イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「アーセンには、アーセナルで仕事を続けてほしい」…ジョゼ・モウリーニョが積年のライバルにエール!

プレミアリーグ9連勝中だったトッテナムを絶望の底に突き落としたウェストハムは、次はリヴァプールから希望を奪うかもしれません。ミルナーがPKを失敗してセインツに引き分けたレッズは、連勝ならプレミアリーグ4位以内が確定するものの、ひとたび勝ち点を落とせばアーセナルの全勝でひっくり返されます。最終節にアンフィールドで戦うボロ戦は、まず勝てるでしょう。問題は、ロンドンスタジアムのハマーズ戦です。ビリッチ監督のチームは、トッテナム戦の勝利で3戦連続クリーンシート達成、5戦連続負けなしです。ヘンダーソンとサネを失い、決め手を欠くようになったレッズにとって、厳しい試合になるのは間違いないでしょう。

さて、アーセナルです。消えかけた希望の光が再度灯ったヴェンゲル監督のチームは、千載一遇のチャンスを活かせるでしょうか。明日のプレミアリーグ26節延期試合で難敵セインツを倒し、週2試合というスケジュールを克服してストーク、サンダーランド、エヴァートンに勝たなければ、これまでは当たり前だったチャンピオンズリーグ出場は叶いません。エースのアレクシス・サンチェスは、「CL出場権を獲れなければ即移籍とは考えていない」といっているものの、目の前にヨーロッパリーグを突きつけられれば、ドイツやスペインからのオファーがより輝いて見えるのではないかと思われます。指揮官が残るにしても去るとしても、プレミアリーグ4位をキープするのは重要なミッションです。

「クラブが望む理想的な監督を迎えられるのであれば、ヴェンゲル監督を今季限りとする判断は妥当」。私は以前より、そんなふうに考えておりましたが、いい方を変えればこうでもあります。「いい監督と契約できないなら、功労者に1年残っていただき、ポストヴェンゲルの準備を着実に進めるほうがベター」。以前噂になっていたアッレグリ監督もいいと思いますが、2018年の夏ならヨアヒム・レーヴというチョイスも現実味を帯びてきます。スポーツディレクターの導入など、ヴェンゲルさんが担ってきた役割をうまく分散させて、マンチェスター・ユナイテッドの失敗をトレースしないように備えれば、来季の戦績がどうあろうともプラスといえるのではないでしょうか。

ガナーズは強く美しくあってほしいと願うひとりのプレミアリーグファンとして、フラットに考えればそんなところに落ち着くのですが、ヴェンゲル監督をリスペクトしてきた者としては、最後にひと花咲かせてくれないだろうか、FAカップ優勝よりも大きな花を…という気持ちも拭えません。あれこれ思いを巡らせ、アーセナルの試合をドキドキしながら観ていると、つい先日、「ヴェンゲル監督が、自らの最後の時を自分で選ぶことを望む」と主張する方に出くわしました。誰あろう、ジョゼ・モウリーニョです。過去最大の危機を迎えているライバルに対して、週末の直接対決の前に行われたプレスカンファレンスに臨んだマンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、こんなことを語っていました。

「正直にいえば、アーセン・ヴェンゲルがアーセナルで仕事を続けてくれることを望んでいる。 クラブが彼を信頼して、よくなっていければ、と。 おそらくアーセンは、”長きに渡ってクラブに一貫性をもたらした監督”の最後の例になるだろう。サー・アレックス・ファーガソンはマンチェスター・ユナイテッドでそれをやってきた。彼は離れるべき時が来たと感じて、クラブを離れた。アーセン・ヴェンゲルも同じようになってほしいと思う」
「私は、他の監督たちにもシンパシーを感じている。われわれは、誰もが同じ痛みを体験してきた。サッカーは変わった。今は、監督が長い間ポジションに留まることは不可能だ。 成功しなければ去れといわれる。もちろんそれは、監督にとっていいことではない。 20年間ひとつのクラブにいて、毎年成功するのは難しい。サー・アレックス・ファーガソンもそういうだろう」(ジョゼ・モウリーニョ)

いやー、心が震えます。そうなんです。プレミアリーグの全盛期が過ぎ、スペインとドイツの時代となった今は懐古趣味との誹りを受けるのかもしれませんが、ひとりの監督がクラブの強さと魅力を継続的に築いていくという世界は、ヴェンゲル監督とアーセナルが最後なのではないかと懸念するのです。モウリーニョさんは、勝ち負けが絡むと子どもみたいになるのですが、クレバーで芯が1本通った方だと思います。今季は4位と6位か、あるいは5位と6位か。10数年前までは優勝を分け合ってきた赤いクラブは2つとも振るわず、どちらの指揮官もオールドファッションではないかと批判されたりもしたわけですが、来季こそは大陸からやってきた新しい潮流に反発していただき、ビッグタイトルを手にしてほしいと願うのであります。

片やはプレミアリーグ4位とFAカップ。もう一方は、ヨーロッパリーグを制覇してチャンピオンズリーグに復帰。プレミアリーグのおもしろさを支えてきた名物監督たちの2016-17シーズン最後の戦いを、しっかり追い続けたいと思います。これが、2人が揃う最後のシーズンとなるかもしれないと思えば、なおさら。

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“「アーセンには、アーセナルで仕事を続けてほしい」…ジョゼ・モウリーニョが積年のライバルにエール!” への2件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き! より:

    モウリーニョさんの言葉は深みがありますね。長年、犬猿の仲としてマスコミにいじられ続けてきた二人ではありますが、考えてみるとモウさんとベンゲルさん以外にチームに一貫性を持たせようと試みた指揮官がプレミアに残っていないことを実感しました。モウさんもチェルシーでの最終年、本当に苦労されたので、お互いの気持ちがわかり合えるのかと思います。

    自分はベンゲルさんの後釜はレーブ一押しなので、まことさんのご意見に賛成です。まことさんも長きに渡ってプレミアリーグを愛してきたからこそ、このように温かい記事が書けるのだと思いました。ありがとうございます。今シーズンのプレミアリーグも残り僅かですが、最後まで熱いゲームを期待します!

  2. makoto より:

    ヤンガナ大好き! さん>
    ありがとうございます。監督を取り巻く環境は、ずいぶん変わりましたね。お互いチャンピオンズリーグ出場権を獲得して、来季がさらにエキサイティングになればと期待しています。

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