プレミアリーグ連覇をめざすペップ・グアルディオラが抱える2つの懸念!
ペップらしい機能的なフットボールはパーフェクトでしたが、意地の悪い目線を向けて、「運も味方にした」「できすぎだった」とはいえないでしょうか。メディカルスタッフの素晴らしい仕事があったとはいえ、バンジャマン・メンディ以外に長期離脱した選手はゼロ。多くの主力が、指揮官を悩ませる負傷も不振もないままでシーズンを終えています。しかし、2018-19シーズンは、同じようには戦えないかもしれません。最大の懸念は、序盤戦のコンディションでしょう。ワールドカップロシア大会で準々決勝に進出した選手が11人もおり、8月12日のプレミアリーグ開幕戦まで2週間となった今でも、15人がチームに合流していません。
「私だけでなく、どのマネージャーにとっても簡単な状況ではない」。他のビッグクラブも条件は変わらないと主張するペップですが、緒戦でいきなりぶつかるアーセナルは、オーバメヤン、ラカゼット、ムヒタリアン、エジル、ラムジーが既に仕上がっているのを把握しているはずです。
6節までに、プレミアリーグに昇格してきたチームとの対戦が3つあるドローはラッキーのひとことですが、ここまでで2~3試合落とすという事件が起これば、8節でリヴァプール、10節トッテナム、12節がマンチェスター・ユナイテッドと飛び石で続く直接対決が苦しくなります。昨季は自信と余裕を失うことなくシーズンを走り抜けたペップ・シティですが、唯一彼らの自信を打ち砕いたのが、クロップ監督率いるリヴァプールでした。23節のアンフィールドで完全に守備を崩され、3-4で完敗すると、チャンピオンズリーグの準々決勝でも0-3、1-2で連敗。序盤戦で勝ち点を落とし、不安を抱えながらアンフィールドに乗り込むことになれば、その後の戦い方に影響を及ぼすような深手を負う可能性もなきにしもあらずです。
2つめの懸念は、リヤド・マフレズしか新戦力を確保できていないことです。「スカイスポーツ」は、フェルナンジーニョの代わりがいないと指摘しています。33歳のMFは、他の選手よりも1000分以上多くプレイしている大黒柱ですが、2016-17シーズンには1試合あたり48回あったスプリントを、昨季は41回に減らしています。大量リードを得た後に流す試合が多かったのは確かですが、年齢を考えると気になるデータではあります。チェルシーにジョルジーニョを持っていかれたのは、想像以上に痛かったかもしれません。以前に「サッカーの世界では、現状維持は衰退を意味する」と語っていた指揮官が、チーム内の競争を促すことができなければ、レギュラー固定でプレミアリーグを制した翌シーズンに停滞してしまったモウリーニョ、ラニエリ、コンテの足跡をトレースすることになりかねません。
チームのエンジンとなるデブライネ、ダヴィド・シルヴァ、フェルナンジーニョと、守備範囲の広さと足元の巧さはプレミアリーグNo.1のエデルソンに何かあれば、ライバルに上にいかれるかもしれません。ギュンドアンやブラボをあてがい、簡単に乗り切られてしまえば、「さすがペップ」と脱帽するしかありませんが…。これから2週間の補強とチームづくりを、引き続きウォッチしてまいります。
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最強のチームであり続けるためにも変わらなければならないのに、特に中盤の補強ができてないのはご指摘の通りです。何か、あっと驚くようなコンバートとか、若手の抜擢とか考えてるのでしょうか。
美しくて、早くて、強いペップのフットボールが今季も輝くことを切望しています。