はチェルシーがタイトルを買っていた。今は他のクラブが買っているという話でこれに他クラブを批判というタイトルの記事にするメディアに問題ありと思います。もちろんこの曲解を真に受ける読者のメディアリテラシーの問題も。
VOOさん>
最初の発言はおっしゃるとおりで、モウリーニョさんは全体の風潮について、チェルシーも含めて語っていました。しかしその後、モウリーニョさんはさらに踏み込んだコメントを残しており、アーセナルの選手獲得とペジェグリーニさんのバカンス中のインタビューに関するコメントは、明確に彼らを名指し、皮肉っています。「ガーディアン」をはじめとするメディアが引用しているモウリーニョさんのコメントを読めば、この話はもはや曲解ではないことはご理解いただけると思います。
同じ金満でも批判されるクラブとされないクラブがあります
それはパトロンに頼っているか、自力で稼いでいるかです
それこそ買収後のチェルシーはタイトルを買ったという表現がびったりだと思うのですが
このコメント欄見てもチェルシーは金満うちは違う的なことを言いたい風潮は明らかにありますし、ペジェグリーニはそもそもしょっちゅうチェルシーなりモウリーニョに何か言ってくる監督ですしねえ。
何か他が無風状態なのにモウリーニョが一方的に風を起こしてるみたいなまとめ方は違和感がありました。
まあそんなに深い意味合いは無いんじゃないですかね?
良くも悪くも一言どころか二言三言多い人ですから。
このような舌戦に付き合ってくれるのも今やヴェンゲルさんとペジェグリーニさんぐらい。
二人がプレミアを去ったらモウリーニョさん寂しいでしょうね。
他のクラブもチェルシーとモウリーニョだけにはこんなこと言われたくないでしょう笑
夢(タイトル)が金で買えることを証明したクラブですしね
のりさん VOOさん>
マンチェスター・シティやチェルシーに資本が入った当初は、投資の量でスピードを上げて強くなるという方法をとっており、それが「金満」という表現の由来だったのだと思います。しかしその後は、FFP導入といった流れもあり、彼らは相当な経営努力をして、売上を毎年増やし、資本注入がなくても黒字決算を出せるようになっています。買収後のチェルシーが投資に頼っていたというのは、のりさんのおっしゃるとおりだったと思います。しかし、それももう過去のお話ですので、私は現在の彼らを「金満」と揶揄するのはやめようと決めており(マンチェスター・ユナイテッドも揶揄される側ですね)、記事中に一切その言葉を使っておりません。各々の決算を見ると、アーセナルのスポンサーに対する営業力が明らかに弱いので、チェルシーやマン・シティががんばってて売上で抜かれてしまったのを何とかしましょうよ、といいたいぐらいです。
VOOさん>
私が誤解をさせてしまったのかもしれませんが、今回のモウリーニョさんの件に関しては、私は純粋に「来た来た!」とおもしろがっているだけです。この件のおもしろさは、
論理的で事実であることにこだわるモウリーニョさんが、「期間をテクニカルに切り取って、事実をクリエイトして自説を主張している」彼の頭のよさ、策士ぶり
だと思いました。「おいおいおい、そこ切り取ったら確かにそうだけどさー」とでもいうような。一方で、ペジェグリーニさんのチリでの発言はともかく、補強に関しては誰も何もいっていないところに、モウリーニョさんがわざわざふっかけたのは確かでしょう。私は、チェルシーだからとかアーセナルだからではなく、もしファン・ハールさんが「他クラブは補強費を使い過ぎる」などと発言すれば、それを「おいおいおいー!」と紹介していたと思います。決してチェルシーを批判しているわけではないことは、ご理解いただけるとうれしいです。
パックンさん>
そう思います。「相変わらずおもしろいな、この人。いてくれるとやっぱり盛り上がるなあ」と思ってます。
プレミアリーグ大好き!さん>
なるほど。その言い方はキャッチーですね。チェルシーも、今季おとなしいだけで、使うところには使ってますからね。モウリーニョさんも重々承知でいっているのだと思います。
わかりました。脊髄反射が過ぎましたね。失礼いたしました。
VOOさん>
ありがとうございます。私の書き方がいけないこともあると思いますので、気になった際は今後もぜひご指摘ください。
Twitterでも話題になっていたので、記事で扱ってくださるのをウキウキしながら待ってました。
(1)の解釈をする人っているのかなぁ? って思います(笑)。
それにしても、パックンさんもおっしゃるように、良くも悪くも一言二言多いですよね。けど、かなりのタイトルを勝ち取ってきたのに拭いきれない小物臭の所以でしょうし、そういうところが好きでもあり、嫌いでもありますw
いい意味で面白い人ですよね。
aさん>
世界ナンバーワンクラスだと誰もが認めているのに、どっしり構えていられないのがモウリーニョさんらしさですね。仮想敵がいないとテンションが上がらないのかもしれません。いや、おもしろいです。
さすがにもう小物って感じでもないかなあ。
ファーガソンもヘアードレッサーとか言われて大人げなくスパイク投げてベッカム怪我させてましたが、もう十年位そのキャラ貫いてたら風格出てきますよね。
ベンゲル「彼が何と言ったか詳しくはわからないが、確かに彼が言うように我々はこの数年間、多くの資金を市場に投資した。そしてFAカップを二度も獲得する事ができた。それにこの夏も多くの若い才能とワールドクラスのGKを獲得する事ができたしね。個人的にはタイトルに充分チャレンジできるスカッドだと思っているから補強の必要はないよ」
グーナー「・・・」
プレミアリーグ大好き!さん>
完璧主義者で、結構「気にしい」で、というキャラが確立してますよね。
くまさん>
ヴェンゲル監督は「天文学的な金額の補強は必要ない」といいつつ、いくつかのクオリティを加えることはできるし、たぶんそうするとコメントしているので、これから獲る可能性はあると思います。
プレミアリーグ大好き!さん
ヘアードレッサーじゃなくてヘアドライヤーじゃないですか?笑
場外での舌戦、個人的には好きなんですけどね〜
あんまり好意的に思う人は少ないんですかね?
よく敵を作るモウリーニョですが、ペジェグリーニの方はモウリーニョから仕掛けたのではなく、ペジェグリーニの方から仕掛けてませんでした?
「モウリーニョは勝つと全て自分の功績にしたがる」とか言って。
反論する点は少し違いますが、それが原因の気がします。
ベンゲルの方はモウリーニョから仕掛けたと思いますが、負けたことないとはいえライバルと思ってるでしょうし、絶対に負けたくないって思いからですかね。
あと補強費のランキングについては、ビッグクラブの監督であり、特にいろいろなチームに行く監督が自分の好みのチームに仕上げるためにどうしても補強費が高くなってしまうので、モウリーニョがトップなのは仕方がないことなのかも。
プレミアリーグ大好き!さん>
そうですね。ドライヤーです。
モウさん>
ペジェグリーニさんは、昨季からの「ペジェグリーノよばわり」などなど、相当たまっていたのでしょうね。地元でのインタビューだったこともあり、ぶちまけたくなったのだと思います。今回、先にいったのはペジェグリーニさんのほうですが、モウリーニョさんのほうも売られたケンカを買うような切り返しでした。
お金に関していえば、ペレスさんがビッグネーム買いたがりなので、レアル・マドリードの監督をやると補強費が上がりやすくなりますね。
ファーガソンが去りモウもいなければプレミアの楽しみが減っていたと思います。監督の話題でどこのサイトでも一番コメントが集まるのもモウですし、ファンにしてもアンチにしても皆嬉々として讃えたり叩いたり楽しそうですよね、笑。メディアやサイト運営者の方々にとっては有り難い存在なのでは。熱狂的なファンやアンチがいるって事がまさにスターなんでしょうね。
ナナさん>
確かに、スターですね。ベニテスさんの奥さんへのリアクションまで、相当話題になっていました。モウリーニョ流の言い回しは、私たちがモノマネできるくらいまで確立しています。