レスター優勝、リヴァプールEL決勝進出…きました!とにかく明るいラニエリ&クロップ最新語録!
取って代わったクロップ監督とラニエリ監督がいいのは、勝っても負けても絵になるところです。クロップ監督は、記事にはとても書けないような4文字の言葉を交えながら激しく語ることもあり、ラニエリ監督はジョークをちりばめながら、ポジティブな雰囲気で進むことに腐心してきました。彼らの明るさには、見ているこちらも自然にテンションが上がります。本記事では、プレミアリーグ優勝を勝ち取ったレスターの監督と、ヨーロッパリーグでファイナル進出を決めたレッズの指揮官の、感動的な最新コメントを紹介させていただきたいと思います。
まずは、レスターの優勝が決まったラニエリ監督から。ご興味がある方は、動画を検索していただいて、プレミアリーグでは定例のプレスカンファレンスにおける会場の雰囲気が、ファン・ハール監督とラニエリ監督でどれだけ違うかを体感してみてください。ファン・ハール監督は、日本のマスコミが「激怒」「暴言」などと煽るほどの怒りを見せることはほとんどないのですが、そのトークはボソボソとつぶやいているだけに聞こえることが多く、退屈です。一方のラニエリ監督の会場は、「何かおもしろいことをいってくれそう」といった期待感に満ち溢れており、記者とのやりとりも友好的。普段からそんな関係だからこそ、プレミアリーグ優勝が決まった後の場が満場の拍手に包まれたのでしょう。ラニエリ監督は、「その拍手はいつまで続くんだい?」と時計を確認するジョークをかまして笑いをとった後、いつもと同じように記者一人ひとりと握手をし、モエ・エ・シャンドンのシャンパンで祝杯をかわしました。
「私はティンカーマン(こねくりまわし屋)ではなく、シンカーマン(考える人)だ。私の物語はカリアリから始まった。アマチュアリーグから始まって、プレミアリーグで優勝できたことはスペシャルだ。ましてやレスターだしね。これは私の運命だったのだろう。選手たちや会長、スタッフ、そしてサポーターに感謝したい」(クラウディオ・ラニエリ)
「クリーンシートを達成したら、選手たち全員にピザをおごるよ」「レスターはフォレスト・ガンプのようだね。ひたすら走り続ける」「ペップもクロップも観た。ドイツにも行った。オープンなマインドさえあれば、サッカーには常に学ぶべきことがある。私は日本製のカメラみたいだ。最初は出来が悪かったが、今はどの国よりも優れている」「サポーターは夢を見続けてほしい。われわれは現実を見ないといけない」。いいですね、ラニエリ語録。どんな言葉にも、ポジティブなニュアンスが感じられます。今季、「レフェリーがそう見たのなら、それでいい」と、ジャッジに対する不満をもらさなかったラニエリ監督は、一度だけ異を唱えています。しかし、ジェイミー・ヴァーディの退場について語った言葉を聞けば、それが決してレフェリーの仕事に対する非難でないことはすぐにわかります。
「ヴァーディは決してダイブなどしないよ。そんなことをする選手じゃない。彼が先に触ったように見えたけど、まあいいよ。彼が出場できなくなるのは悲しいけど、われわれにはウジョアという素晴らしい選手がいる。今までと同じレベル、強さでプレイできると信じている」
このひとには、記者も話を聞きにいきたくなるだろうな…と思います。プレスとのいい関係もまた、レスター優勝の理由のひとつだったのではないでしょうか。選手たちは、余計なストレスを抱えることなく、試合に集中できたのですから。
さて、次はクロップ監督です。ラニエリ監督がアメとムチを使い分ける羊飼いのようなマネジメントをするのに対して、こちらは激情派かつ人情派の親分です。ビジャレアルに勝ってヨーロッパリーグのファイナル進出が決まった直後、バックスタンドとゴール裏に向かってガッツポーズを繰り返し、アンフィールドを煽る姿こそ、まさにこのひと。試合後のコメントの熱さもまた、ラニエリ監督100人分です。
「素晴らしい夜だった。チームは輝いていたよ。なんというパフォーマンスだ!…リヴァプールはいいチームだと思っていた。それこそが私がここにきた理由だ。そして今、われわれはファイナルにたどり着いた。信じられない!最高だよ。バーゼルに行くんだ。5万、6万、7万人のリヴァプールサポーターを連れていく。スタジアムではなく街にね。10万人かもしれない。…バーゼルは私の実家の近くなんだけど、いい街だよ。われわれは5月にあの街へ行き、素晴らしいクラブとファンのために、全力を尽くす」(ユルゲン・クロップ)
語っているうちにセルフで盛り上がってしまい、一瞬にして人数が倍になってしまってますが、レッズサポーターのみなさん、気をつけてください。バーゼルのスタジアムの収容人数は3万8000人で、みなさんの割り当ては1万席しかありませんので、プラス9万人が押し寄せたら、端っこにいる方はスタジアムが見えないかもしれません。そんな光景を見てみたいような、怖いような…。
来季はここに、マンチェスター・シティを指揮するインテリ系ポジティブと、チェルシーを率いる激情系親分2号が加わります。いやー、楽しみです。そんな包囲網のなかに、モウリーニョさんも入ってくるのでしょうか。いらっしゃる際には「ハッピーワン・アゲイン」でお願いしたいのですが、いかがでしょうか。負けたゲームの後のレフェリー批判と、ときどき「バーカ」「ハーゲ」と子どものケンカのような悪態(ペップは被害者です)をつくことさえなければ、モウリーニョさんは間違いなくおもしろいんですけどね…。
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これは面白い。両監督とも魅力あふれまくり。
勝つことだけが全てじゃありませんからね。これからもサッカーのエンタメ要素のひとつとして監督語録、お待ちしています。
解任の後のチェルシーサポを見ればモウリーニョの発言はチームの調子よくないときでも届いてる人には多く届いてますから、こればっかりは個人個人の好みでしかないと思います。個人的にはこのブログも最近のモウリーニョにふれた時はユーモアやブログタイトルの偏愛的な肯定感が消えて、あまりいい感じがしないと思いますし。
監督うんぬんに関してはほんと好みでしかないと思います。
モウリーニョはその全く減る気配のないレフェリー批判や子供のケンカじみた悪態も含めて私は好きですね。まさにヒール役じゃないですか。
ラニエリ、クロップ、ペップとは全く違うタイプなのでチームが差別化されて色んな試合が見たくなりますよ。
みんながみんなラニエリやクロップみたいな指揮官なら誰がどこそこに着任したってニュースも「あんま変わんないじゃん…」で終わっちゃうと思います。
だしまるさん>
ありがとうございます。おもしろいですよね。来季はさらにおもしろくなるはずです。
プレミアリーグ大好き!さん>
ご意見として受け止めたいとは思いますが、以前より、チームの状態がよくないようにみえたときには、「よくないのでは」と書かせていただいております。モウリーニョ監督については、最近は「マンチェスター・ユナイテッドの監督としてどうか」という話しか書くことがなく、それに対して私は懐疑的なので、いただいたような印象があるのかもしれません。
ボアスさん>
多様性があったほうがいい、というのは同感です。ただし、程度・強度の問題なのかもしれませんが、今季は選手たちについてのネガティブなコメント、例年より圧倒的に多くならざるをえなかったレフェリー批判、エヴァさんの件と重なったので、聞いていてさすがに厳しいなと思いました。モウリーニョさんには、悪役に徹するときもカッコよくあってほしいという気持ちもありまして。