たったひとつの敗戦から…「アーセン・ヴェンゲルがクラブを離れたら起こりえる10の出来事」
同じグループで2位通過だったパリ・サンジェルマンは、バルセロナに4-0で勝っています。ヴェンゲル監督がミュンヘンでセカンドハーフの戦い方を間違えたように、アンチェロッティ監督がエミレーツで何かを読み違えれば、同じ数字で残りの90分を終える可能性はゼロではありません。未だ勝負の最中、総括はすべてを終えてから。ましてやヴェンゲル解任論を声高に唱えていいタイミングではありません。私は、ガリー・ネビルさんの言葉を支持します。
「A terrible night for him and Arsenal but It won’t. Only the emotional and the exaggerated will suggest that his legacy will be tarnished(ヴェンゲル監督とアーセナルにとって怖ろしい夜だったが、彼が残してきた業績が傷つくわけではない。感情的なひと、誇張したがるひとだけがいってるんだろう)」
ただし一方で、この惨敗が指揮官自身や選手、クラブの判断に影を落とす可能性があることは否めません。敗戦直後に自らの去就について語ったヴェンゲルさんの言葉は気になりました。「今、重要なのはチームの未来であり、私の未来ではない」「3月か4月には決まるだろう」「何かが起こったとしても、私は来季も指揮を執るだろう。ここかもしれないし、別の場所かもしれないけれど」。率直で飾らない方が、別なチームで監督を務める可能性に言及したということは、経営ボードに残ってクラブに貢献する線は残念ながら期待できないということになります。プレミアリーグは無敗優勝を含む3回制覇、FAカップを6回獲った稀代の名将は、クラブに残らないという意志を固め始めているのかもしれません。このムードに乗ったイギリスメディア「デイリー・ミラー」は、若干遊び気味に「10 things that will DEFINITELY happen if Arsene Wenger leaves Arsenal(アーセン・ヴェンゲルがクラブを離れたら起こりえる10の出来事)」と題した記事を掲載。長期政権終焉による影響の大きさを指摘しています。
「ジョゼ・モウリーニョが新しい誰かを必要とする」「(WENGER OUTと書かれた)たくさんのバナーが不要になる」「ソーシャルメディアが秀逸なGIFを失う」「(ジッパーが閉まらない)れいのコートの売上激減」「ヴェンゲルさん自身が着たいものを頻繁に纏うことができる」「アーセナルファンTVへの興味が失われる」といったあたりは、笑ってスルーでいいでしょう。問題は、次の4つです。
「アレクシス・サンチェスとエジルは新しい契約を結ばず出ていく道を選ぶ」
「フランシス・コクランはガナーズのために再度プレイしない」
「オリヴィエ・ジルーも然り」
「サポーターが木曜日の夜のスケジュールを空けておかなければならなくなる」
代理人のエルクト・ソグトさんが「悲惨な結果のスケープゴートにされている」と怒りを表明したエジルも、敗戦の翌日イタリアに旅立ったアレクシス・サンチェスも、感情的な非難に嫌気がさしたことが新契約をためらう理由になってしまうかもしれません。いや、その前に、ヴェンゲル監督と選手たちには、大事な仕事がたくさん残されています。エミレーツのセカンドレグで可能性を追求すること、プレミアリーグで逆転優勝の望みを賭けて勝ち続けること、チャンピオンズリーグの出場権を確保すること、FAカップのトロフィーを手に入れること。EFLカップしか失っていない今、来季の監督人事について主張して、クラブにプレッシャーをかけても得られる果実は何もありません。
私はグーナーではありません。しかし、ヴェンゲル監督の素晴らしい仕事を見続け、リスペクトしてきたものとして、バイエルン・ミュンヘンとの次戦を力いっぱい応援しようと思っています。ヴェンゲル監督が、心ないバナーを突きつけられてエミレーツを去る姿は見るにしのびなく、アーセナルにはいつまでもインテリジェンスを湛えたクラブでいてほしいからです。彼らのいちばんいい季節に激しく戦ったライバルクラブ出身のガリー・ネビルさんは、こんなこともいっています。同じクラブのサポーターである私も、深くうなずきます。
「アーセン・ヴェンゲルの20年間の貢献は、ある種の出来事よりも少しでも敬意を払われるべきだろうか?イエスという人もノーもいるだろうが、彼が成し遂げてきたすべてのことに対して、そうされるべきと思う」
「チェルシーに20年を捧げてきたジョン・テリーが、ピッチにいなかったりプレイがよくなかったりすれば、バナーや虐待を受けるべきなのだろうか。それは違うだろう」
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あちこちがあまりに騒ぎすぎなような気もしますね
確かに負け方は良くなかったです、ここ数年に渡って同じ相手にやられ続けているわけですし、気持ちは分からないでもありません
ただ、冷静に考えてみれば、今のバイエルン相手にガナーズが、いやプレミアのチームが戦って、ホーム&アウェイの2試合で善戦できるでしょうか?
少なくとも僕の答えはノーです
五分に持ち込める可能性があるのはチェルシーくらいで、現状他のチームは10回戦って1回勝てるかどうか、とまでは言わないまでも、3回勝つのは限りなく厳しいと思います
はっきり言って、プレミアリーグの戦術的進歩が停滞している間に、バイエルンとは戦術的及び戦力的にそのレベルの差が開いています
昔は違ったかもしれませんが、少なくとも今はプレミアにとって、バイエルンは圧倒的格上です
負けて仕方ないとは言わずとも、ことさら騒ぎ立てる必要を感じません
だからこそ、欧州を見据えたチーム作りのために勇退を、と言うなら話は分からないでもないですが
今聞こえてくるのは、感情論ばかりで、ヴェンゲルに対するリスペクトが欠けていますよね
スパーズ推しさん>
そう思います。世界王者の不代表チームの主力と、ワールドクラスのストライカー、サイドアタッカーがいるチームですので、押されるのは当たり前、アウェイで耐えてホームの一発に賭けるという戦い方しかできないでしょう。チームにリーダーシップが必要、気持ちで負けてはいけないとは思いますが、犯人探し的な批判を重ねても仕方がないですよね。昨季、勝ったゲームが素晴らしかったので、サポーターのみなさんがああいう展開を期待するのはわかりますが、アリアンツ・アレナでは難しいと思います。まだ半分残ってるので、今は奇跡的な勝ち抜けに期待してます。
自分の引退すべき時を見極めたファーガソンの引退は老いたチームの衰退を一気に加速させ、その後の未熟なフロントと監督人事の混乱はクラブを暗い時代に突入させました。長期政権を築くと選手の入れ替えを好まなくなるというデータもあるようで、ヴェンゲルが言っている「クラブの未来」を考えた時に、ここあたりでアーセナルを去るというのはお互いにとっていいのかもしれません。できればヴェンゲルにはPLのチームでチームを率いてくれる事を願います。
自分もヴェンゲルさんのインタビューを見て、クラブの経営ボードに残ることはないんだと思いました。ただ、逆に言えばまだまだ、ヴェンゲルさんは現役監督として指揮を取りたい意欲に溢れていることに尊敬の念を抱きました。ガナーズの選手達には今こそ監督とチームの威信にかけて、熱いプレーで応えて欲しいです!ヴェンゲルさん就任時からのガナーズを応援している身としては、可能性がゼロでない3月初めのホームエミレーツでのバイエルン戦での奇跡を信じて応援し続けたいと思います!
ネビルさんの言葉は自分が思っていた思いを代弁してくれ、本当に嬉しかったです。ライバルチームで切磋琢磨したからこそ思えるヴェンゲルさんへのレスペクトを感じ、広い心を持ったOBがいるプレミアリーグが益々好きになりました。
自分はリーグではライバルであっても、来週のシティとレスターのCLを、1プレミアファンとして勿論応援します!是非ともリーグの威信をかけて、熱い試合をして下さい!
MUFCさん>
ヴェンゲルさんが、プレミアリーグの他クラブを率いるとなると、その姿に慣れるのに時間がかかりそうです。フランスの上位にいってパリに勝つ、というシナリオならすんなり入れそうですが…。
ヤンガナ大好き! さん>
プレミアリーグもチャンピオンズリーグも、諦めるタイミングではないですよね。応援します。
私はグーナーのひとりですが、本当に今のヴェンゲル解任の風潮には嫌気が差しています。
何を言っても感情論や結論有りきのひとたちには通じず、では、そのひとたちが
一体何を望んでいるのかと言えば、端的に言うと「破壊」なのでのないかと思います。
冷静に考えてベンゲルの実績は批判されるものではないですが、変化が少ないということに
嫌気が差している人たちや、それに便乗して不満をぶつけているひとが大勢いる気がします。
私はベンゲルの年齢を考えれば辞任もひとつの選択肢だろうくらいには思いますが、
それはあくまで本人の決めることであって、これだけひとつのクラブに深く根ざしている
監督を引き継ぎ期間もなく辞めろというのは、あまりに無責任すぎるのではないかと思っています。
僕はこういうビッグクラブとの対戦での大敗でいつも、やはりヴェンゲルの限界かと思います。
ただ、いつもその後シーズンが終わるまでにやはりボスは凄い、来シーズンこそは頼むぞと思わせる巻き返しをみせてくれます!
今年もそれを期待しています!
逆にどうしてベンゲルの退陣を唱えるグーナーをまるで感情的で愚かなように書かれる方がいるのか、私にはその意見こそ理解できません。
過去にはユナイテッドに2-8で負けても、チェルシーに0-6で負けてもそれでもクラブを導いてくれたベンゲルだからこそ、これだけの期間ビックタイトルを獲れなくてもサポーターは我慢し続けてきたのではないですか。十年耐えてきたサポーターにあと五年黙ってベンゲルを応援し続けろ、そうすればタイトルを獲れるから、とでも?
先日のバイエルン戦は本当に酷い出来でした。守備組織は形だけで対応はバラバラ。ゾーンディフェンスの基礎すらなっていない、リーグ開幕直後ならまだしもとてもこの時期に許されるものではありません。
最近の試合中のサンチェスの呆れたような諦めたような座り込んだときの表情を見れば、ベンゲルが来季続投したからといって残留など保証されないと思いますが。
私がグーナーになってから監督交代はありません。だから彼を失う事の重大さがいまいちピンとこないのかもしれません。
ただ彼がもうアーセナルを前進させられないのなら私は変化を望みたい。
最大限の感謝と敬意を払いながら。
麦茶さん>
「変わる・変える」が目的になってはいけないですね。モウリーニョさんやコンテさんのサッカーがベースになったら勝っても文句いう方は、変化よりも培ってきた価値の素晴らしさを、いま一度反芻したほうがいいのでは?と思ったりします。
デリックさん>
めっちゃグーナー代表なご意見ですね。私は、「どこかでもう一度プレミアリーグを勝ってくれるのではないか」と思っているのですが…グーナーみたいないい方しちゃいました。偽物です。すみません。
必然の惨敗さん>
1試合の結果で、罵詈雑言という形容がふさわしい物言いをする方に対しておっしゃっているのだと思います。マン・ユナイテッドOBのガリー・ネビルや、ライバルクラブを率いるペップがわざわざコメントするぐらいのトーンが、実際にありますので。私も、ヴェンゲルさんにはお引き取りいただいたほうがいいのでは?という意見は尊重しますが、今の一部のトーンは残念に思います。
Davinciさん>
そのお気持ちも、わかります。噂のアッレグリさんのような方を連れて来られるなら、ひとつの選択肢ですね。