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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

フラムに苦戦、ブレントフォードにホームで敗戦…稀代の点取り屋を加えた王者に死角はあるのか?

最初の14試合を終えて、10勝2分2敗。フツーのシーズンなら、首位に立っていてもおかしくない戦績です。ドルトムントから獲得した新エース、アーリング・ブラウト・ハーランドはプレミアリーグ13試合18ゴールと猛威を振るっており、デブライネは既に9アシスト。14試合で29ゴールだった前年をしのぐ40ゴールという数字を見ると、補強は狙い通りという評価になります。

それでもマンチェスター・シティが2位に甘んじているのは、12勝1分1敗というとんでもないペースで走るチームがいたからです。プレミアリーグ2022-23シーズンの前半戦の振り返りを求められたペップ・グアルディオラは「われわれは信じられないシーズンを送ったが、彼らはより優れていた」とコメント。ミケル・アルテタ率いるアーセナルについて、「昨季は違ったが、今はプレミアリーグの優勝候補」と強さを認めています。

プレスとのやりとりを見る限りは、ペップは余裕があるように感じられますが、アーセナルに5ポイント差をつけられたチームには「今季は不安定」という指摘があるようです。イヴァン・トニーにやられたブレントフォード戦をレポートした「アスレティック」は、「この素晴らしいチームは、完全無欠ではない」と主張。10人で苦戦したフラム戦と、ホーム全勝を止められたゲームの低調なパフォーマンスが、懸念の声につながっているのでしょうか。

モンスターを加えてモデルチェンジしたマン・シティに、死角はあるのか。頂点に立った過去2シーズンの序盤戦を見ると、昨季も10勝2分2敗で、出遅れた2020-21シーズンは7勝5分2敗。シーズン開幕当初は多少取りこぼすものの、その後のブーストで首位に立ち、一気に押し切るという流れは近年の彼らの定番プロセスです。

気になる数字があるとすれば、プレミアリーグを制覇した4つのシーズンより多い14失点でしょか。14節で15失点だった2016-17シーズンは3位、16失点を喫した2019-20シーズンはリヴァプールに独走を許して2位。変則スケジュールの今季は、ビッグ6との対戦を2つしか消化しておらず、9試合がボトム10との対戦だったことを考えれば、相変わらずの堅守とはいえません。

カイル・ウォーカーは年々出場機会を減らしており、ルベン・ディアスはかつての安定感を失っています。ブレントフォード戦の最後のカウンターは、ダシルヴァにあっさりかわされたアカンジが、失点の直接的な原因となりました。負傷で4試合出場に留まったラポルテの定着と、ルベン・ディアスの復調がなければ、取りこぼすゲームが増えてしまうかもしれません。

もうひとつ、注目すべき数字は「ハーランドがノーゴールの試合」です。プレミアリーグでゴールがなかった3試合は1勝2敗、欠場したレスター戦は0-1の辛勝。チャンピオンズリーグの後半3試合は1勝2分です。3-1で敗れたコミュニティシールドのリヴァプール戦と、出番がなかったカラバオカップのチェルシー戦を入れると4勝2分3敗。エース抜きの試合をどう戦うかは、ペップに突き付けられたテーマのひとつです。

とはいえ、10勝2分2敗で40ゴール&14失点は強者の戦績。アルテタ監督のチームが、あの年のクロップのような驚異的な勝負強さで走らなければ、再び頂点に立つことなくシーズンを終えるという結末はないでしょう。マン・シティが多少ふらついてくれたほうが、プレミアリーグは盛り上がるので、記者もファンも躍起になって死角探しに奔走するのだと思われます。かくいう私も、そのひとりですが。


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