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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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そしてFWがいなくなった…負傷者続出のマンチェスター・シティ、切り札&隠し玉はこの2人⁉

今季のプレミアリーグ前半戦は、負傷者の多いクラブが話題になりました。最終ラインにマクレアやブラケットなど、プレミアリーグ出場経験のない選手を投入せざるをえなくなったマンチェスター・ユナイテッド。同じく最終ラインのやりくりに追われ、エジルやウィルシャー、ラムジー、ウォルコットらを満足に使えなかったアーセナル。スタリッジ不在の穴が埋められず、DFラインの入れ替わりも激しかったリヴァプール。チーム浮上のカギを握りそうなエジルやスタリッジの復帰はまだ先となりますが、それぞれに最悪の時期は脱し、浮上のきっかけをつかみつつあるところでしょう。

さて、そんななかで、ここにきて負傷者続出に悩まされているのが、マンチェスター・シティのペジェグリーニ監督です。26日のWBA戦に欠場するのは、1月末まで復帰できないと伝えられているエディン・ジェコと、現在プレミアリーグ得点王のセルヒオ・アグエロ。加えて、ヨヴェティッチとコンパニも、元日のサンダーランド戦にも間に合わないのではないかといわれています。「よりによって、いちばんタイトな年末年始に…」と、マスコミの前では淡々と語る指揮官も内心は苦々しく思っていることでしょう。

不幸中の幸いは、この1週間で当たる相手がWBA、バーンリー、サンダーランドと下位クラブに集中していること。サンダーランドには、プレミアリーグの直近5試合で2勝1分け2敗と相性がいいとはいえないものの、負けた2つはいずれもアウェイのスタジアム・オブ・ライト。本拠地エティハドなら、過去の苦い記憶にさほどこだわらなくてもいいでしょう。11月下旬から1ヵ月負け知らず、公式戦8連勝の勢いで、FW不在を「なかったこと」にしてしまえるのか、フィニッシャーの弱さをカバーできずに、チェルシーに再度引き離されてしまうのか、年末年始からの1ヵ月は、チリ人指揮官にとって正念場です。

ポイントとなるのは、ミルナーの使い方だと思います。ここ2試合、ポゾやアンブローズといった若手FWをベンチに入れているペジェグリーニ監督は、彼らでこの苦境を乗り切れるとは考えていないでしょう。そうなると、トップに据えたくなるのは、突破力も強いシュートもあるヤヤ・トゥレですが、彼もまた、アフリカネーションズカップで1月にはチームを離れてしまいます。年明け以降、ヨヴェティッチ以外で最前線で機能しそうなのは、ミルナーやダヴィド・シルヴァを中央に張らせる「ゼロトップ戦術」。CBとGK以外はどこでもできるミルナーがトップに入れば、前線のプレスではアグエロ以上の貢献をしつつ、フェルナンドに後ろをまかせて上がってくるランパードやフェルナンジーニョにスペースを創るプレイもしてくれるでしょう。

マンチェスター・シティには、ひとつだけ、隠し玉があります。それは、「イヘアナチョの労働許可証が下りること」。現在、MLSのコロンバス・クルーにレンタルされている18歳の新星は、ナイジェリア代表に選ばれておらず、12月頭に申請された労働許可証認可の条件を満たしておりませんが、過去にも数人の選手が特例で認められています。イヘアナチョのレンタル期限は元日まで。プレシーズンマッチで信じられない態勢からゴールを決めていた「将来、バロンドールを獲るかもしれない逸材」がチームに加われば、チェルシーやアーセナルとぶつかる1月のマンチェスター・シティが俄然おもしろくなります。ペジェグリーニ監督は、最高のお年玉をもらえるのでしょうか。「トップ不在の優勝候補」の、新しいフォーメーションに注目です。

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