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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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何だか会社の人事異動みたい…ちょっぴりトホホなランパードのマンチェスター・シティ移籍広報

プレミアリーグで19年、強豪チェルシーで648試合出場というビッグネームの移籍なら、公式サイトで大々的に広報し、監督からは「とても欲しかった選手で、期待している」といった大歓迎コメントを いただいて…という盛り上がりがほしいもの。しかし今回、チェルシーを退団したフランク・ランパードが、6ヵ月の期限付きでニューヨーク・シティFCからマンチェスター・シティに移籍するという大ニュースは、ペジェグリーニ監督の「彼はうちの選手だ」という、そっけなささえ感じさせるひとことで世間の知るところとなりました。

もちろん、ペジェグリーニさんもオトナですから、「彼の入団はチームにとって重要」と付け足すのを忘れてはいないのですが、それが逆に「オトナの事情」であることを漂わせる結果になってしまった気がします。やはり、この話のいちばんの違和感は、「マンチェスター・シティがランパードを欲しがっているようにみえない」ことに尽きるでしょうね。

ランパード移籍の経緯の大筋は、一昨日の本ブログ記事「シティ・フットボール・グループならではの仰天プラン!ランパードがマンチェスター・シティ入団!?」に任せるとして、ひとつだけ付け加えると、メルボルン・シティは、先にニューヨーク・シティFCへの加入が決まっていたダヴィド・ビジャの受け入れで、外国人枠を使い果たしてしまっていたようです。うーん、何だか行き当たりばったりですね。プレミアリーグ屈指の実績を誇るMF獲得の際に、来年3月までの処遇について、ちゃんと考えてなかったような気がしてなりません。この移籍が、ニューヨークの株主でもありマンチェスター・シティの親玉でもあるシティ・フットボール・グループ(以下CFG)の社内異動的な窮余の策だとすれば、一般企業風味で表現すると、こんな感じでしょうか。

「あ、君か、今回ライバル会社から転職してきたランパードくんというのは。できる男だって、本社でも評判だよ。ところで、来年3月にニューヨーク支店がオープンするんだけど、それまでの間、プレミアリーグの本社を手伝ってくれないかな。ペジェグリーニ部長には話は通ってて、”そういう事情ならぜひ”っていってくれてるから。本社には君なら充分できる業務しかないし、半年たったらニューヨークに戻すから、ひとつよろしく」

攻撃に傾斜がかかるヤヤ・トゥレとランパードを中盤に並べるイメージはないので、あるとすれば「ランパード+フェルナンジーニョあるいはフェルナンド」という布陣でしょう。だとすると、イングランド代表MFの活躍の場は、プレミアリーグなら途中出場。主戦場はキャピタルワンカップと、アウトサイダー相手のチャンピオンズリーグとなりそうです。そもそも、間に合ってますからね、マンチェスター・シティのセントラルMF。ペジェグリーニさんにしてみれば、ランパードより、むしろ守備をまかせられるハビ・ガルシアのほうが使いたくなるシーンは多いのではないかとすら思います。

今後、たとえばCFGのような複数のクラブを傘下に持つサッカーチェーンが増え、グループ内人事のような選手の流通が発生したとしても、せめてその「人事」は、受け入れ先が切望しているものであってほしいですね。ファン・ペルシのように、行きたいと宣言してプレミアリーグのライバルに移籍したり、セスクのように古巣に要らないといわれても、どうしてもプレミアリーグに復帰したくてライバルの門を叩くなど、「本人に意志があって」持っていかれる分にはサポーターもファイティングポーズがとれるでしょう。ところがこれが、選手にもクラブにも熱意が感じられない話となると、ただひたすらモヤモヤしますよね。いや、実はマンチェスター・シティはランパードを欲しかったというなら、いいのですが…。

今回の件で、チェルシーサポーターのみなさんが失望しなければいいなと思います。CFGの内部事情に翻弄され、本意ではなかったであろうライバルクラブ移籍という形になってしまいましたが、フランク・ランパードの残してきた足跡と、彼がチェルシーの偉大なレジェンドであるという事実は、変わらないのですから。

こういうときこそ、あの方にコメントしていただきたくなります。モウリーニョさん、いかがでしょう。あなたの年下のフレンドは、ライバルクラブでプレイするみたいですよ。ここでしょう、チェルシーサポーターの溜飲を下げる一撃をかますのは。加減は苦手かもしれませんが、できれば、ペジェグリーニさんを本気で怒らせないぐらいのトーンでお願いします。

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