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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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今季プレミアリーグ解任第1号は、フラムのスラヴィシャ・ヨカノヴィッチ…後任はラニエリ!

うわ、これはびっくり!インターナショナルマッチウィーク、別名「sacking season」が突如幕開けとなりました。今季プレミアリーグの解任第1号は、フラムのスラヴィシャ・ヨカノヴィッチ監督。チャンピオンシップで降格寸前だったクラブを、2年でプレミアリーグ復帰に導いた功労者ゆえ、もうしばらく猶予があるものと思っていました。何とまあ、間が悪い。昨日、「クラブは時間が必要と腹をくくっているのではないか」と書いたばかりです。「後任はクラウディオ・ラニエリ」と同時に発表されているのを見ると、クラブが必要としていた時間は、前任者がチームを立て直すためではなく、ベストな後釜と交渉するためのものだったようです。

レスターでプレミアリーグ制覇を果たした67歳の名将が、最近になって各地のスタジアムで観戦しているのをよくお見かけしておりました。その姿を確認するたびに「就活?偵察?」と邪推していたのですが、こんなシナリオが進んでいたとは全く想像できませんでした。シャイード・カーン会長は、「正しい判断と後任のプランなくして、変更を加えるというチョイスはなかった」とコメント。ご子息のトニー・カーン副会長兼FDと一緒に、この1週間で多数の候補と会ったと語っていることから、カーディフ、ボーンマス、ハダースフィールドと小さなクラブに3連敗したことが決定打とみるのが妥当でしょう。

9月29日にエヴァートンに敗れてから、プレミアリーグ6連敗。解任の報に触れた今、あらためてチームのスタッツを見れば、やむなしとしかいいようがありません。今季プレミアリーグワーストの31失点で、クリーンシートはゼロ。ベッティネッリをレギュラーで起用していたGKは直近の3試合でリコに代わり、最終ラインのオドイとル・マルシャン以外は試行錯誤が続きました。フォス=メンサー、チャンバース、モーソンら5人の新しいDFを預かった指揮官は、ベストチョイスを見つけられずに敗戦を重ねてしまいました。先発出場10試合以上のDFがゼロという数字は、セルビア人監督の迷いの跡です。

守備に難を抱えたチームに、レスターで堅守を築いたラニエリさんは適任でしょう。2015-16シーズンのプレミアリーグ優勝は、開幕から8試合でデリート&シュラップの攻撃的なSBコンビに見切りをつけ、シンプソンとフクスを抜擢したのが最大のポイントでした。最終ラインさえ整備できれば、タレント揃いの攻撃陣も活性化するでしょう。最前線にプレミアリーグ5ゴールのミトロヴィッチ、左右には4発決めているシュールレと18歳の怪物セセニョン。23歳のカマラをサイドで起用し、シュールレをトップ下にまわすのもおもしろそうです。中盤センターは、セリとアンギッサの元リーグアンコンビ。最終ラインは、チャンバース、オドイ、モーソン、ル・マルシャンがベストだと思うのですが、正解はイタリア人の新監督に教えていただきましょう。

あのシーズンのように、シンプルな戦術を用いて徹底度を上げられれば、さすがラニエリ。チェルシー時代やレスターの2年めのように、3バック、4バックと布陣を変えまくってコケれば、やっぱりティンカーマン(こねくりまわし屋)と揶揄されるでしょう。過去10年で、秋に最下位チームを引き継いだ監督は4人。成功したのは、2008-09シーズンにファン・デ・ラモスからスパーズを預かって8位にジャンプアップさせたハリー・レドナップのみで、他の3例はいずれも最下位フィニッシュ。2015-16シーズンのアストン・ヴィラで、ティム・シャーウッドからバトンを受けたレミ・ガルデは、シーズン中に解任されるという最悪の結果に終わっています。

クラウディオ・ラニエリは、新戦力獲得に1億ポンド以上を投じたクラブをプレミアリーグに残すことができるでしょうか。選手のポテンシャルは、12位のブライトンや15位のバーンリーに引けを取らないと思われるのですが…。

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“今季プレミアリーグ解任第1号は、フラムのスラヴィシャ・ヨカノヴィッチ…後任はラニエリ!” への1件のコメント

  1. エミリー より:

    本当に間が悪かったですね(笑)

    なかなかのタレントを擁しておいて、最下位。
    監督解任もやむを得ないとは思いつつ、選手ももっともっとやれたはずだとは思います。
    フラム経営陣が解任に踏み切れたのも、ラニエリという実績銘柄があるうちに決断しようというのを感じます。
    明るくポジティブなラニエリさんは、今のフラムにぴったりかも!
    お手並み拝見ですね。

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