イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ありがとう、ファーガソン監督。最高の瞬間は、いつもあなたとともに。

衝撃でした。今朝、「続投するんじゃないか」と書いたばかりです。マンチェスター・ユナイテッドのサー・アレックス・ファーガソン監督が、引退を発表しました。きっと、かなり前から決めていたのでしょう。しかし、情報管理を徹底するファーガソン監督のことです。事前に絶対に漏れないようにと、5月5日には「引退は考えていない」と世界をだまし、テレグラフ誌に報道されたことで逆に、話が広がる時間を許すべからずとばかりに電光石火、前倒しにして発表したのではないでしょうか。最後まで、自らのポリシーを貫いて行動したのですね。それがゆえに、余計にショックを受けているサポーターがこの極東の地にいるんですよ、と訴えたい気持ちになります。

数年前から、引退の話は何度も出てましたが、ある年は本決まりに限りなく近い表現でそれを語り、またある年は引退の「い」の字も語らず夏を越え、結局いずれの年もそんな話はなかったかのように平然と開幕戦のベンチでガムを噛み、その姿を見ると、いつしか、ファーガソン監督は永遠にマンチェスターユナイテッドにいるのではないか、この人がいないプレミアリーグを観ることなどないんじゃないかとすら思うようになっていました。最近は「引退するかどうか悩むには、私は歳をとりすぎたようだ」などととぼけてみせ、その自信に満ちた表情から、彼がいなくなった世界を想像することはとてもできませんでした。

しかし、ついにその時がきてしまったのですね。
いいたいことは山ほどありますが、まだ整理がつきません。

ベッカムのコーナーキックをシェリンガムが落とし、スールシャールが決めた直後にタイムアップを迎えたあのトレブルの春。アネルカのPKをファン・デル・サールが止めた、雨降りしきるモスクワの夜。あまりにも劇的だったふたつの欧州制覇の瞬間を、忘れることはないでしょう。そして2回の世界一、13回のプレミアリーグ制覇、38個のタイトル。これだけ多くの喜びをもたらしてくれたことを、ひたすら感謝するばかりです。

少しセンチメンタルに過ぎたかもしれません。すみません。思いのほか喪失感が激しく、まだ動揺しています。シーズンが終わったら、あらためてサー・アレックス・ファーガソンの26年を冷静に振り返ってみるつもりです。いまはただ、感謝の気持ちだけ、この場に残したいと思います。

ありがとう、ファーガソン監督。最高の瞬間は、いつもあなたとともに。

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