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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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シャビ・アロンソはどっちを選ぶ?リヴァプールVSバイエルン、監督としてのメリットとリスクは…!

リヴァプールとバイエルン・ミュンヘン。両者に特段の共通項はありませんが、いずれもシャビ・アロンソが現役時代に所属したクラブです。マージーサイドのクラブに入団したのは、2004年の夏。22歳だったセントラルMFは、最初のシーズンにチャンピオンズリーグを制し、選手としてピークに向かう濃密な季節を過ごしました。

5シーズンで公式戦210試合19ゴール、プレミアリーグ143試合15ゴール。レアル・マドリードを経て、ミュンヘンに移籍したのは32歳になってからで、3シーズンで117試合9ゴールという数字を残してスパイクを脱いでいます。レジェンドと称える熱狂的なサポーターが多いのは、リヴァプールのほうでしょう。

ユルゲン・クロップ監督がリヴァプールを去ると発表した4週間後、バイエルンはトーマス・トゥヘル監督が今季限りで退任するとアナウンスしました。プレミアリーグで首位に立つクラブも、ブンデスリーガでレヴァークーゼンの後塵を拝するクラブも、シャビ・アロンソが次期監督の大本命と報じられています。

残留か、移籍か。ドイツか、イングランドか。42歳の若き指揮官の選択肢は3つでしょう。バイエルンとリヴァプールがリーグのトロフィーを獲得するかしないかで、見え方は変わってきます。バイエルンが優勝すれば、未来のために若い人材を連れてきただけといえますが、11連覇をストップしたライバルから監督を引き抜く格好となれば、風当たりは強くなりそうです。

片やリヴァプールも、今季の着地によって空気が変わります。クロップが有終の美を飾れば、偉大なる前任者と比較する目線が厳しくなり、ペップやアルテタに敗れれば、リベンジをめざすチャレンジャーとして新たなキャリアを始められます。とはいえ、いずれにしても、バイエルンほどの強いプレッシャーはかからないはずです。

トロフィーに近いのは間違いなくバイエルンですが、2位でもクビになる可能性があるクラブでもあります。スカッドを見ると、アラサーが多いのが気になります。ノイアー、トマス・ミュラー、ハリー・ケイン、エリック・ダイアーら30代が8人いて、キミッヒとレオン・ゴレツカは29歳。新たなチーム作りのためのスイッチングコストがかかるのは、懸念点のひとつです。

クロップ監督のチームは、「リヴァプール2.0」と称するリニューアルが既に始まっており、アリソン、ファン・ダイク、マティプ、チアゴ・アルカンタラ、遠藤航、サラー以外はフレッシュな顔ぶれです。戦術理解度とユーティリティが高い選手が多く、レヴァークーゼンの3バックを持ち込んでも、さほど混乱はないでしょう。

あらためて、2つのクラブのメリット・デメリットを並べてみましょう。バイエルンはドイツNo.1で、トロフィー獲得の期待感、新戦力への投資規模、ターゲットとなるビッグネームからの評価、過渡期ゆえに再構築しやすいことが強みです。ただし、すぐに成果を要求されるクラブであり、クラブ、メディア、サポーターからのさまざまなプレッシャーに耐えなければなりません。

対して、群雄割拠のリーグで戦うレッズは、勝つまでに時間をもらえそうです。若手が多いスカッドと、アンフィールドの熱狂も大きな魅力。ビッグタイトルを獲得すれば、圧倒的な称賛を手に入れられます。とはいえ、「欧州を制するレベルの戦力を揃えられるのか?」といわれると、「いいSDを招聘できれば」という条件付きで、クロップはCL制覇まで4年半を費やしています。

現役時代を過ごした2つのクラブが、椅子を用意して手招きしている絶好のチャンスに残留はないと見ます。シャビ・アロンソは、どちらを選ぶのか。プレミアリーグファンとしては、レッズに来ていただきたいのですが、マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、うらやましさと恐怖心がない交ぜになる複雑な気分です。決まったら、来季も3強でしょうね…。(シャビ・アロンソ 写真著作者/DONOSTIA KULTURA)


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