偏愛的プレミアリーグ見聞録

ブレントフォードの健闘及ばず、マンチェスター・シティがフォーデンのゴールを守り切ってプレミアリーグ10連勝。試合をご覧になった方は、VARが介入した2つのゴールシーンを見て、頭の中を「？」が駆け回ったのではないでしょうか。

16分の先制ゴールを演出したのは、ケヴィン・デブライネ。ヤンセンの裏を取ろうとしたフォーデンを見ていたプレーメイカーが完璧な浮き球をフィードすると、抜け出した21歳のアタッカ―は左足のインサイドに軽く当ててアルバロ・フェルナンデスのニアサイドを抜きました。

VARは、フォーデンの腕のつけ根がピノックのかかとより手前だったとして、ゴールを認めました。一方、87分にFKを頭で押し込んだラポルテは、ピノックの腕よりも体が出ていたとされ、ゴールを取り消されています。フォーデンと同じようなジャッジポイントとなったCBに下されたオフサイドは、厳しいジャッジに見えました。

レフェリングの是非はさておき、ブレントフォードにとっては悔やまれる敗戦でした。フォーデンのゴールの直前、左サイドから抜け出したウィッサがクロスを上げると、ルベン・ディアスが頭に当てたボールがゴールへ。逆に動いたエデルソンが瞬時に体勢を立て直し、右手で弾き出すビッグセーブを見せたため、リードを奪うことができませんでした。

さらに、その直後のCK。ピノックがヘッドで左に送ったボールをウィサがトラップし、角度のないところから左足でボレーを放つと、エデルソンの足にヒットしたボールが高く浮き上がりました。ゴールの真ん前で競り合ったイヴァン・トニーとナタン・アケは触れず。ゴールに向かったボールの行方を見守っていたウィサは、ファーポスト際にジョアン・カンセロがいるのを見て頭を抱えました。

SBがヘッドで外に押し出し、ブレントフォードは先制ならず。フォーデンが決めるまでの90秒は、濃密な時間でした。リーズ戦を7-0、ニューカッスルに0-4、レスター相手に6-3と猛威を振るっていた昨季プレミアリーグ王者と渡り合い、1905年以来となる4試合連続4ゴール以上という記録を許さなかったチームに拍手を送りたいと思います。トーマス・フランク監督と選手たちは、ポイントを持ち帰りたかったでしょうね…。

マン・シティは快調、レッズは急ブレーキ、チェルシーは停滞。プレミアリーグの3強が、2021年のスケジュールを終えました。「BBC」によると、年内で首位と2位が8ポイント以上の差となった過去5回は、すべてリーダーが逃げ切っているそうです。マン・シティのニューイヤーズデーは、敵地でアーセナル。その2週間後にはチェルシーとのシックスポインターが控えています。

アラン・シアラーは、ペップのチームがプレミアリーグの連勝記録を12に伸ばしたら、タイトルレースは終了すると主張しています。まずは、ガナーズ。エティハドで5-0と惨敗したチームは、アルテタ監督不在のゲームで3ポイントをゲットすることができるでしょうか。今季のマン・シティは、先制した16試合は全勝。リードされたゲームは1分2敗で、逆転勝利は1度もありません。エミレーツのゲームにおける最大の注目ポイントは、「どちらが先にゴールを決めるか」です。