イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Tottenham×Crystal Palace】敗戦寸前のスパーズを救ったのは、新戦力の控えGK!

カラバオカップのウェストハム戦、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦と連敗し、嫌なムードが漂っていたトッテナムは、チャンピオンズリーグでレアル・マドリードに3-1快勝。ハリー・ケイン、デル・アリ、エリクセンが揃うと、プレミアリーグで一、二を争う破壊力を見せつけてくれます。しかし、最下位クリスタル・パレス戦のスタメンには、デル・アリとロリスが不在です。私は、この試合はトッテナムにとって危ない一戦なのではないかと思っていました。

プレミアリーグ首位のマンチェスター・シティとの大一番の次戦で、20位のクリスタル・パレスに敗れたチェルシー。リヴァプール、ベンフィカと激戦が続いた後、ハダースフィールドに足をすくわれたマンチェスター・ユナイテッド。スパーズもまた、レアル・マドリード相手に神経をすり減らした直後で、しかも相手はチェルシーを倒した手負いのクリスタル・パレスです。精神的支柱となる守護神と勝負強いプレーメイカーを失ったチームが先にゴールを許せば、最下位と昇格クラブに勝ち点3を献上したライバルたちの後を追うことになるかもしれません。

昨季プレミアリーグ得点王の脇にはソン・フンミン。中盤はハリー・ウィンクス、シソコ、エリクセンで、WBにセルジュ・オーリエとダニー・ローズ。エリック・ダイアー、ダヴィンソン・サンチェス、フェルトンゲンの3バックは、アルデルヴァイレルトの穴を感じさせない連携が期待されます。ロリスがいないゴールマウスに立つのは、サウサンプトンから来たガッサニーガです。1週早いリメンバランスデーの黙祷とトランペットには、ウェンブリーならではの厳かさが感じられます。フランク・デブール前監督が解任された翌日から指揮を執るロイ・ホジソン監督は、公式戦8試合で2勝1分5敗と振るわず。ザハとタウンゼントの個人技への依存度が極めて高いチームは、何らかの奥の手を用意しているのでしょうか。

キックオフから3分、ザハがラインの裏に浮かしたボールにバカリ・サコが飛び込みますが、ヘッドはわずかに届かずガッサニーガと激突します。5分を過ぎると、トッテナムがペースを掌握。アウェイチームは全員が自陣にこもってカウンター狙いです。13分、エリクセンの左足のミドルはママドゥ・サコがブロック。クリスタル・パレスは中央に人数を割いており、工夫のないクロスからはシュートに持ち込めません。

16分、シュラップの縦パスでザハが抜け出しかけると、エリック・ダイアーがスライディングでカット。サイドを崩すべくソン・フンミンやオーリエが再三仕掛けるスパーズは、クロスの精度が低く味方につながりません。31分、オーリエのハイクロスがフリーのダニー・ローズの頭に合うも、シュートは明らかにミス。35分にダニー・ローズが左から上がり、切り返しから中に入れると、ママドゥ・サコのクリアをヘディングで突いたハリー・ケインはバーを越えるボールを見上げてため息をつきます。36分、クリスタル・パレスに決定機。CKに競り勝ったスコット・ダンの一撃がゴール右を襲いますが、ガッサニーガが指先で弾くビッグセーブでチームを救います。44分、スルーパスを受けて左からボックスに侵入したソン・フンミンのシュートは右にアウト。両者ともゴールなきまま、ハーフタイムを告げるホイッスルが鳴り響きます。

クロスが単調で、シュートに工夫がないスパーズ。ハーフタイムに下がったハリー・ウィンクスは負傷でしょうか。代わって入ったデンべレの運動量と情熱的なプレイが、チームに喝を入れてくれることを期待しましょう。しかし後半開始間もない48分、ハーフライン付近で不用意なパスをさらったタウンゼントがドリブルで疾走。ボックス入り口からクロスに放ったシュートにエリック・ダイアーは触れず、プレミアリーグで1勝のクラブがアウェイで3位から先制するのかと息を呑みました。ところが、強烈な一撃はガッサニーガが左手を伸ばしてコースを変え、タウンゼントは信じられないといいたげな表情を浮かべています。

57分、クリスタル・パレスが3度めの決定機を迎えます。FKのクリアを拾ったセルジュ・オーリエがまさかのタウンゼントへのパス。スルーパス1発でラインの裏に出たザハは、ガッサニーガを縦に抜きながらも、無人のゴールへのシュートを左に外してしまいます。60分のCKは、ミリボイェヴィッチのヘディングをガッサニーガが確実にクリア。再三のピンチをしのいだスパーズは、64分にようやく先制しました。オーリエのグラウンダーを中央で受けたハリー・ケインが左に流すと、ダニー・ローズの切り返しからの一撃はスコット・ダンがブロック。ルーズボールをオーリエが再度中に入れると、キャバイェのクリアはソン・フンミンの足元に入ってしまいました。左足一閃、ゴール!ソン・フンミンは、これが今季プレミアリーグで2ゴールめとは意外です。カーブをかけて左のサイドネットを揺らした美しいシュートに、GKスペロニはノーチャンスでした。

フェルトンゲンがインターセプトから1発でラインの裏にパスを通した82分の決定機は、フリーでボックスに入ったソン・フンミンがGKの読みを外すニアへのシュート。これで勝負ありかと思いきや、ポストの外を抜けたボールを見た韓国代表FWが頭を抱えています。試合は1-0のままタイムアップ。スパーズのシュートは8本に留まり、オンターゲットは2対3で負けていました。数字を見るだけで、いかに苦しかったかがわかる一戦。内容的にはチェルシーやマン・ユナイテッドと同じ道を辿っていたのですが、彼らは少しの運と素晴らしいGKを持っていました。パウロ・ディノ・ガッザニーガ。セインツ時代にポチェッティーノ監督のスカッドにいたのが、25歳のアルゼンチン人GKがここにいる理由でしょう。2本しか枠に打てなかった試合をラッキーボーイによってものにしたポチェッティーノ監督は、3シーズン連続で首位を追撃する一番手になるかもしれません。そしてあわよくば…!(パウロ・ガッザニーガ 写真著作者/Werner100359)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す