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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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イタリア人受難のシーズン…今なぜ発表!? ワトフォードがワルテル・マッツァーリ監督解任!

クラブの要求が高すぎるのか、プレミアリーグとセリエAのカルチャーの違いか、あるいは指揮官個人に起因するのか。いずれにしても、最終節で当たるマンチェスター・シティにとっては悪くないニュースです。1年前、プレミアリーグ復帰初年度に残留を果たしたキケ・フローレス監督との契約を解除したワトフォードが、今季も残留監督をクビにしました。ワルテル・マッツァーリ監督が解任されるという話は、先月の頭に「テレグラフ」が報じており、「英語が上達しないためにコミュニケーションに問題がある」「守備的なスタイルをクラブもサポーターも気に入っていない」などといわれていました。不穏な空気が漂っているなか、33節まで10位をキープして早々に残留を決めたチームは、プレミアリーグ5連敗で16位に急降下。戦績の悪化がトリガーになったことは、容易に想像できます。

シーズン終わりまでは指揮を執る監督にリスペクトがあれば、すべて終わってから「双方合意の上」とするところですが、最後の試合の前に発表したのは、サポーターにクラブの意志を明確に伝えることでガス抜きをしたかったからでしょうか。13位だった昨季よりも失点は13増えたもののゴール数40は変わらず、チームがよくなっていく手応えさえあれば、3年契約の2年めに突入するのが普通です。2012年の夏にジャンフランコ・ゾラを招聘してから、5年で7人を放出しているクラブがこらえ性がないのは間違いありませんが、今季はイタリア人監督が3人も解任されているのも気になります。

スウォンジーを率いていたフランチェスコ・グイドリン監督は、プレミアリーグ開幕からの7試合で1勝1分5敗と数字は悪かったものの、レスター、チェルシー、マンチェスター・シティ、リヴァプールにいずれも善戦。勝てなかったのもさることながら、ニール・テイラーやキ・ソンヨンなど主力との関係悪化が取り沙汰されていました。昨季プレミアリーグ王者に輝いたレスターのクラウディオ・ラニエリ監督もまた、選手との確執があったと報じられています。堅守のチームを創ることが多いイタリア人監督は、結果が出ているうちはいいものの、ひとたび崩れると「サッカーがつまらない」ストレスが内外から噴出するリスクが高いのかもしれません。

ましてやマッツァーリ監督は、インテルで一緒に仕事したモラッティ会長が、「彼ほどサポーターに嫌われた監督を見たことがない」と語ったほどの指揮官です。3バックと4バックを自在に操る守備戦術には見どころがありましたが、攻撃はディーニーとカプェを中心とした少人数のカウンターが基本。昨季プレミアリーグで15ゴールを挙げたイガロが絶不調に陥った末に中国に旅立ってしまい、代役のニアン、サラテ、オカカは活躍したとはいえません。プレミアリーグのフェアプレーランキングで最下位のチームに美しさは望むべくもなく、そんななかでの4試合ノーゴール、5試合負けっぱなしは致命的でした。セリエAでナポリをチャンピオンズリーグに出場するレベルに引き上げた監督が、どんなサッカーを見せてくれるのだろうと期待したのですが、志半ばでクラブを去ることになってしまいました。

アンチェロッティ、マンチーニ、ラニエリ、コンテと8年間で4人がプレミアリーグを制し、ブームとなりつつあったイタリアンマネージャーですが、あっという間に残るはコンテ監督だけとなりました。情熱的で明るく、攻撃的なサッカーを志向する監督が選手やクラブから好かれやすいことは、マインツとドルトムントをそれぞれ7年率いたクロップ監督が証明していますが、チェルシーの名将は長続きするでしょうか。英語はロンドンに来るまでの半年間で特訓しており、マンマネジメントに長けているので選手やスタッフの離反で崩れる可能性は低そうです。最大の敵は、あまりに熱すぎてガス欠を起こしかねない自分自身でしょうか。マッツァーリさんから話がずいぶん飛びましたが、3年連続で前季の優勝監督が途中退場するなどということがないよう祈っております。それにしてもワトフォードは、来季大丈夫ですかね…。

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