偏愛的プレミアリーグ見聞録

以前に、マンチェスター・シティが獲得するであろうと紹介したアルバロ・ネグレドの入団が決まりました。以前にも書きましたが、純粋なストライカータイプで、ジェコ同様、周囲の選手のポジションチェンジにうまく絡んで、ゴール前でフィニッシュしやすい場所に入り込める選手です。このレフティのプレミアリーグ入りで、テベスの穴は充分、埋まるでしょう。イギリスのメディアは、移籍金2800万ユーロ（約37億円）と伝えています。なかなかのお買い物ですが、いいところに目を着けましたね。セビージャは、チームの顔であるヘスス・ナバスに加えて、エースストライカーまでも失うことになりましたが、来季大丈夫なのでしょうか。余計なおせっかいかもしれませんが、これで上位に食い込もうものなら、スペイン人選手の層の厚さにびっくりです。プレミアリーグを筆頭に、これだけ選手が流出してもまだいい素材がいるのか、と。

そしてさらにびっくりしたのが、ステヴァン・ヨヴェティッチの獲得です。公式に発表されたネグレドと違い、こちらはフィオレンティーナがクラブ間合意をツイッターで発表した、という状態。これからメディカルチェックと契約書の取り交わしが行われるので、正式発表は少し先になりそうですが、予期せぬトラブルでもなければ決まりです。2枚とも獲るのか、というのが驚きの理由。サイドにヘスス・ナバス、センターMFにフェルナンジーニョと弱点補強が済んだと思えば、テベスが抜けた前線に、このオフ話題だったFWを2枚補強し、万全の体制を築きました。報道されている移籍金をすべて足し込むと、何と1億2500万ユーロ（約165億円）！いやいや、総資産評価が世界のスポーツチームで第2位といわれるマンチェスター・ユナイテッドや、第10位のアーセナルといえども、この額は出せませんね。「札束攻勢のチームに負けるな！」と、やっかみ半分でますます応援に力が入ります。

さて、カバーニのパリSG移籍も決まり（こちらは何とひとりで83億円！）、去就がわからない大物はルーニー、スアレス、イグアインあたりに絞られました。アーセナルはアルゼンチン代表のストライカーを獲れるのか、マンチェスター・ユナイテッドはベインズ以外の動きが全く見えなくなっていますが、大丈夫なのか。プレミアリーグ以外からの声はほとんどないようですが、ルーニーは来季、何色のユニフォームをどこで着ているのか。移籍市場も残すところあと1ヵ月強。開幕までは1ヵ月を切りました。いよいよ、大詰めです。（ステヴァン・ヨヴェティッチ　写真著作者/ Roberto Vicario）