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明日の勝利と世代交代をどう両立させるのか…ペップ・グアルディオラの1月補強&若手抜擢に注目!

「デイリー・メール」が、ペップ・グアルディオラ監督のプレミアリーグの戦績が、就任初年度の自己ワーストであると報じていました。2008-09シーズンのバルセロナでは、20試合終了時で17勝2分け1敗、63得点14失点。前シーズンにユップ・ハインケスが3冠を達成していた1強バイエルンでは18勝2分け、53得点9失点と敵なし。バルサでは初年度にスペイン史上初の3冠、バイエルンの1年めでもブンデスリーガ、DFBポカール、UEFAスーパーカップと3つのタイトルを獲得していたペップは、今季のマンチェスター・シティでは13勝3分け4敗、41得点22失点。明らかに数字を落としているだけでなく、チェルシーに勝ち点7差をつけられてプレミアリーグ4位と、タイトル奪取が厳しい状況に追い込まれつつあります。

前の2チームには、世界一の代表チームの主軸とリーグ最高といわれる選手がいたのに対して、マンチェスター・シティの戦力はライバルと比べて抜きん出ているわけではありません。唯一のイングランド代表レギュラーだったジョー・ハートをイタリアに出してしまい、スターリングとジョン・ストーンズは発展途上。エースのアグエロが健在とはいえ、他にワールドクラスといえる選手はデブライネぐらいしか見当たりません。3チームの勝ち点や得失点は、いかにも「データ大好きイギリスメディア」が食いつきそうな数字ですが、単純比較にはさほど意味が…いや、それ以前に、勝って勝って欧州の頂点に立つことを求められたバルサやバイエルンと、今のマン・シティではペップのミッションは違うのだと思われます。名将が託されたのは、初年度から飛ばすことではなく、「チームの創り直し」「長期的な視座に立った基盤づくり」であるはずです。

ブラボ、カバジェロ、サニャ、サバレタ、クリシー、コラロフ、コンパニ、ヘスス・ナバス、フェルナンジーニョ、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、ノリート。30代の選手で1チーム作れてしまいそうなマンチェスター・シティは、黄金時代の最終ライン全員とギグス、スコールズをあっという間に失ったファーガソン晩年のマンチェスター・ユナイテッドと、同じ危機を迎えているのだと思います。エヴァートンの少ない予算で切り盛りした経験しかなかったモイーズ監督は残念ながら力不足で、「勝ち続けながら世代交代」という難しいミッションは、ペップ、モウリーニョ、シメオネといった世界屈指の監督を招聘しなければ達成できなかったでしょう。マン・シティは、並みの監督ならチャンピオンズリーグ出場権すら失いかねない大変な状況にあるのです。首位と7差の13勝3分4敗というここまでの数字を「よくはないが、失格ではない」とするならば、目を向けるべきは過去のペップではなく今後のチーム作りです。

「来季プレミアリーグ制覇、さらに3年以内に欧州で勝つ」という仮のヴィジョンを置いて夏の補強と現有戦力を見ると、気になるのは「SBの入れ替えを進めなかったこと」「若いGKを連れてこなかったこと」「スターリング以外の若手に成長感が乏しいこと」「中盤センターがフェルナンジーニョ頼みであること」です。GKについては、足元が確かだという理由でブラボを獲得するより、成長余力のある若手をジョー・ハートと競らせる「チェフVSクルトワ」「ブラボVSシュテーゲン」のような構えのほうがよかったのではないかと思います。「コンパニが使えないのは想定外だった」と語るペップが短期的にCB強化を望むのは理解できますが、長期的に見ればSBこそがこの冬の最重要補強ポイントなのではないでしょうか。ウェストハムと当たってしまったFAカップで、メンバーを落としづらかったのは確かですが、成長を促したいイヘアナチョを使うにはうってつけの試合でした。明日勝つための手と、2~3年後のための布石をバランスよく打てれば理想的ですが、今のペップは前者に偏っているように感じます。

ファン・ダイクやラポルテなど、CB獲得の噂が聞こえてきていますが、モナコの右SBファビーニョや、ボルシアMGのダフードなど懸案のポジションを併せて強化できればなおよし。高齢化著しいGKとSBに若い力を足さなかったために、世代交代の時計を1年遅らせてしまった感はあるものの、冬にうまく仕込めれば半年分は巻き返せます。ポストフェルナンジーニョについては、ペップ好みの「CBにもまわせるセントラルMF」を狙うのもよさそうです。トップクラブゆえ、1年めは勝たなくてもいいなどということはありませんが、今季にこだわりすぎると下り坂のベテランが続々抜けるであろう来夏以降が厳しくなります。この1月は次世代に向けたペップらしい補強を見せていただき、後半戦においては、レロイ・サネの飛躍とパルメイラスから合流したガブリエウ・ジェズスの抜擢にも期待したいと思います。

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“明日の勝利と世代交代をどう両立させるのか…ペップ・グアルディオラの1月補強&若手抜擢に注目!” への7件のフィードバック

  1. アイク より:

    ジーニョの控えにリベロ長谷部を、というのは身内贔屓が過ぎるでしょうか。
    シーズン序盤は独走するかに思えたのですが、敗けに不思議の敗け無しですね。
    伝統あるバルサ、バイエルンのように、シティも、ワールドクラスがキャリアの最盛期を過ごすクラブへと変貌するところを、是非見たいです。

  2. だしまる より:

    シティ繋がりでは、Jリーグの横浜Fマリノスが大幅な選手入れ替えに直面し、混乱に陥っているように難しいものですね。シティの下部組織は、数年前から充実という話を聞きますが、目指しているだけなのか本当に逸材揃いなのか気になります。前はイヘアナチョやロバーツなどがいても後ろはあまり聞こえてきませんので。

  3. makoto より:

    アイクさん>
    長谷部は夢のあるお話ですが、清武を見ていると、腰が引けますね。鶏とタマゴみたいな話になりますが、CL優勝できそう…となればペップとマン・シティでやりたいという選手も増えそうです。

    だしまるさん>
    チェルシーやアーセナルのほうがよさそうですよね。投資を増やしたのは割と最近なので、芽が出るまでに少し時間がかかるのではないかと思います。

  4. シャーザー より:

    シティの若手だとアレガル、アンジェリーノ、マフェオ辺りには期待してますがカップ戦以外じゃめったに使われませんね
    今のおじさんばかりのDFラインと中盤だともう少し出番があると思ってました

  5. makoto より:

    シャーザーさん>
    おお、よくチェックされてますね。若手はプレミアリーグかカップ戦に出てきてくれる選手までしか押さえてなかったです。いただいた顔ぶれを気にしてみます。

  6. シティふぁん より:

    契約が切れそうなベテランが何人かいます
    契約切れなら移籍先を見つける必要がないですからね
    若返りが期待できるかも?
    アンジェリーノとマッフェオはローン移籍しました
    マッフェオとアレガルはリーグカップのユナイテッド戦にも出てて結構良かったです

  7. makoto より:

    シティふぁんさん>
    次の夏に一気に若返りが進むといいですね。特に最終ラインですが、抜本的に変えないと、なだらかに弱くなってしまうのではないかと思います。

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