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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ウェストハムがスラヴェン・ビリッチ監督を解任!後任の本命はデヴィッド・モイーズ!?

追加タイムのレイトン・ベインズのPKで0-2から劇的な逆転勝利を決め、感動的な空気に包まれていたグディソン・パークについて書こうと考えていたのですが、スルーできないニュースが届きました。「Slaven Bilic: West Ham sack manager with team in the relegation zone(スラベン・ビリッチ:ウェストハムが降格ゾーンにいたチームのマネージャーを解任)」。イギリスメディア「BBC」が、プレミアリーグ18位に低迷するハマーズの決断をいち早く伝えていました。クリスタル・パレスのフランク・デブール監督はわずか4試合。レスターのクレイグ・シェイクスピア監督はプレミアリーグ上位クラブにしか負けておらず、エヴァートンのロナルド・クーマン監督はヨーロッパリーグ敗退が決まる前でした。今季のいくつかの解任劇を知るならば、ビリッチ解任の報を受けて、早すぎると嘆く人はいないのではないかと思われます。

2015年の夏、サム・アラダイス監督の後釜としてイーストロンドンにやってきたビリッチ監督は、最初のシーズンに16勝14分8敗のプレミアリーグ7位という素晴らしい戦績を残しました。ロンドンスタジアムへの移転が決まっていたクラブは、2016年夏のマーケットで大型補強を敢行。アイェウ、アルベロア、マスアク、ノルトヴェイト、フェグリらを加えたチームは、チャンピオンズリーグ出場権を争うクラブを脅かすのではないかと期待されましたが、勝手が違う新しいホームグラウンドに戸惑い、序盤から低迷。冬にフォンテとスノドグラス獲得とテコ入れを図ったものの、3月から5連敗を喫して降格ライン付近を漂うなど一向に調子は上がらず。最後の7試合を3勝3分1敗とまとめ、プレミアリーグ11位に浮上しましたが、12勝9分17敗は納得のいく数字ではありませんでした。

ビリッチ監督のチームは、守備力に問題を抱えています。2011-12シーズンにチャンピオンシップで3位に食い込み、ハマーズをプレミアリーグに昇格させた前任者のサム・アラダイスは、2012-13シーズンからの3シーズンの平均失点を50.3に抑えていました。「オールドファッション」「守備的で退屈」とサポーターからは不評でしたが、クラブが残留争いに巻き込まれなかったのは、イングランド代表監督にまで上り詰めたベテラン指揮官が簡単に負けないサッカーを構築できていたからだと思います。対するビリッチ監督のチームは、初年度の失点は51でしたが、2年めは64とアラダイス時代から15点も増えています。2016-17シーズンは、7試合勝利なしが1回、5試合勝利なしが2回と不振を引きずる姿が目立ちました。

今季のテーマは、「ビリッチは守備を改善できるのか」「豊富な戦力を活かしてTOP7の一角崩しを狙えるのか」といったところでしたが、11試合を終えたチームは2勝3分6敗という冴えない戦績で降格ゾーンの18位に低迷。失点23を38試合に換算すると79、11ゴールは不振だった昨季と同じです。チチャリート、アルナウトヴィッチ、ジョー・ハートと代表クラスの選手を獲得したにもかかわらず、数字が悪化していては解任もやむをえません。スラヴェン・ビリッチは、ついぞ守備の課題を解決できず、初年度に見せた攻撃力も復活させられずにロンドンを去ることになりました。

「BBC」は、後任として昨季までサンダーランドを率いていたデヴィッド・モイーズの名前を挙げており、「既に会談を済ませている」と報道。彼らはモイーズ就任の可能性をリサーチした続報を配信しており、サイモン・ストーン記者が「24時間以内に決まる可能性が高い」と伝えています。ウェストハムの指揮官というポジションについて、「興味はあるが、今は空きがないからね」と色気を見せていたモイーズ監督は、苦境を脱出するための人材として適任なのでしょうか。ハマーズファンが集まるサイト「Knees Up Mother Brown」のヒューレットさんは、「サポーターはモイーズを歓迎していない。チームを進化させられる人物を求めている。彼はサンダーランドで同じようなポジションにいながら、プレミアリーグに残れなかった。女性記者への暴言騒動もあった」とコメントしています。

戦力充実のウェストハムなら、昨季のサンダーランドと同じことにはならないと思いつつも、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・ソシエダード、サンダーランドと3つ連続で失敗した指揮官がこのチャンスを活かせるかと問われれば、明快にイエスとはいえません。ウェールズ代表のクリス・コールマンやエヴァートンを解任されたばかりのロナルド・クーマンなど、守備を整備できるタイプの監督のほうがよさそうですが、いかがでしょうか。インターナショナルマッチウィークの入り口で新指揮官を決め、チーム作りの時間をキープしたうえでワトフォード戦に臨むという絵を描いているであろうクラブの動向に、引き続き注目してまいります。

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“ウェストハムがスラヴェン・ビリッチ監督を解任!後任の本命はデヴィッド・モイーズ!?” への4件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    ウェストハムの失点数の件ですが、ビリッチ監督初年度の15-16シーズンは51失点ですね。ちなみに得点数が65でした

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ご指摘ありがとうございます。先ほど気が付きました。訂正させていただきました。

  3. sini より:

    ただでさえスタジアム移転でゴタついていたハマーズですが、パイェを失ったことが何より大きかったことでしょうね。
    昨季のハマーズを見ていて、スアレスを失った直後のロジャースのリバプールや、ベイル売却したシーズンのスパーズをふと思い出しました。

    後任指揮官ですが、トフィーズ時代のように安定5~6位の再現ができるなら、モイーズはアリだと思います。
    優秀な下部組織を持つあたりも、トップ6に食らいつこうとするクラブの野心的にも、ハマーズとトフィーズは似た環境と言えそうですし。
    モイーズは長期政権を任せるなら、いい仕事をすると思います。若手起用も上手いですし、ルーニーに限らずケーヒルやレスコットなど、ポテンシャルある選手を開花させる手腕にも長けています。
    ただ、今ハマーズが瀕しているのは短期的な問題なんですよね。。。

    それにしても、チチャリート獲得の時点で、ハマーズは最低でも最終8位に上り詰めるくらい強い筈と思っていました。
    わからないものですね。。。

  4. makoto より:

    siniさん>
    そうですね。パイェがいなくなってから、完全に歯車が狂った感がありますね。冬のスノドグラスと、この夏のチチャリート&アルナウトヴィッチはいい補強だと思ったのですが、うまくはまってませんね。

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