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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

いつの間にか「戦術ハーランド」!? マンチェスター・シティの得点力がダウンした理由。

フットボールというスポーツは不可思議であり、常に予測不能です。プレミアリーグ2022-23シーズンは、高額移籍金でストライカーを獲得したリヴァプールとマンチェスター・シティが苦しみ、ストライカーを手離したマンチェスター・ユナイテッドと、長期離脱となったアーセナルがジャンプアップしています。

ダルウィン・ヌニェスとコーディー・ガクポが加わったチームが、年明けからのプレミアリーグ4試合で2ゴールしか決められず、1分3敗という絶不調に陥ると誰が予想できたか。アーリング・ブラウト・ハーランドが25ゴールを決めているチームが、21試合で昨季の敗戦数を上回ってしまうと誰が想像できたか。レッズもさることながら、マン・シティの不振が気になります。

直近の公式戦6試合で3勝3敗、アウェイで3連敗。6試合のうち、4試合は1ゴール以下と得点力が明確に落ちています。ペップ率いる最強チームに、異変が生じているように見えるのですが…。カラバオカップ準々決勝のサウサンプトン戦は、まさかのオンターゲットゼロ。マンチェスターダービーも、グリーリッシュのゴール以外に枠に飛んだシュートはありません。

セインツとのゲームで56分に登場したハーランドは、タッチ6回、パス成功2本、シュート1本と豪快に空回り。ダービーでもシュート2本に留まり、1-0で敗れたスパーズ戦は、入団してから初めて1本も打てずに終わりました

今季のマン・シティは「戦術ハーランド」になったかのようで、9番がゴールもアシストもなかった5試合は1勝4敗。そのうち4試合はビッグ6との直接対決で、エースを封じられたチームは2ゴールしか決めていません。前線に張るストライカーの加入は、マン・シティを単調なチームにしてしまった感があります。スタッツの変化は一目瞭然。中盤とDFのゴールが激減しているのです。

2021-22シーズンは、デブライネ、ギュンドアン、ベルナルド・シウヴァ、ロドリが38ゴール。しかし今季は、4人合わせて8ゴールです。10ゴールを決めていた最終ラインは、2発ゲットのジョアン・カンセロが去り、他はゼロ。13ゴールのスターリングと8ゴールのジェズスが出ていったことも考え合わせると、稀代のゴールゲッター獲得の収支はマイナスに見えます。

ジョアン・カンセロの放出は、やむなしだったのでしょうか。1試合あたりのドリブル成功が1.6回でチームNo.1だったSBは、キーパス、シュート、被ファール数、インターセプト、タックルでもナタン・アケの1試合平均を大きく上回っています。

あっさり抜かれてしまうシーンがあるため、ナタン・アケやリコ・ルイスのほうが堅実というイメージがあるかもしれませんが、攻撃時の推進力や敵陣での守備はカンセロのほうが上でしょう。スターリングの流動性、ジェズスのスペース活用、カンセロの意外性を失ったことで、ボックスの両脇を陥れる怒涛のアタックは明らかに減りました。

マフレズとグリーリッシュは素晴らしい選手ですが、サイドにいる時間が長く、1試合あたりのシュート数は昨シーズンのジェズス&スターリングの2/3です。外からの脅威が減り、ロングクロスや縦パスをハーランドに集めるシーンが増えたマン・シティに対して、中央に人数を揃えてストライカーのシュートコースを塞いだチームは、守りやすいと感じたのではないでしょうか。

偽トップだった2021-22と比べると、攻撃のバリエーション、流動性、MFの攻め上がりが減ってしまい、11月以降の9試合で17ゴールとペースダウン。ペップ・グアルディオラに、打開策はあるのか。1週間後に迫ったアーセナル戦で敗れれば、彼らのミッションはTOP4キープになってしまいそうです。変化をもたらすキーマンは、フィル・フォーデンか、フリアン・アルバレスか…!?


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