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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

バルサ、バイエルン、リヴァプール…現地記者が「2024年の夏は監督大移動が勃発」と予想!

リヴァプールに退団を申し出た後、2ヵ月の沈黙を経て発表を決断したユルゲン・クロップに対して、ビジャレアルに3-5で惨敗した直後にシーズン終了後の退任を口にしたシャビ・エルナンデスは、いささか性急でエモーショナルに感じられました。試合後のプレスルームは、未来の重要な話にふさわしい場所ではないでしょう。

自らの意志と静かに明言したクロップは、何を語るべきかを整理していました。しかしバルサの若き指揮官の言葉は、多方面に拡散しています。「クラブにはダイナミックな変化が必要」「経営ボードのためにも、自分が去るのがベスト」「バルセロナでは常に評価されていない、虐げられていると感じる」「精神衛生上も厳しい。バッテリーの残量がどんどん減っていく」…。

ジョアン・ラポルタ会長、ラファ・ユステ副会長、デコSDと協議して決めたというシャビは、大軍に討ち取られる前に自刃して火を放つ敗軍の将のようでした。サウジアラビアで15日に開催されたスペインスーパーカップの決勝で、レアル・マドリードに4-1で完敗。その9日後のコパ・デル・レイ準々決勝はアスレティック・ビルバオに4-2で敗戦。腹はくくっていたのでしょう。

何のために、誰のために身を引くのかが不明瞭だった指揮官の宣言によって、ひとつだけはっきりした事実があります。次の指揮官を選ぶリヴァプールに、やっかいな競合が出現したということ。2018-19シーズンのCL準決勝ではカンプ・ノウで3-0で完敗した後、アンフィールドで逆転しましたが、名将を口説き落とすパワーゲームは先手必勝です。

いや、敵は本能寺にありと叫んでまっすぐ進むと、脇から刺される可能性があるようです。「テレグラフ」のマット・ロー記者は、監督選びに奔走する強豪クラブや代表チームが続出しそうなオフシーズンを「夏のメリー・ゴーラウンド」と表現しています。まずは、長いテーブルの両側に座る可能性がある候補者とチームを並べてみましょう。

候補者と目されているのは11人です。レヴァークーゼンの後塵を拝するトーマス・トゥヘル、プレミアリーグのTOP4が絶望的となったエリック・テン・ハフは、職を探す必要に迫られる可能性があります。ブライトンを率いて欧州で戦うロベルト・デ・ゼルビと、ブンデスリーガで首位のシャビ・アロンソは、ステップアップの誘いが殺到しそうです。

クロップは充電期間に入るものと思われますが、ジョゼ・モウリーニョ、グレアム・ポッター、アントニオ・コンテ、フレン・ロペテギは、満足できるオファーを求めています。シャビはどうするのか。ユリアン・ナーゲルスマンとガレス・サウスゲートは、ユーロ2024の結果次第で舞台から下ろされてしまうかもしれません。

一方、彼らに注視しているチームは、レッズとバルサだけではありません。オマル・ベラダがCEOに就任したマンチェスター・ユナイテッドは、サー・ラトクリフが改革を進めようとするはずです。ブンデスリーガ12連覇を逃したら、バイエルンも体制を刷新するでしょう。CLで敗退寸前だったパリと、2年連続で欧州を逃す可能性があるチェルシーは、常に予測不能です。

「テレグラフ」の記者によると、リヴァプールの有力候補はデ・ゼルビとシャビ・アロンソで、バイエルンはレヴァークーゼンからの引き抜きを画策する可能性あり。トゥヘルとポッターはマンチェスター・ユナイテッドとリンクしているといわれており、昨年の春にスパーズとチェルシーという噂があったナーゲルスマンもプレミアリーグに興味を示しているようです。

トゥヘル、テン・ハフ、サウスゲート、ナーゲルスマンが、どんな結末を迎えるかはわかりません。よって、夏のメリーゴーラウンドに誰が乗っているかも見当がつきません。バイエルンは勝つにせよ負けるにせよ、これからもうまくやるでしょう。バルセロナは、厳しい季節を迎えるのかもしれません。マン・ユナイテッドの再建は、監督よりディレクターが重要でしょう。

リヴァプールには、失敗してほしくないという思いがあります。サー・アレックス・ファーガソンの後、苦しんだクラブを見続けてきた者として。ファーガソンはガラパゴスで、誰に託したとしても作り直すしかなかったのだと思います。あの頃、それをすんなりやれる人物は、ジョゼ・モウリーニョ以外に思い浮かびませんでした。

しかしクロップなら、うまく継承してくれる監督がいるのではないでしょうかか。今はただ、ファーガソンやヴェンゲルの後、苦しんだクラブと同じ道を歩かないでほしいと願っています。先日から名前が挙がっている指揮官なら、サポーターやプレミアリーグファンの納得は得られるのではないかと思いつつ。


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