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セインツか、クリスタル・パレスか…楽しみと不安が同居する「奇将」ファン・ハール復帰説が勃発!

実現したら、おもしろい!あの名将が、プレミアリーグに帰ってくるかもしれません。「Ex-Manchester United boss Louis van Gaal eyeing surprise Premier League return with Southampton(元マンチェスター・ユナイテッドの監督ルイス・ファン・ハールが、サウサンプトンによるプレミアリーグ復帰というサプライズを視野に入れている)」とぶち上げたのは「デイリー・ミラー」。記事が指摘するオランダ人監督カムバックの可能性は、ピュエル監督の1年めに不満なセインツか、サム・アラダイスの後釜について話し合われているクリスタル・パレスです。マンチェスター・ユナイテッドの初年度は前年7位のチームをチャンピオンズリーグ出場権圏内に引き上げ、2年めは若手の成長とFAカップ制覇をもたらしながらも、ジョゼ・モウリーニョを選んだクラブによってあえなく解任。2016-17シーズンにコミュニティシールドとヨーロッパリーグを制覇したマンチェスター・ユナイテッドは、出場権を残していった前監督に感謝しなければなりません。

一時は引退をほのめかしたとも伝えられた65歳の指揮官は、「イングランドのクラブからの話に耳を傾ける」と友人に語ったと報じられています。タディッチやレドモンドがSBと連携してサイドを崩すセインツと、ヘディングの勝利数がプレミアリーグNo.1のベンテケにひたすらロングボールを集めたクリスタル・パレスなら、よりファン・ハール向きなのは前者でしょう。セインツは、プレミアリーグ屈指の若手育成ファクトリー。昨季のピュエル監督のチームには、スティ-ブンス、マット・ターゲット、ウォード=プラウズ、ハリソン・リード、ホイビュルグ、マックイーン、シムズ、レドモンド、ブファルと伸び盛りの若手が揃っていました。マンチェスター・ユナイテッドの最後のシーズンに23歳以下を13人起用した戦術家は、くすぶり気味だったホイビュルクやマット・ターゲットを蘇生し、13節のエヴァートン戦やELで才能の片鱗を見せたシムズをブレイクさせてくれるのではないかと思われます。

マルシアルやリンガードが躍動し、ラシュフォードがトップチームデビューを果たした2015-16シーズンのマンチェスター・ユナイテッドにテンションが上がったサポーターとしては、稀代の名将がセインツでどんなサッカーを見せてくれるだろうとフライング気味に期待してしまいます。しかし一方で、プレミアリーグ8位のピュエル監督が解任されるとすれば、さすがにかわいそうです。昨季のセインツは、グラツィアーノ・ペッレ、サディオ・マネ、ビクター・ワニャマとがっつり背骨を抜かれたチームだったことを忘れてはいけません。12月にエースのチャーリー・オースティンがリタイアし、年明けにはファン・ダイクとフォンテという鉄壁CBコンビをダブルで失った指揮官は、吉田麻也とスティーブンスを抜擢しながらよく踏ん張ったと思います。

ヨーロッパリーグ最終節、本拠地セント・メアリーズに迎えたハポエル・ベア・シェヴァにスコアレスドローか勝ち点3なら決勝トーナメントに進めたセインツは、79分に痛恨の先制ゴールを許し、ファン・ダイクの同点ゴールまででアウェイゴールルールに泣かされ、大会を去りました。最後の吉田麻也のヘディングシュートがあと50センチ内側に寄っていれば、ピュエル監督の評価は高まっていたかもしれません。ファン・ハール復帰話に胸をときめかせつつ、現監督に巻き返しのチャンスがあることを願う気持ちを消し去ることはできません。

監督が空席のクリスタル・パレスならスムーズですが、キャバイェやベンテケとケンカするのではないかと心配になってしまいます。リバウド、リケルメ、リベリー、スナイデル、クローゼ、イブラヒモヴィッチなど、クリエイティブな選手や自由を求める俺様タイプに酷評されてきた歴史があるファン・ハール監督の招聘は、ちょっとしたギャンブル。2006-07シーズンにエールディヴィジを制したAZのような快挙を成すか、バイエルンの2年めのように厳しすぎる規律によって空中分解するか…。選手もサポーターも賛否両論、評価がバキバキに分かれる「奇将」ではありますが、プレミアリーグで彼のマジックを堪能できると聞けば、もちろんウェルカムです。(ルイ・ファン・ハール 写真著作者/Congres in Beeld)

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“セインツか、クリスタル・パレスか…楽しみと不安が同居する「奇将」ファン・ハール復帰説が勃発!” への2件のフィードバック

  1. グッチ より:

    更新お疲れ様です。ファン・ハールまでプレミアリーグに復帰となるといよいよ監督チャンピオンズリーグですね…
    確かに一定以上のキャリアを積んだ面々からは厳しさから反発があり、チームが空中分解するケースが多いイメージです。しかし一方ではその分解したチームすら若手が育っているのだと毎度毎度驚かされる監督でもあります。育成して売りさばく・大物は自動的に引き抜かれるチームなら若手を抜擢しつつそこそこ以上の成績を収めてくれるのではないでしょうか?
    そんな都合の良すぎる「強い草刈場」のチームなんてどこに…南端にありましたね

  2. makoto より:

    グッチさん>
    そうなんですよね。セインツにいったらおもしろそうです。毀誉褒貶ありながら、素晴らしい戦術家であることは間違いありません。

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