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守備を立て直せず、直近は10戦1勝…エヴァートンのロベルト・マルティネス監督、解任!

サンダーランドのアドフォカート監督に始まり、ロジャース、シャーウッド、モンク、モウリーニョ、マクラーレン、ガルドで計7人。プレミアリーグ2015-16シーズンで、シーズン途中で解任・辞任の憂き目にあった指揮官たちです。最終節を控え、今季はこれで打ち止めかと思いきや、最後にもうひとり、リストに名前を連ねることになってしまいました。5月12日に解任が発表されたのは、エヴァートンのロベルト・マルティネス監督。スウォンジー、ウィガンを経て、2013年からエヴァートンを率いていた42歳の指揮官は、初年度こそ5位に食い込んでヨーロッパリーグ出場権を手にしたものの、昨季は11位、今季も12位と低迷。10勝14分け13敗という数字もさることながら、直近のプレミアリーグ10試合で1勝3分6敗という絶不調が命取りとなりました。

同世代のロジャース監督が解任となった8節のマージーサイドダービーまでは、3勝4分1敗。4つのドローにはリヴァプール、トッテナムといった難敵が入っており、チェルシーに勝ち、敗戦はマン・シティのみならまずまずでしょう。レイトン・ベインズを負傷で欠いていたものの、ティム・ハワード、ジャギエルカ、ジョン・ストーンズ、シェイマス・コールマン、ギャレス・バリー、ロス・バークリー、ロメウ・ルカクと、チームの背骨となるメンバーは健在。昨季伸び悩んだロス・バークリーが好調で、エジルやデブライネとアシスト王を争っていたデウロフェウやエース・ルカクとの連携もよく、22歳のトップ下は14節までに6ゴールを決めていました。

エヴァートンに暗雲が垂れ込めたのは、11月の末からです。ボーンマス、クリスタル・パレス、ノリッジ戦をすべてドロー。ここから1月までに、わずか1勝です。停滞のトリガーとなったのはジャギエルカの離脱で、守備がうまくいかなくなったエヴァートンは、残り10分から逆転されたストーク戦、テリーがオフサイドだったのはないかと話題になったチェルシー戦など、リードしながら勝ちきれないゲームが増えてきました。フネス・モリが安定しない守備陣の混乱のしわ寄せは、やがて攻撃陣にも及びます。アーロン・レノンとミララスが調子を上げてきたのと歩調を合わせるようにして、デウロフェウが失速。開幕当初はよかったロス・バークリーも、後半戦はPK以外でゴールを決めていません。ルカクが最後に輝いたのは、3月12日のFAカップ準々決勝、2-0で完勝したチェルシー戦でした。直近のプレミアリーグで9試合ノーゴールのエースは、至近距離からのボレーをバーに当てるなど、復活の糸口を見つけられずにいます。

ジョン・ストーンズが集中力を欠き、フネス・モリはミスが目立ち、レイトン・ベインズが以前の彼ではなくなってしまったために崩壊してしまった守備陣が、失点55を積み上げてしまったのがエヴァートン低迷の最たる理由ではあるものの、ここ10試合は攻撃陣も7ゴールしか挙げておらず、どこから手をつけていいかわからなくなっていました。これでは、監督解任もやむをえないでしょう。とはいえ、ひとつだけ申し上げたいことがあります。「2月までのエヴァートンの試合は、どれもスピーディでおもしろかった」。キャピタルワンカップとFAカップでベスト4まで進出したサッカーは、常に攻撃的で観る者を飽きさせませんでした。下り坂に差しかかったベテランが生んだ軋みをフォローしきれなかったのは残念ですが、ロベルト・マルティネス監督が見せてくれたコレクティブなサッカーが、いずれプレミアリーグに戻ってくることを祈っております。3年間、おつかれさまでした。(ロベルト・マルティネス 写真著作者/Jon Candy)

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“守備を立て直せず、直近は10戦1勝…エヴァートンのロベルト・マルティネス監督、解任!” への6件のフィードバック

  1. yuto より:

    攻撃的な面白いサッカーをする監督なだけに残念ですが、そろそろチームも変わる必要がありそうでしたし仕方ありませんね。
    今シーズンに解任、退団となった監督は、ペジェグリーニ、マルティネスさん、途中ですがモンク、ロジャースさんといずれの監督も攻撃に特徴があった監督のように思われます。(モウリーニョさんは・・・)
    こういったことも関係はあるのでしょうかね?

  2. えじ より:

    ロジャースに次いで若い監督が解任されていくのは残念ですね。

    5位フィニッシュした時のトフィーズは早い攻撃にルカクの破壊力満天で凄い面白いチームでした。またプレミアで見たい監督です。

  3. グローリーグローリー より:

    マルティネスってなんか評価が難しい監督ですよね。1年目こそは、ちゃんとした戦力があればここまでやれるんだって感心したものですが、それ以降はウィガン時代のような沈んだ成績しか残せず挙句のはてには解任ですから。逆に言えば1年目の好成績はモイーズの残した素晴らしいベースがあったからこそなのかもしれませんね

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    マルティネス解任の噂が上がっていたので、現実となると残念ですね。ロジャーズと同世代なので気になる監督でした。2部のチームをトップリーグへ引き上げる手腕は確かなものだと思います。チャンピオンシップのクラブからやり直すと言うのも面白いかもしれませんね。CLを争ったガナ戦は面白かったです。

  5. シティふぁん より:

    マルティネスの解任は残念ですね
    今季最初に戦った時はスピードがありその時好調だったシティと互角でした
    それから守備に不安を抱え失点が多かったですね
    エバートンの次の監督は誰になりますかね?

  6. makoto より:

    yutoさん>
    中堅・下位クラブの攻撃力が上がるなか、今までの常識に囚われずに守備を強くしないと勝てなくなったという面もあるのだと思います。アーセナルの苦戦もまた、根っこは一緒なのではないか、と。

    えじさん>
    ですね。昨季のELもおもしろかったので、今季の巻き返しに期待していたのですが、残念です。

    グローリーグローリーさん>
    モイーズの遺産説が妥当なのかもしれませんが、私の見立ては、「昨季はELとの兼ね合いがうまくいかなかった」「今季は主力だった選手が落ちてしまった」でした。

    Mackiさん>
    ジョン・ストーンズ、ジャギエルカ、フネス・モリがそれぞれの理由で不安定になってしまうなど、今季は誤算が多すぎました。

    シティふぁんさん>
    本命フランク・デブール、対抗ペジェグリーニ、大穴モイーズ復帰とみています。

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