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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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チェルシーがポチェッティーノの就任を発表!現地記者が「彼は失敗しない」と主張する理由。

現場で悪戦苦闘を続けるフランク・ランパードに敬意を表すべく、正式発表はシーズンを終えてからと決めていたのでしょう。プレミアリーグ2022-23シーズンを12位で終えたチェルシーが、マウリシオ・ポチェッティーノ監督の就任をアナウンスしました。

指導者としてのデビューは2009年、プレーヤーとして長い時間を過ごしたエスパニョール。ラ・リーガで11位、8位、14位という3年に特筆すべきものはありませんが、プレミアリーグで残留をめざすクラブの目を引く何かがあったようです。2013年1月に彼を招聘したのはサウサンプトン。チャンピオンシップから昇格したばかりのクラブです。

当時はナイジェル・アトキンスの解任は不可解という声が多く、初年度の14位という着地は微妙でした。しかし2年めは、8位にジャンプアップ。そのチーム作りは高い評価を受け、シーズンが終わるとトッテナムから声がかかりました。ノースロンドンでの5年半は、実り多き季節。チームをTOP4の常連に引き上げたマネージャーは、2018-19シーズンのCLで準優勝を遂げています。

2021年1月から指揮を執ったパリでは、メッシ、ムバッペ、ネイマール、イカルディといったビッグネームのマネジメントに苦慮したものの、初年度にクープ・ド・フランス優勝、2年めにリーグアン制覇と最低限のミッションを達成しました。プレミアリーグに復帰したがっていたポチェッティーノさんにとって、チェルシーからのオファーは渡りに船だったはずです。

スパーズ時代に、財布の紐が堅すぎるダニエル・レヴィ会長に泣かされた指揮官は、トッド・ベイリーの野心と資金力に魅力を感じたのではないでしょうか。カオスに身を投じるような仕事について、懸念を示す向きもありますが、現地記者の多くは新監督のメリットのほうが大きいプロジェクトと見ているようです。

ハードルがとても低くなった状態で仕事を始めるという恩恵を受けるだろう。少なくとも現時点では、チェルシーにおけるいつもの高い要求は、痛ましい失墜によって薄められている」と指摘する「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、「失敗が許されないのは、指揮官ではなくオーナー」といっています。

怖れるべきは、上しか見なくていい指揮官よりも、限界まで走らされる選手たちというのは「テレグラフ」のマット・ロウ記者。「試合後の月曜日に要求されるランニングの量に腹を立てたリッキー・ランバートが、やめてくれと直談判」「いいプレイができたと喜んでいたダニー・ローズが、オフィスに呼ばれて26個もダメ出しをされた」といったエピソードを紹介し、献身を求めるボスによって選手は成長すると主張しています。

これらの記事を読むと、ポチェッティーノの成功は約束されているのではないかと思えてきます。戦術にはハズレがありますが、運動量が増えて弱くなったチームは見たことがありません。エンソ・フェルナンデス、ムドリク、ノニ・マドゥエケ、バディアシルといったヤングスターたちは、おっかない指揮官の下で飛躍的に成長するのではないでしょうか。

経営ボードと指揮官が失敗するとすれば、オーナーの暴走で現場が求めていない戦力が増えるというシナリオですが、ローレンス・スチュワートとポール・ウィンスタンリーの共同ディレクター制が確立しつつある今は、監督が望む選手を揃えられるでしょう。最初にクリアするべき課題は、スカッドのスリム化。ここさえ間違えなければ、チェルシーは鮮やかな復活を遂げられるでしょう。来季開幕戦の先発リストと布陣が、既に楽しみです。


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