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FFPペナルティに苦しむマンチェスター・シティ!獲るに獲れず、売るに売れず…。

クラブの大規模な赤字を改善しなかったとされ、FFP(ファイナンシャル・フェアプレー)違反のペナルティを受けたマンチェスター・シティ。移籍金や選手のサラリーなど、人件費総額を昨季と同額以内に抑えないといけないというキャップがはまり、これがかなりきつそうです。ペジェグリーニ監督は、ここまで思うようにチームづくりができず、プレミアリーグ連覇に赤信号が灯り始めています。

今思えば、1月に冬のマーケットの締切りに間に合わず、ポルトのふたり、MFフェルナンドとDFエリアキン・マンガラを獲得し損ねたのは大きかったですね。彼らの獲得交渉がFFPペナルティ確定後のこの夏にズレ込んだため、フェルナンド20億円、マンガラ55億円という移籍金が、ペナルティ対象の人件費のマイナス分として乗っかる形になりました。フェルナンドは先んじて獲得したものの、マンガラのほうは資金の捻出ができず、現在ストップしているものと思われます。

さて、ここであらためて、今季のマンチェスター・シティの選手の出入りについて整理してみましょう。チームを離れた選手は3人。CBレスコットをWBAに放出し、エヴァートンに貸し出していたベテランMFガレス・バリーが完全移籍。ジョー・ハートの控えだったGKパンティリモンは、フリートランスファーでサンダーランドにいくことになりました。一方、新戦力として獲得したのは、前述のフェルナンドとアーセナルの右SBバカリ・サニャ。そして、パンティリモンの穴を埋めるマラガのGKカバジェロです。

サニャ獲得に移籍金がかからず、カバジェロも13億円程度で済んでいるため、ここまではさほど大きな赤字もなく、堅実に進捗できていました。さあ、どうしましょう、マンガラ。コンパニ頼みのCBは何としても補強したい。しかし、50億円にOKを出そうと思えば、誰かを売らなければなりません。

ペジェグリーニ監督にとって、ネグレド骨折・長期離脱のニュースは痛かったでしょう。プレミアリーグ1年めは9ゴール。後半息切れしたスペイン代表のストライカーは、数少ない「売ってもいい選手」「売ればお金になる選手」だったはずです。仮にネグレドが抜けても、その穴は、大黒柱ジェコと昨季13試合出場に終わったヨヴェティッチ、アグエロの前線起用で何とか埋められます。彼が3ヵ月、チームを離れることになった瞬間、スペインに売りに出して補強費用の足しにしようというプランは、まったくの白紙になりました。ペジェグリーニ監督は、「メンバーはFIXしていない。市場が閉まるまで、まだ6週間ある。何人か獲る可能性があるし、何人か退団するかもしれない」と語っていますが、果たして、打開策はあるのでしょうか。

今、マンチェスター・シティの選手で他クラブからのオファーが報道されているのは、アーセナルやローマが狙っているといわれているCBナスタシッチと、ナポリがリストアップしていると報じられたハビ・ガルシア。うーん、どちらも貴重な守れる選手ですね。昨季、チームの軸になれる選手と評価して、大事に育てようとしていたナスタシッチを出すのは、さすがに苦しいでしょう。ましてや、プレミアリーグを争うアーセナルに持っていかれるのは何としても避けたいはずです。ハビ・ガルシアのほうが影響は少なそうですが、貴重なユーティリティを失うことと、移籍金をさほど高くできなさそうなのがネック。マンチェスター・シティ、獲るに獲れず、売るに売れず…。

結局、プレミアリーグのディフェンディングチャンピオンは、それでも無難なハビ・ガルシアに加えて、頭数は揃っている右SBからマイカ・リチャーズあたりを売って、何とかマンガラ獲得、以上!というマイナーチェンジで夏を終えるのではないでしょうか。そうなると、ケガがちなダヴィド・シルヴァがフルシーズン出場できず、ヤヤ・トゥレのモチベーションが昨季よりも上がらなかったとき、マンチェスター・シティはプレミアリーグ優勝どころか、4位確保もできない可能性があります。あな恐ろしや、FFPペナルティ。そういえば、FFPペナルティ仲間のパリ・サンジェルマンも、セルジュ・オーリエをレンタルで獲得するという苦肉の策を使っていました。彼らもまた、噂のディ・マリアを獲ろうと思えば、カバーニやラベッシをどこかに出すしかありません。

人間、金がなければないなりに、開き直って明るくやりくりするわけで、「金はあるのに金を出せない」というのは、思いのほか苦しいことなのかもしれませんね。そんな経験をしたことがないので、実感は湧きませんが…。

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“FFPペナルティに苦しむマンチェスター・シティ!獲るに獲れず、売るに売れず…。” への2件のフィードバック

  1. アーセナル より:

    ほかのチームからすれば十分なスカッドですけどね・・・

  2. チェルシー より:

    ホームグロウンもありますが、リチャーズ放出で大丈夫なんでしょうか?
    FFPのCLホームグロウンはもちろん、通常リーグ戦も危険?
    他サポなのでシティの選手よくわかりませんが、もともとギリギリの印象です

    —–
    アーセナルさん>
    確かに。とはいえ、昨季のヤヤ・トゥレは神がかり的だったので、今季同じようには活躍できない可能性もありますよね。

    戦術は浪漫さん>
    おっしゃるとおり、ホームグロウンも悩みのタネになっているようです。若い選手の構成がどうなっているのかまで、見切れないので事実はわかりませんが、どう見てもギリギリにみえます。リチャーズを出して外国人、とはいかないかもしれません。

    —–
    シティは選手を放出することが少ないので(フリーは除く)常に移籍収支は大赤字なんですよね。
    初回の11-12〜12-13の審査は当たり前のように引っかかりましたし次回の11-12〜13-14の審査も引っかかると思っています。

    —–
    FFPに引っかかると、どのようなペナルティがあるのでしょうか?

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