解任か辛抱か⁉ プレミアリーグ2018-19シーズン、残留監督VS後任監督の戦績チェック!
プレミアリーグをよく知るベテラン監督や、長きに渡ってチームを率いてきた実績ある指揮官が力を発揮したシーズン。一方、解任に踏み切ったチームを見ると、成功と失敗の明暗がくっきりと分かれています。2017-18シーズンの3月にセインツを率いることになったマーク・ヒューズは、2勝2分4敗という微妙な数字で17位に終わっており、今季はスタートから解任候補でした。14節まで1勝6分7敗で18位。クビが飛ぶ直前の4試合で12失点と守備が崩壊しており、クラブがテコ入れを図ったのを責めることはできません。後を継いだのは「アルプスのクロップとは呼ばないでくれ」と語ったラルフ・ハーゼンヒュットル。レドモンドをゴールに近いエリアでプレーさせ、ウォード=プラウズの攻撃力を活かしたオーストリア人指揮官は、8勝5分10敗まで数字を戻し、来季のテレビ放映権料を確保しました。
後半戦に入ってから1勝1分6敗と泥沼にはまっていたレスターは、守備的な戦術と静かな物腰がサポーターの不評を買っていたクロード・ピュエルを解任。セルティックで2シーズン連続トレブルという偉業を達成したブレンダン・ロジャースを強引に呼び寄せました。「セルティックで成し遂げたことをここでもできると思った」と、怖ろしい発言を残した元レッズの指揮官は、最初の8試合で5勝1分3敗と手腕を発揮。36節ではアーセナルに3-0と快勝しており、来季の躍進が期待されます。
成功といえるのは2人だけで、モウリーニョの後釜として呼ばれたオーレ・グンナー・スールシャールは微妙。フラムのクラウディオ・ラニエリとハダースフィールドのヤン・ジーヴェルト監督はうまくいきませんでした。1勝2分9敗のヨカノヴィッチ監督を切ったフラムは、3勝3分10敗のラニエリも手離すと、就任から5連敗だったスコット・パーカー暫定監督が34節から突如クリーンシート3連発の3連勝。1月に獲得したバベルの活躍、時間がかかったアンギッサの定着、最終ラインの整備などいくつかポジティブな要素が見受けられ、試行錯誤に費した長い時間が悔やまれます。ミトロヴィッチ、シュールレ、ジャン・ミシェル=セリ、セセニョン、モーソンなどそうそうたるメンバーを揃えたウェストロンドンのクラブは、彼らを束ねる指揮官を見出せないまま、1シーズンでチャンピオンシップに戻ることになりました。
デヴィッド・ワグナーが2勝5分15敗、後任のジーヴェルトは1勝1分13敗。3月30日に降格が決まったハダースフィールドは、2007-08シーズンのダービー・カウンティに次ぐスピード決着でした。7人の新戦力が挙げたゴールはたったの5発、25試合以上出場したのはDFのデュルムだけと、補強の失敗が最大の敗因です。トップリーグにおける指導歴ゼロ、ドルトムントのBチームが最高の輝きだった36歳のジーヴェルト監督は、15試合で8ゴールという数字しか残せず、プレミアリーグはいささか家賃が高かったようです。
最後に…。18節から指揮を執ったスールシャール監督の12勝4分け4敗は、直近20試合を抜き出すと、リヴァプールとマンチェスター・シティに次ぐ戦績です。ペップから8ポイント差、4位チェルシーを6ポイント上回る「ぶっちぎりの3位」。勝ち負けをまぶせばまずまずなのですが、最初の12試合を10勝2分で快走した後、2勝2分4敗と失速という明暗は、「モウリーニョのストレスから選手を解放しただけ」「典型的な解任ブースト」といった一部の批判を呼んでしまいました。
前任者がプレミアリーグ6位で、最終着地が6位なら成功とはいえませんが、7勝5分5敗でウルヴス、エヴァートン、ワトフォード、ウェストハムに背中を突かれていたチームを一時は4位に引き上げた監督を、直近の不振だけで悪しざまに語るのは気が引けます。サポーターゆえの甘さという誹りを覚悟して、ファーガソン以降4人めの監督の評価は来季に先送りとしたいと思います。自分のスタイルに合った選手を夏に獲得し、狙ってゴールを決められる攻撃的なチームを築き上げていただければと期待しています。
解任か辛抱か。来季のプレミアリーグでも、正解が見えない問いを突き付けられた経営ボードの苦悩が報じられるのでしょう。早々にメディアの見出しを飾るのが、わが指揮官の名前でないことを祈るばかりです。せつないですねぇ。リヴァプールにあんな試合を見せられた日は、特に。
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スールシャール監督は心配ないですよ。
ユナイテッド愛に満ち溢れた(一部の)選定達の
ハートを鷲掴みにしてますからね。
ユース出身の若者達を中心に見据えた起用法が
来期は相当な収穫を得るかと思います。
まあ、当たり前にトップ3に入って
その次来季にトロフィー奪取くらいの
長期を見据えた指導方針なのかなと。。。
この男の真の評価は2年後でしょう。