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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

変則トレブルなるか!? 最強マンチェスター・シティが狙える6つのプレミアリーグ記録!

プレミアリーグの順位テーブルや公式スタッツを眺めていると、私たちは今、ものすごいチームを目の当たりにしているのだなと実感します。ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティ。プレミアリーグ30節を終えて26勝3分1敗。2003-04シーズンにアーセン・ヴェンゲルのアーセナルが成し遂げた無敗優勝こそ逃したものの、残り8試合のうち5勝すれば、2016-17シーズンにチェルシーが更新したばかりの30勝という最多勝レコードを塗り替えます。エヴァートン戦のドロー以外を全勝すれば、ホーム最多の18勝でシーズンを終えた4つめのチーム。2004-05シーズンにジョゼ・モウリーニョが打ち立てた最少失点15、アウェイ最多勝利15、最多勝ち点95は、失点以外の2つは到達できる可能性を残しています。2009-10シーズンにアンチェロッティのチームが記録した103ゴールも射程圏内です。

ドログバが29ゴール、ランパードが22ゴールを決めた当時のチェルシーは強力でしたが、アグエロ21発、スターリング15発の今季の首位はどこからでもゴールが奪えるチームです。プレミアリーグレコード達成には8試合で19ゴールが必要ですが、直近8試合で21ゴールを挙げている彼らがあっさりクリアする姿は充分にイメージできます。1999-2000シーズンにマンチェスター・ユナイテッドが記録した2位との最大勝ち点差18は、タイトルホルダーとのデッドヒート次第。既にプレミアリーグ18連勝というレコードを手に入れたマン・シティは、ざっと挙げただけでも6つの新記録・タイ記録を視界に捉えています。

私は、開幕前にはマンチェスター・ユナイテッドの優勝を予想していました。ジョゼ・モウリーニョの弱点補強リストの3名のうち、ルカク、マティッチと2名までがプレミアリーグ経験者だったのに対して、ペップが集めた主力5名はカイル・ウォーカー以外はフィットするのに時間がかかるかもしれないというのが最大の理由です。これに加えて、バイエルン時代に毎年大量の負傷者を出していた指揮官が初年度と同様に不振に陥る時期があると考えたこと、ジョー・ハートやナスリ、ボニーを含めれば総勢10人以上の放出も選手層の厚みという観点では懸念材料でした。

しかし、ペップは4ヵ月でこれらが杞憂にすぎないと証明してしまいました。前半戦を無敗で終え、2位に勝ち点13という大差をつけたチームは、年が明けてからも失速しませんでした。バンジャマン・メンディ以外に長期離脱はなく、デルフリタイアによる「左サイドの危機」は、ジンチェンコがあっさりカバー。プレミアリーグ18連勝の立役者だったスターリングに疲労が見えた頃には、ベルナルド・シウヴァがフィットしていました。冬のラポルテ獲得でコンパニの体調は重要事項ではなくなり、フィル・フォーデンやブラヒム・ディアスに場数を踏ませる余裕までできたチームに、ライバルたちは太刀打ちできませんでした。

さて、マンチェスター・シティは、どんな成果を残して素晴らしいシーズンを終えるのでしょうか。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、カラバオカップの変則トレブル達成が最高のゴール。ブックメーカー「ウィリアム・ヒル」は、CLの優勝予想でバルセロナの3.50倍に次ぐ4.33倍でマン・シティを対抗馬に推しています。ラウンド16のチェルシーVSバルサを観て、こんなことを思いました。マンチェスター・シティとわれわれの勝ち点差が、プレミアリーグの2位以下と欧州のトップとのギャップそのものなのかもしれない、と。

リヴァプールがスペイン勢やバイエルン、ユーヴェに対してどう戦うのかを観たい気分もありながら、今年のペップのチームに欧州を制するパワーがあるのかを問いたいという興味も捨てられません。いっそ、全部獲ってしまえ!リヴァプールときっちり決着をつけ、古巣のバルサとバイエルンを連破して自分が最高なのだと欧州に知らしめた結果、ペップのタイトル全制覇にストップをかけたのはウィガンだった、というオチはプレミアリーグらしくていいのではないでしょうか。

大半のベテラン放出による若返り、エデルソンやダニーロら大陸からの新戦力の早期フィット、デルフとジンチェンコの戦力化、デブライネ&ダヴィド・シルヴァの超攻撃的インサイドMFコンビの実現、スターリングとレロイ・サネの覚醒…これらはすべて、ペップでなければ短期間でなしえなかったのではないでしょうか。いやー、本当に素晴らしい。冒頭に挙げた記録も含め、最高の結果を残していただければ、「たられば」を考えることなく2位以下のポジションを受け入れられそうです。最後に、モウリーニョ監督に狙っていただきたいプレミアリーグタイ記録を紹介させていただき、この稿を締めたいと思います。

2011-12シーズンにマンチェスター・ユナイテッドが記録した、プレミアリーグ2位の最多勝ち点89。全勝条件ですが。

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“変則トレブルなるか!? 最強マンチェスター・シティが狙える6つのプレミアリーグ記録!” への3件のフィードバック

  1. ペップの街 より:

    更新ありがとうございます。冒頭から文末までニンマリしながら楽しく読ませて頂きました。リヴァプールに勝ち、メッシのいないシティがメッシのバルサに勝つことが至上の喜びですが、あまりにうまく行きすぎるとペップが新たな旅に出てしまうのではと不安もあります。ペップには是非シティで至高のサッカーの王国を築いて欲しいものです。

  2. 千兵衛 より:

    毎日、愉しみにしております。
    マンUのサポーターでありながら、いつもフラットな視線でプレミアを見ておられ、その見識には頭が下がります。

    あれ程カリスマ性の高かったモウリーニョは、いったい何処へ行ってしまったのか?そんな思いを強くする今日この頃です。
    小憎らしいほどの堅牢な守備に、一発必中のカウンター。ペップやクロップ等々とプレミアを盛り上げて欲しいです。

  3. ペップの街 より:

    愛読書「ペップの狂気」によれば、2012年のシーズン後、ニューヨークで充電期間を過ごしていたペップをバイエルンのへーネスとユナイテッドのファーガソンが契約しようとせめぎ合うスリリングなシーンがありました。あの時ファギーがだしぬいていればねえ!

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