ありがとう、ファーガソン監督。最高の瞬間は、いつもあなたとともに。
数年前から、引退の話は何度も出てましたが、ある年は本決まりに限りなく近い表現でそれを語り、またある年は引退の「い」の字も語らず夏を越え、結局いずれの年もそんな話はなかったかのように平然と開幕戦のベンチでガムを噛み、その姿を見ると、いつしか、ファーガソン監督は永遠にマンチェスターユナイテッドにいるのではないか、この人がいないプレミアリーグを観ることなどないんじゃないかとすら思うようになっていました。最近は「引退するかどうか悩むには、私は歳をとりすぎたようだ」などととぼけてみせ、その自信に満ちた表情から、彼がいなくなった世界を想像することはとてもできませんでした。
しかし、ついにその時がきてしまったのですね。
いいたいことは山ほどありますが、まだ整理がつきません。
ベッカムのコーナーキックをシェリンガムが落とし、スールシャールが決めた直後にタイムアップを迎えたあのトレブルの春。アネルカのPKをファン・デル・サールが止めた、雨降りしきるモスクワの夜。あまりにも劇的だったふたつの欧州制覇の瞬間を、忘れることはないでしょう。そして2回の世界一、13回のプレミアリーグ制覇、38個のタイトル。これだけ多くの喜びをもたらしてくれたことを、ひたすら感謝するばかりです。
少しセンチメンタルに過ぎたかもしれません。すみません。思いのほか喪失感が激しく、まだ動揺しています。シーズンが終わったら、あらためてサー・アレックス・ファーガソンの26年を冷静に振り返ってみるつもりです。いまはただ、感謝の気持ちだけ、この場に残したいと思います。
ありがとう、ファーガソン監督。最高の瞬間は、いつもあなたとともに。
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