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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「次の解任監督予想」で常に上位…レスターがホーム4連敗のクロード・ピュエルを解任!

土曜日のプレミアリーグは、バーンリーVSトッテナムを観たら終わりと考えていたのですが、これこそ虫の知らせだったのでしょう。レスターとクリスタル・パレスまで押さえたのは、ホーム4連敗を喫したらレスターの経営ボードが動くという予感があったからでした。1-4で完敗した試合の後、私は観戦記にこう記しました。「ブックメーカーで解任候補としてのオッズがマウリシオ・サッリの次に低いクロード・ピュエル監督は、次節のブライトン戦で指揮を執れるでしょうか」。心配は、現実となりました。2015-16シーズンのプレミアリーグ王者は、年明けから1勝1分6敗という不振に陥っていた指揮官を解任すると発表しました。

最後に勝ったのは、ニューイヤーズデイのエヴァートン戦。1月6日のFAカップ3回戦でリーグ2(4部相当)のニューポートに2-1で敗れると、その後のプレミアリーグで1分5敗と勝利なし。ウルヴス戦は93分にジョッタに決められ4-3で惜敗し、トッテナム戦でも91分にソン・フンミンにやられ、最後のクリスタル・パレスとのゲームでも90分にザハに独走を許しました。年末のカーディフ戦で、92分にカマラサに決勝点をゲットされたのも勘定に入れると、8試合のうち4試合で90分台に失点しています。ジョニー・エヴァンス、ソユンチュ、ゲザル、オルブライトン、イヘアナチョ、岡崎慎司など、サブの戦力が充実していたチームは、サブを使う戦術が充分ではありませんでした。

ピュエル監督率いるレスターの最大の特徴は、若い選手が育っていたことでした。チルウェル、ソユンチュ、デマライ・グレイ、ジェームズ・マディソン、ハーヴィー・バーンズ、ティーレマンス、エンディディ、チョードリー、イヘアナチョと22歳以下が9人!チェルシーとマンチェスター・シティを連破した絶好調の年末には、それぞれ4人のヤングスターが先発に名を連ねていました。フランス人指揮官は、彼らの開花を夢見ていたのではないでしょうか。1月にWBAから復帰したハーヴィー・バーンズは、ゲザルやイヘアナチョ、オルブライトンを差し置いてレギュラーの座を獲得していました。

一方、フランス人指揮官が果たせなかったのは、守備の立て直しとプランBの構築でした。ウェズ・モーガンのリーダーシップによって年末まで安定していた守備は、マグワイアの相棒探しとなった年明けから落ち着きを欠くようになりました。イヘアナチョはプレミアリーグ23試合1ゴール、岡崎慎司は17試合ノーゴール、デマライ・グレイは途中出場の8試合でゴールなし。後半からの登場でも結果を出すのは4戦3発のヴァーディーのみで、戦い方を変えることで勝ち点をゲットすることができないチームでもありました。

もうひとつ、興味深いデータがあります。12月のプレミアリーグで勝ったチェルシー戦とマン・シティ戦のポゼッションは27%と33%。1月にドローに持ち込んだリヴァプール戦も27%ですが、40%以上持たされたスパーズとマン・ユナイテッドには敗れています。後半戦でビッグ6以外に敗れた4敗はすべてポゼッションが50%以上、唯一勝ったエヴァートン戦は40%。ラニエリ仕込みのカウンターで奇跡の優勝を遂げたレスターは、今もなお「持たせて輝くチーム」だったのだと思います。ボールを支配して攻めきれず、投入したアタッカーが空回りすると、前に重心がいきすぎて失点…ピュエル監督のチーム改革は、実を結ばなかったといわざるをえないでしょう。

内向的な性格ゆえにベンチで喜怒哀楽を見せず、手堅い戦術はともすると退屈で、プレミアリーグ13試合で4勝2分7敗とホームで勝てず。サポーターの不興を買う要素が揃っていたピュエル監督は、セインツでも評判が悪く、リーグカップ決勝進出とプレミアリーグ8位というまずまずの結果を残しながら解任の憂き目に遭っています。今季のレスターもTOP10まで2ポイント差の12位で、決してひどい戦績ではありませんが、最後のホーム4連敗が致命的でした。プレミアリーグは、ことさらに彼に厳しかったようにも思えますが、監督は人気商売。サポーターを盛り上げられないなら、勝ち続けなければなりません。次のシーズンは、フランスに戻られるのでしょうか。今はただ、「若手が躍動する未来あるチームにワクワクしていました。おつかれさまでした」としかいえません。

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