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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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最短で4ヵ月、最長なら…!無罪を主張するマン・シティの戦略と控訴後のスケジュール。

マンチェスター・シティの経営ボードが最大の利益を得る方法は、ペナルティの確定をできる限り先延ばしにすることです。最初のアクションは控訴で、明日までに間違いなく異議申し立てが行われると報じられています。独立委員会が114件の容疑を有罪と裁定しても、フェラン・ソリアーノCEOが無罪を主張しているのは、トップリーグにおける収益をキープするためでしょう。

プレミアリーグの規則には、控訴を受けた審議は12週間以内に終了し、そこから30日以内に最終的な判決を下すと記されています。プレミアリーグのスケジュールなど、特定の期限に間に合わせるために手続きを急ぐケースもありますが、今回の件は該当しないでしょう。スムーズに進めば2027年1月に結審し、2月にファイナルアンサーという流れです。

マンチェスター・シティが避けたいのは、シーズン中にペナルティが公表されることでしょう。降格、追放、ポイント剥奪などの処分がファンに知らされているのに、2026-27シーズンの最終節までに確定せず、「時間切れで優勝」「下部リーグへの降格やポイント剥奪は来季に持ち越し」となれば、轟轟たる非難を浴びる日々が続くでしょう。

ペナルティの発表をオフシーズンに飛ばせれば、「ポイント剥奪の対象は来季以降」にできる可能性が高まります。先送りのための手段は2つです。ひとつは、控訴審の審議期間を延長させるべく、異議申し立てを繰り返すこと。もうひとつは控訴審の後、高等裁判所に「控訴審の手続きがフェアではなかった」「法的な違反があった」などと主張することです。

プレミアリーグの上訴委員会の裁定は最終ジャッジであり、さらなる異議申し立てや上訴はできないと規定されています。UEFAのCL出場停止処分を覆したときのように、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への上訴も不可能です。そうなると、裁判所という外部機関の仲裁手続きを通じて、自説を認めさせるのが唯一のルートとなります。

マン・シティの収益の最大化は、プレミアリーグが甚大なダメージを被ることを意味します。フェラン・ソリアーノCEOに全面対決の構えを崩す気配はなく、有罪の事実認定に対して反論し続けたうえで、ペナルティの妥当性についても異議をぶつけてくるはずです。リーグにとって最悪のシナリオを最短の言葉でいうと、「3年後に厳罰確定、その間にクラブは3連覇」です。

「アスレティック」の取材を受けたマクファーレンズ法律事務所のパートナー、フレッド・スノーボール氏は、「プレミアリーグの規則では上訴手続きが定められているが、裁判所の仲裁手続きが行われる可能性もある。懲戒の内容の最終的な決着から、その後に想定されるクラブの訴訟に至るまでには数年かかる可能性がある」といっています。

8億3000万ポンドを超えるスポンサーフィーの水増し、9000万ポンドのコストの隠蔽、9年の間にトランスファーマーケットで投じた移籍金は12億ポンド。これほどショッキングな数字が晒されてもなお、マン・シティは具体的な反論をせず、「無罪」「陰謀」と連呼し続けるのでしょう。最大の収益を得るために、妥当な戦略だからです。

自分たちの正当性を主張して相手を押し戻すポゼッションスタイルより、「証拠は法的に不当」「手続きに不備がある」などと相手のエラーを叩くカウンターのほうが、完全勝利の可能性が高いといえます。ただしその戦い方は、146年のクラブの歴史を黒く塗りつぶし、終わりに近づけるリスクと背中合わせです。

今、プレミアリーグの順位テーブルの頂点にいるのは、戦うべき相手なのか?19チームのバトルを混乱させる悪しきペースメイカーにすぎないのか?何もかもが明確になるのは冬か、春か、数年後か?ゴールが見えない未曽有の場外バトルと、自分たちの居場所の意味がわからなくなりそうなピッチでの戦いを、ひたすら見守るしかない日々が続きそうです。


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