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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ベストメンバーを決められず…不振のフラムがクラウディオ・ラニエリ監督を106日で解任!

2018年11月14日にフラムの監督に就任してから、わずか106日。プレミアリーグ16試合で3勝3分10敗という冴えない戦績しか残せず、クラウディオ・ラニエリは解任となりました。レスターをプレミアリーグ制覇に導いた堅守の再現を期待されたものの、クリーンシートは2試合のみ。2月は4連敗でゴールは1発のみ、失点10といいところがありませんでした。

フラムが獲得した昨夏の新戦力は総勢11人。セヴィージャGKリコ、ニースで活躍していたジャン・ミシェル・セリとル・マルシャン、クラブレコードの2230万ポンドで連れてきたマルセイユのアンギッサ、ドルトムントで出場機会を失っていたシュールレなど錚々たる顔ぶれを揃えました。プレミアリーグをよく知るモーソン、チャンバース、フォス=メンサーも獲得。チームづくりに時間がかかると思われましたが、基本の布陣が固まれば、彼らはいずれ中位に進出してくるはずと注目されていました。

ところが、開幕からの12試合は1勝2分9敗の最下位と想像以上の大苦戦。プレミアリーグ6連敗と泥沼にはまったスラヴィシャ・ヨカノヴィッチ監督が解任された後、守備戦術に長けたラニエリを招聘したのは、妥当な判断に見えました。戦力は充分。チャンピオンシップでセンセーションを起こした18歳の怪物ライアン・セセニョンや、前線でポストとして機能するアレクサンダル・ミトロヴィッチはさらによくなるはずでした。

初陣のセインツ戦を逆転で制したラニエリは、チェルシーには完敗したものの、古巣レスターとは1-1のドロー。クリスティ、オドイ、チャンバース、ル・マルシャンを最終ラインに据え、シュールレとセセニョンにサイドを託した4-2-3-1に必要だったのは、場数だけだったのではないでしょうか。しかしラニエリは、ここからチームをいじり始めます。マンチェスター・ユナイテッドに4発喰らって敗れた試合は、ジョー・ブライアン、リーム、モーソン、オドイと3枚をチェンジ。この顔ぶれをベースに3バックにシフトしてニューカッスル、ウルヴスに引き分けたチームは、ハダースフィールド戦を1-0で制していよいよ浮上かと思いきや、すぐに新システムも機能しなくなり、元の4バックに戻すことになりました。

最終ラインと中盤センターが落ち着かなかっただけでなく、ラニエリ監督は前線にも問題を抱えていました。23歳の悪童カマラは、ハダースフィールド戦でミトロヴィッチからPKを奪って指揮官を激怒させると、ヨガセッションの講師に対する失礼な態度を咎めたミトロヴィッチと大ゲンカ。1月下旬にスタッフへの暴行で逮捕され、チームから外されてしまいました。

マルコヴィッチ、バベル、ノルトヴェイトとプレミアリーグ経験者を集めた冬の補強は、バベル以外は効果的だったとはいえません。最後の試合となったセインツ戦は4-3-1-2で、逆転勝利した最初のチームとはまるで別物。この形では、ライアン・セセニョンなどサイドのタレントを起用できるポジションがありません。2-0で完敗したラニエリ監督には、もはや改善策は残されていませんでした。サポーターから、「自分が何をしているのかわかってない」という痛烈なチャントを浴びせられた指揮官は、4ヵ月ももたずに解任という結末を迎えることになりました。

後任は暫定ながら、クラブOBのスコット・パーカー。プレミアリーグ369試合24ゴールという輝かしいスタッツを残し、イングランド代表のキャプテンまで務めた人格者は、アシスタントコーチからの昇格というチャンスを活かすことができるでしょうか。チェルシー、レスター、リヴァプール、マンチェスター・シティという厳しい日程をこなさなければならない38歳の指揮官は、残り10試合で残留ゾーンとの10ポイント差をひっくり返すという難易度の高いミッションを与えられています。時すでに遅しという言葉がぴったりの状況ですが、果たして…!初陣は、こちらも古巣となるチェルシーとのロンドンダービーです。注目しましょう。

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