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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

マドリード解任のベニテス氏にプレミアリーグのクラブがアプローチの噂。いや、それは…!

ラファエル・ベニテスさんのレアル・マドリード監督解任のニュースは、「来るぞ来るぞ」と報じられていても、実際に聞くと衝撃を通り越して呆然でした。プレミアリーグファンの感覚でいえば、「何も失敗しないで解任された監督」です。首位から勝ち点4~5差の3位なら、充分射程圏内。クリスマスに3位でクビが飛ぶなら、第二次政権初年度にプレミアリーグ3位だったジョゼ・モウリーニョ監督はアウト。ヴェンゲル監督は、10回以上解任されることになります。

「降格候補のヒホンや不振のバレンシアに引き分けた」「9位のセビージャに負けた」といってもすべてアウェイ戦。中堅以下のクラブが粘り強く、敵地で苦戦するのは日常茶飯事のプレミアリーグの監督からすれば、3位に着けていれば、「それが何か?」でしょう。エスタディオ・ビセンテ・カルデロンでのマドリードダービーを1-1で引き分けてしまいましたが、プレミアリーグにおいては、ダービー絡みで解任まで刃が刺さるのは、ニューカッスル戦の直前に不調だと監督が代えられるケースが多いサンダーランドぐらいなものです。ただし、これだけは、イングランドにはない文化なのでわかりません。

サンチアゴ・ベルナベウのクラシコで、0-4で敗れること。

日本のリーガ・エスパニョーラのファンは、このことの重みを実感してらっしゃるのか、それともやはり現地に住まないと肌感覚までは得られないのか、実際どうなのでしょうか。人気監督アンチェロッティ直後でそもそも逆風だったことに加え、取りこぼしの多さ、選手との確執、連携のないサッカー、ファンのブーイング云々とさまざまな解任理由が語られていますが、半年しかやっていない監督には挽回のチャンスぐらいは与えられるのが普通でしょう。報道を見ていると、バルサに勝っていれば助かったのではないかとすら思えてしまいます。そういえばマドリード時代のモウリーニョ監督も、レフェリーを牽制するなど、クラシコに負けないためにありとあらゆる手を使っていました。あな怖ろしき、クラシコ。とにもかくにも、ベニテス監督は解任となり、不振のクラブや、ジャンプアップしたいクラブにとっては強化の選択肢となったわけです。

時を同じくして、ペップ・グアルディオラ監督が、バイエルンミュンヘンを離れる理由はプレミアリーグにチャレンジするからだと明言しました。

「新しいクラブはまだ決めていないが、イングランドで働き、新しい街を体験したいというのが決断の理由だ。イングランドからいくつかのオファーはあるが、サインはしていない。60歳か65歳ならバイエルンにとどまっただろうが、私はまだ若すぎる。新しい挑戦が必要なんだ」(ジュゼッペ・グアルディオラ)

「スカイ・ドイツ」の記者は、「彼が来年、マンチェスター・シティに加わるのは100パーセント確実」と、珍しく100などという数字を使って力説しています。ペップがマン・シティだとすると、アーセナルはヴェンゲル、マンチェスター・ユナイテッドはファン・ハール続投かあるいはあの方、トッテナムはポチェッティーノ、リヴァプールはクロップ。ベニテスさんは…チェルシーだけはないでしょう。プレミアリーグに戻ってくるのか、ゆかりあるセリエAに場を求めるのか、あるいは新しい土地を選ぶのか。その去就が注目されますが、最も条件のいいオファーを出せそうなのはプレミアリーグではないでしょうか。イギリスメディア「スカイスポーツ」は、スタジアム移転を控えたウェストハムがベニテス招聘に動きそうだと伝えていますが、うーん、これはどうなのでしょうか。47歳の若き指揮官、スラヴェン・ビリッチ監督は、チャンピオンズ出場権まで4つしか差がないプレミアリーグ6位と大健闘しており、上位クラブに勝ち越しているのです。

「結果を出した監督は、しっかり評価してあげてほしい」「若い監督に活躍の場をあげてほしい」。ベニテスさんの来季を報じる記事を目にしながら、いいたいのはこれです。モンク、ロジャース、シャーウッドと、今季のプレミアリーグは青年監督受難の年で、このうえビリッチさんやロベルト・マルティネスさんのような熱意ある監督が去るのは見たくありません。エヴァートンは、プレミアリーグ11位と苦戦しておりますが、ヨーロッパリーグ出場権の5位までは6差と射程圏内。キャピタルワンカップで4強に残っており、こちらで欧州へのチケットを手にするかもしれません。ルカクはブレイク、ロス・バークリーは復活し、ジョン・ストーンズは堂々の代表入り。ガロウェイやデウロフェウなどの若手を成長させている監督は、なかなか得がたい貴重な人材だと思います。

オーナーのみなさま、どうか早まらないでください。といいつつ、ベニテスさんにとっては、欧州の大会に出られるドイツやイタリアのクラブのほうがウェストハムより魅力的で、こんな話は取り越し苦労なのかもしれませんが。そうです、ペップ襲来となれば、もうひとり優秀な監督が空きますね。ベニテス監督解任を聞いて、「私は1年はやったけどね」とレアル・マドリードのペレス会長を皮肉ったペジェグリーニ監督です。いやいや、どうなることやら…。

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“マドリード解任のベニテス氏にプレミアリーグのクラブがアプローチの噂。いや、それは…!” への3件のフィードバック

  1. より:

    リバプールにガチで来て欲しい よろしくお願いします

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    今回のレアルによるベニテス監督就任と解任は、胡散臭いニオイしかしません。
    全く根拠はありませんが、ジダンを監督にしたいオーナーの規定路線だったのではないでしょうか?
    なんにせよ、レッズであれほど輝いた監督がこのような仕打ちを受けるのは悲しいです。
    ぜひプレミアに戻ってきてほしいですが、今は選手だけでなく監督にもバブルの影響がありトップチームへの就任は難しそうですね。
    ここはアンチェロッティさんとともにブンデスに挑戦するのも面白いかな〜と思います。
    ロジャースさんも含めて、ぜひレッズでの輝きを取り戻してほしい監督です。
    ロジャースさんはスワンズに戻ったりしないのですかね〜。

  3. makoto より:

    あ さん>
    来ないでしょうね…。

    nyonsukeさん>
    そうなんです。選手との軋轢があったにせよ、CLとELを勝っている監督に対する遇し方ではないですよね。イタリアに行かれるよりは、スペインかドイツで(…と、ここはプレミアリーグのUEFAランキング視点ですが)。ロジャースさんのスワンズ出戻りはおもしろいですよね。因縁の対決が増えて盛り上がります。

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