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「私はノーマル・ワン」…とにかく明るいクロップに、プレミアリーグはお祭り騒ぎ!

ユルゲン・クロップ監督のリヴァプール指揮官就任が決まり、イングランドじゅう、いやドイツも巻き込んでのお祭り騒ぎです。ドルトムントの公式ツイッターは、発表直後に素晴らしいメッセージを配信。Qolyが「クロップがリヴァプール監督に就任!その時、ドルトムントのTwitterがナイスだった」と紹介していますが、この記事は惜しかったですね。今回のツイートは、ザ・ビートルズのアルバム「アビー・ロード」の背景を使ったフェイクの写真よりも、「We heard the news today, oh boy! (今日、その知らせを聞いたよ。何てことだ!)」という、同じビートルズの名曲「A Day in the Life」のパロディがキモでしょう。

ともあれ、リヴァプールならではのネタを使ったドイツのクラブの遊び心には、ファンでなくても盛り上がります。ブックメーカー「ウィリアム・ヒル」は、「1月にクロップさんが連れてくるドルトムントの選手」という賭けのオッズを発表。低い順に、フンメルス、オーバメアン、マルコ・ロイス、香川真司となっています。これを見ると、ドルトムントのサポーターに「Can’t Buy You Reus」などと抵抗のチャントを歌われるのではないかとか、マンチェスター・ユナイテッドにいた選手をリヴァプールに⁉などとあれこれ考えてしまいますが、細かいことはスルーしましょう。何しろ、お祭りの最中です。「クロップ歓迎祭」は、初戦となるトッテナム戦の前日まで続きそうです。

昨日開かれた会見は、名刺代わりのシンプルなものでしたが、クロップ監督はしっかり一発打ちこんで、鮮やかなプレミアリーグデビューを決めてくれました。「素晴らしいサポーター」「アンフィールドは最高の空気」「リヴァプールからのオファーは考えうる最高の名誉」と、お約束のリスペクトの後、ここではどう呼ばれたいかと問われ、ひとこと。「自分について語るのは好きじゃない。私は普通の人間。”ノーマル・ワン”だよ」。こんなことをいわれると、スペシャル・ワンと称するモウリーニョ監督との対決が楽しみになります。明るく和やかにリップサービスをする新指揮官は、一方で「時間がほしい。4年いられれば、タイトルを獲得できる」と、期待が膨らみがちな報道に釘をさすことも忘れませんでした。プレミアリーグにどういうアプローチで臨もうとしているのかがわかるのは、予防線を張ることも必要な会見よりも、クラブの公式サイトのインタビューでしょう。

「勝つこと自体重要なことだが、どう勝つか、どうプレイするかが同じく重要だ。私が信じるプレイ哲学は、とても感情的で、速く、力強いものだ。私の指揮するチームはフルスロットルでプレイし、どんな試合でも限界まで戦わなければならない。自分のメンタリティーを反映し、明確な指針があるプレイ哲学を持つことが大事だ。戦術には大きなハートがこもっていなければならない」(ユルゲン・クロップ)

ライバルクラブとしては、短期的には戦術云々よりもこちらのほうが怖いですね。迷いが生じていたチームが、「とにかく走ろう」というわかりやすいメッセージでひとつにまとまるだけで、相当サッカーの質が変わるのではないかと思います。長期的なクロップ効果は、ドルトムントから選手を何人連れてくるかではなく、リヴァプールOBのディトマール・ハマン氏がイギリスのラジオ局「talkSPORT」で語っていたこちらでしょう。

「大半の監督は3ヵ月もすれば、『選手がフィットしていない』『新しい選手が10人は必要だ』と不満をこぼし始める。しかしクロップは『このスカッドは申し分ないね』というだろう。もちろん、彼も1人2人はキーマンとなる存在を求めるだろうが、ドルトムントでの彼は、3人の無名選手をワールドクラスへ変貌させた。ヌリ・シャヒン、シンジ・カガワ、マリオ・ゲッツェだ。リヴァプールでも、選手をベストに導いてほしい」(ディトマール・ハマン)

13位だったドルトムントを引き継いだクロップ監督の最初の3年は、6位、5位、1位でした。昨季6位だったリヴァプールに、あらためて戦うスピリッツを注入するだけでも、混戦となったプレミアリーグの4位は充分狙えるでしょう。そしてその先、ジョーダン・ロシター、ジョーダン・アイブ、ジョー・ゴメス、ディボック・オリギ、エムレ・ジャン、ダニー・イングス、ジョン・フラナガン、ジェローム・シンクレアなどの若手が化ければ…。忘れてはいけないのは、コウチーニョもまだ23歳で、底を見せていないということです。選手たちにクロップイズムをインストールできれば、4年といわず、手前でタイトルに手が届くかもしれません。そうなれば、プレミアリーグ3位となる700万ポンド(約13億円)の年棒は、相当安いですね。…妄想はこのぐらいにして、終始笑顔で記者会見に臨んでくれた名指揮官に敬意を表して、われわれもとにかく明るくお迎えすることとしましょう。クロップ監督、ようこそプレミアリーグへ!(ユルゲン・クロップ 写真著作者/Tim.Reckmann)

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“「私はノーマル・ワン」…とにかく明るいクロップに、プレミアリーグはお祭り騒ぎ!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    お祭り騒ぎですね。私もお祭りに乗っちゃいました(笑)
    急な改善は望みません、とにかく足腰をじっくりと鍛えチームにかつて持っていた戦うスピリットと注入して欲しいですね。スカッドは申し分ないと思います。期待してます!

  2. nyonsuke より:

    私もお祭り状態で夢想が止まりません。
    ですが、たしかにクロップ監督に期待できることは若手の台頭でしょう。
    ロジャースも定評がありましたが、また違う形で若手を育ててくれそうです。
    ジェラード、キャラガーがいない今、ロシターが覚醒すれば、クロップ監督の成功は間違いなくレジェンドにもなれるでしょう。
    いやいや、夢想が止まりません。
    スパーズ戦までには一回クールダウンしなければいけませんね 笑

  3. lamp より:

    お祭りですね~。
    リバプールファンとしてはうれしい限りですし、こんなタイミング、状態で就任してくれることには、感謝しかありません。(ファンから見ても半分地雷物件ですし・・・)
    クロップ効果で日本にもチェックする方が増えそうですし、そのままクロップファンから、
    リバプールファンになってくれる人が、たくさんいてくれたらありがたいですね。

  4. グローリーグローリー より:

    クロップの人柄の良さが滲み出た良い会見でしたね。今のリバプールを引き継ぐのは本当に難しい仕事だと思いますが好きな監督なので頑張って欲しいです。

  5. あああ より:

    ホントにお祭り騒ぎですね笑
    彼はユーモアもあって、カリスマ性もあり、彼の一文一文に惹きつけられます。
    「疑うものから信じるものへと変わらなければならない」
    クロップ・・・いいなぁ・・・

  6. makoto より:

    Mackiさん>
    今季、どこまで強くできるかですね。若い選手の成長に期待してます。

    nyonsukeさん>
    ロシターですね。私はエムレ・ジャンとジョーダン・アイブ推しです。

    lampさん>
    レッズファン、増えるでしょうね。監督が明るくて見た目が魅力的なのは大事なことです(涙)

    グローリーグローリーさん>
    年末年始の手綱さばきを観てみたいです。そこをうまく越えられれば、年明けからCL出場権争いが激しくなりそうです。

    あああさん>
    話が上手ですよね。若い選手たちには相当慕われるのではないでしょうか。

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