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敗戦の総括から会見のレポートまで…モウリーニョ関連記事が「BBC」のTOPページを占拠!

「BBC」のプレミアリーグのコーナーを、おそるおそる開いてみると、そこには想像以上の光景が繰り広げられていました。モウリーニョ、モウリーニョ、モウリーニョ!7枠ある最新トピックスは、すべてマンチェスター・ユナイテッドの指揮官に関する記事で埋め尽くされています。レッド・デヴィルズがプレミアリーグ開幕から3試合で2敗を喫したのは、1992-93シーズン以来。モウリーニョ監督にとっては、初めての屈辱です。

オールド・トラフォードで0-3という衝撃的な完敗、13位転落、エキセントリックな記者会見、解任の噂、控えめ補強の是非…マンデーナイトのシックスポインターは、現地のジャーナリストやサポーターにとって、好奇心を煽られるネタに事欠かないイベントだったということなのでしょう。さまざまな切り口で、マンチェスター・ユナイテッドの戦い方やモウリーニョ監督が置かれている状況についてレポートされていますが、「BBC」の記者たちの論調は総じて冷静かつフラットです。

「自分はプレミアリーグを3回制している。他の19クラブの監督より多い(=ペップとペジェグリーニ監督のみ)」と強調し、「リスペクト!」と6回連呼して去っていった7分の会見については事実のみを報道。クラブは指揮官を支持していると明示する記事もあり、3試合の結果だけで立場が揺らぐことはないというスタンスが貫かれています。マンチェスター・ユナイテッドとモウリーニョ監督について触れられた記事の見出しを、ひととおり並べてみましょう。

Jose Mourinho’s Manchester United ‘a collection of faulty parts’(ジョゼ・モウリーニョのマンチェスター・ユナイテッド「不完全なパーツのコレクション」)
‘Respect! Respect! Respect!’ – Mourinho walks out of news conference(「リスペクト、リスペクト、リスペクト!」モウリーニョは会見から去っていった)
Why is Jose Mourinho so angry with the media?(なぜ、モウリーニョはメディアに激怒しているのか?)
Man Utd 0-3 Tottenham: Jose Mourinho tells media, ‘Respect, respect, respect’(モウリーニョはメディアに告げた。「リスペクト、リスペクト、リスペクト!」)
Jose Mourinho has club’s backing despite defeat by Tottenham(トッテナムに敗れたにも関わらず、モウリーニョはクラブの支持を受けている)
Manchester United v Tottenham: How the players rated(マンチェスター・ユナイテッドVSトッテナム:選手たちの評価)
Premier League stats: Mourinho, Jorginho, Huddersfield, Arnautovic(プレミアリーグのスタッツ:モウリーニョ、ジョルジーニョ、ハダースフィールド、アルナウトヴィッチ)

タブロイド紙には解任を煽る記事も散見されますが、マンチェスター・ユナイテッドのインサイドレポートを継続的に執筆しているサイモン・ストーン記者は、「クラブはモウリーニョ監督が状況を変えられると信じている」としています。オールド・トラフォードで0-3というスコアは衝撃的ではあるものの、現時点では指揮官の去就云々といった話にはなっていないようです。夏のマーケットでクラブがCBを獲得しなかったのが、「獲れなかった」のか「見送った」のかは定かではありませんが、クラブが指揮官からのリクエストに賛同しなかったのだとすれば、ベースにあったのはモウリーニョ監督への不信ではなく、采配に対する信頼だったのだと思われます。

昨季プレミアリーグで28失点は、ペップのチームに次ぐ2位。ブリントを放出してもCBは5人おり、過去2年で獲得したリンデロフとバイリーは未だ真価を発揮していません。より大きな課題は68ゴールに留まった攻撃で、アレクシス・サンチェス、ポグバ、マルシアル、ラシュフォードのポテンシャルを引き出すことが重要という戦力分析は、決して的外れではないでしょう。即戦力はフレッジのみという補強が、ペップに勝つうえで充分だったとはいえません。しかし、モウリーニョ監督就任後の大型補強で、現在も計算できるのがルカクとマティッチのみという状況を見れば、さらなる高額選手獲得における査定が厳しくなるのはやむなしだったのではないかとも思うのです。

ともあれ、マンチェスター・ユナイテッドは昨季と同じCBで戦わなくてはなりません。新戦力を足さなかったウッドワードさんに批判が集まっていますが、マグワイアやアルデルヴァイレルトを引き入れなかったことが、ブライトンやトッテナムに3失点を喫した理由にはならないでしょう。後方もさることながら、より気になるのはスパーズ戦でゼロに終わった攻撃陣です。ファイナルサードにおける連携、サイドアタック、長短のカウンターの精度を高められなければ、マン・シティやリヴァプールとのホームゲームも今回と同じような着地を繰り返してしまうのではないでしょうか。

モウリーニョ監督の底力が問われるのはこれから。1勝2敗までは我慢できたとしても、チェルシーを解任されたときのような極度の不振に陥ったり、複数の選手との関係が修復不能になったりすれば、ブックメーカーで1番人気にベットした人たちを喜ばせる結末が待っています。「自分はプレミアリーグを3回制している。他の19クラブの監督より多い」。そのとおりです。期待してます!(ジョゼ・モウリーニョ 写真著作者/Светлана Бекетова)

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“敗戦の総括から会見のレポートまで…モウリーニョ関連記事が「BBC」のTOPページを占拠!” への3件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    更新ありがとうございます。
    なんかメディアとゴタゴタするのは見苦しいですが、見方を変えれば対メディア闘争を展開することでチーム内の不協和音やボードとの軋轢を隠す意図もあったりして、モウリーニョ一流の「戦術」なのかもしれません。
    一方、ゲームの「戦術」については、たしかに新布陣は前半は機能しましたが、点を取りきれなかったことと、スパーズが上手く修正して対応したことで打つ手がなくなりました。
    結局はスパーズのプレーヤーの方が戦術理解度や修正・対応能力が高かったということなんでしょうか。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    モウリーニョさんの件とは関係ないのですが「プレミアを制したことがある監督が現在3人しかいない」ということに驚いています。
    分かっていたつもりですが、なんとも恐ろしいリーグですね。。。

    —–
    うーん、正直いまのユナイテッドで文句なしの超一流選手ってデヘア、ポグバ、サンチェス、ぎりぎりその域に足かけてるのがバイリー、マティッチ、ルカクぐらいじゃないですかね。
    極端な話、ペップでもクロップでもサッリでもポチェッティーノでも、いまのユナイテッド率いてリーグ制覇はかなり難しいのでは…。
    攻撃的なサッカーするにしても守備的なサッカーするにしても、やっぱり後ろ四枚のうち最低三枚は好調のときのバイリー、ルークショーくらいのクオリティーを確保していないと。

  3. ペップの街 より:

    就任「3」期に繰り返される悪夢!0ー「3」での完敗!プレスカンファレンスでは「3」は相手に入れられた点数ではなくて、スペシャル1がプレミアレーグを制した回数だと強弁?
    「3」に異常反応する「世界のナベアツ」状態ですね。
    次戦負ければ「3連敗」!次はどんなコメントが飛び出すのでしょうか。

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