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どうなる、FFP!?スポーツ仲裁裁判所が、マンチェスター・シティのCL出場禁止処分を撤回!

衝撃的なニュースが欧州を駆け巡ったのは、7月13日9時30分。スポーツ仲裁裁判所(CAS)が、UEFAがマンチェスター・シティに下した2年間のチャンピオンズリーグ出場禁止処分を無効としました。「BBC」の見出しが、この結末の影響がいかに大きいかを物語っています。

Manchester City European ban overturned – so is FFP dead?(マンチェスター・シティの欧州出禁が覆される~すなわちファイナンシャル・フェアプレーは死んだのか?)」。スポーツエディターのダン・ローン氏は「FFPの信頼性はボロボロになった」と嘆き、サイモン・ストーン記者は「UEFAのプレジデントであるアレクサンダー・セフェリンは、レギュレーションに関して大きなジレンマを抱えている」と指摘しています。

あらためて、マンチェスター・シティが処分を喰らうまでの経緯を振り返ってみましょう。2014年5月に、FFP違反によって4900万ポンドの罰金とCLにおける選手の登録制限という処分を受けていたクラブは、2018年11月にリリースされたレポートで、再び注目を集めることになりました。「フットボールリークス」から提供されたドキュメントを公開したのはドイツメディア「デア・シュピーゲル」。プレミアリーグ最強王者の財務諸表に改ざんがあったというニュースを受けて、翌年の3月にUEFAのクラブ財務管理機関(CFCB)が調査に乗り出し、2020年2月14日に2年のCL出場禁止と罰金3000万ユーロという処分が発表されました。

これに対して、マンチェスター・シティは真っ向から反発し、CASに上訴。6月に3度の公聴会が行われた際は、プレミアリーグのクラブが勝つ可能性はゼロに近いと報じられていました。「UEFAはプライドを賭けて、決定的な証拠を揃えた」「処分が撤回されればFFPの評価は地に落ちる。UEFAがそんな愚を犯すはずがない」。しかし、多くのメディアの予想は、あっけなく外れてしまいました。「CASが使った言葉が重要」と指摘するダン・ローン氏が、今回の裁定について論点を整理し、UEFAが敗れた理由をレポートしています。

スポーツエディターが最も重要な表現と指摘するのは「insufficient conclusive evidence」という3語です。「証拠なし」ではなく「決定的な証拠は不十分」。内部告発プラットフォーム由来の資料は合法的ではなく、マン・シティの処分を正当化する材料にはならないと判断したのでしょう。加えて、5年以上前の話だったことも、UEFAの主張を却下する理由となりました。処分を下した側にとっては、「発生から起訴に至るまでに必要だった時間」ですが、中立機関は「既に終わったこと」と解釈したと伝えられています。

かくして、最終的な結論は「FFP違反の調査に協力的ではなかったというだけで、UEFAの主要大会参加を禁ずるのは不適切」。UEFAの協力要請に応じなかったという「罪状」で、罰金1000万ユーロ(約12億円)は残ったものの、プレミアリーグ2位を確定させたクラブにとっては、今季最大の勝利といっていいでしょう。

ニュースを耳にしたラ・リーガのハビエル・テバス会長は、「スイスには素晴らしい仲裁の歴史があるが、CASがサッカーの問題を裁くのに適切な組織といえるか、再評価する必要がある」と非難。「BBC」の取材を受けたフットボールファイナンスのエキスパート、シェフィールド・ハラム大学のロブ・ウィルソン博士も「マン・シティは、現実的に許可されないことをしたはず」とコメントしています。

これに対して、同じく「BBC」に意見を寄せたスティーヴン・テイラー・ヒース氏(スポーツ専門の弁護士)は、「FFPは、クラブの巨額の赤字を抑制するために効果的であり、今後もコンセプトとして機能する」としています。あくまでもコンセプト、シンボル…もはや何も規制できないと揶揄されながら、振り上げた拳を下ろせないUEFAは、サイモン・ストーン記者がいうように、悩ましいジレンマを抱えながら歩いていくことになりそうです。シティズンのみなさんは、さぞ喜んでいることでしょう。プレミアリーグ13位のセインツに、ホームで引き分けている場合ではないとわかってたんですけどね…!

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