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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

注目のキーラン・マッケンナはブライトンか、チェルシーか?マンチェスター・ユナイテッドは…!

チェルシーとマウリシオ・ポチェッティーノ監督が1年で決別。その最たる理由は、「クラブの組織と監督の役割に関する考え方が合わなかった」と報じられています。円満な離婚といわれている両者は、それぞれ悪くない決着と考えているのではないでしょうか。指揮官は終盤の追い込みで株を上げ、ブルーズは可能性があるスカッドを有しているとアピールできたからです。

「監督が現場の全権を掌握すべし」と主張する52歳と袂を分かつと決断したクラブは、若い指揮官をターゲットとしていると伝えられています。スポーツディレクターがチーム作りの責任を負い、ヘッドコーチはトレーニングとゲームを仕切るという考え方にフィットしやすいからか。あるいは、最新の戦術を操る世代に未来を託したいからなのか。

折しも、バイエルン・ミュンヘンがヴァンサン・コンパニと合意に近づいているというニュースが流れたばかり。今季はレヴァークーゼンの後塵を拝したとはいえ、13連覇という偉業を達成したドイツの名門が、5勝しかできずにバーンリーを降格させた指揮官に声をかけたというだけで衝撃的です。背景にあるのは、欧州の主要リーグにおける新世代の躍進でしょう。

公式戦51試合連続無敗で、ブンデスリーガ制覇とヨーロッパリーグ準優勝という成果を得たレヴァークーゼンのシャビ・アロンソは42歳。プレミアリーグでペップと死闘を演じたミケル・アルテタと同い年です。ジローナをCLに導いたミチェルと、インテルでスクデッドを獲得したシモーネ・インザーギは48歳。ブライトンを初めて欧州に連れていったデ・ゼルビは44歳です。

チェルシーの新監督候補として、ジョゼ・モウリーニョやアッレグリの名前も挙がっていますが、ポチェッティーノの主張に難色を示したSDたちが彼らのオーダーを呑むとは思えません。シュツットガルトをリーグ2位に引き上げたセバスティアン・ヘーネス、イプスウィッチを2年連続で昇格させたキーラン・マッケンナといったアラフォーのほうが現実的でしょう。

デ・ゼルビと別れたブライトンも、マッケンナの招聘を画策中と報じられています。トッテナム、レスター、ノッティンガム・フォレストでユースコーチとして働いた後、マンチェスター・ユナイテッドのU-18チームの監督に就任。2018年からはジョゼ・モウリーニョのアシスタントマネージャーを務め、スールシャールとラングニックも支えた経歴は高く評価されています。

イプスウィッチに呼ばれたのは2021年12月。初年度をリーグ1(3部相当)の11位で終えると、2年めに2位に食い込み、昇格初年度だった今季のチャンピオンシップを2位で通過してしまいました。リーグ1の中位から2年でプレミアリーグは、チャンピオンシップとリーグ監督協会(LMA)の年間最優秀監督のダブル受賞も納得の離れ業です。

クラブが提示した新契約を拒否したと伝えられるマッケンナは、ブライトンをステップとしてビッグクラブにキャリアアップするのか。あるいはいきなりチェルシーでチャレンジするのか。「アスレティック」のナンシー・フロストン記者は、「チェルシーの混乱に身を投じるのはあまり意味がない。イプスウィッチに残るか、ビッグ6以外に行くべき」といっています。

「複雑な組織で指揮を執るギャンブルを避け、ブライトンやイプスウィッチで結果を残せば、数年後に今よりも魅力ある行列ができる」というわけです。モウリーニョ、スールシャール、ラングニックが全員留任を望んだという実績があれば充分といいたくなりますが、ポチェッティーノほどの人材を1年で手離すクラブはリスキーといわれれば、返す言葉はありません。

さて、チェルシーは前任を超える人物をアサインできるのか。マッケンナはどうするのか。フリーになったデ・ゼルビやポチェッティーノの選択も気になります。2016年にサー・アレックス・ファーガソンと会食したポチェッティーノは、2018年12月のモウリーニョ解任の際はスパーズと蜜月で、スールシャールとラングニックが切られたときはパリにいました。

過去4回はバッドタイミングでしたが、すぐに声をかければすんなり決まりそうです。しかし…。2年前ならテンションが上がったのですが、今は微妙です。やはり私の目にも、若き戦術家たちが眩しく映っているのでしょう。マッケンナがチェルシーで成功したら、悔しいですね。マドリードで躍動するCR7に見惚れていたときのように。(キーラン・マッケンナ 写真著作者/Kane Brooker)


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