イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録 | プレミアリーグの最新情報ブログ

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

売上は5億ポンドを突破!マン・シティ躍進の10年を振り返る「Decade in data」がおもしろい!

総収入は初めて5億ポンド(約735億円)を突破し、10年連続の増収。利益は1040万ポンド(約15億3000万円)で、4年連続の黒字決算です。マンチェスター・シティが2017-18シーズンの事業報告書をリリースしました。史上最多の106ゴールなど25のリーグ記録を塗り替え、勝ち点100に到達したぶっちぎりのプレミアリーグ制覇とリーグカップ優勝。就任2年めで2冠を達成したペップ・グアルディオラ監督のチームづくりについて、カルドゥーン・アル・ムバラク会長は「2017-18シーズンは歴史に残るだろう。信じられないほどの素晴らしいサッカーを誰もが目撃した。監督と選手、スタッフのハードワークを誇りに思う」と、手離しで称賛しています。

日本語サイトのTOPニュースは、ここまでのお知らせで終わっているのですが、英語サイトには彼らの10年の足跡をビジュアライズしてまとめた「Decade in data」へのリンクがあります。2007-08シーズンまではプレミアリーグの中堅クラブだったマン・シティは、2008年9月にアブダビ・ユナイテッド・グループ・フォー・デベロップメント・アンド・インベストメントに買収されました。このとき、レアル・マドリードからロビーニョを買ったのがトップクラブをめざす最初のアプローチ。「An era of evolution(進化の時代)」と題されたレポートに、ワールドクラスを呼び寄せて急激に強くなった躍進の足跡が記されています。

2010-11シーズンにFAカップ優勝、翌シーズンには「アグエロの93分20秒」で44年ぶりとなるリーグ制覇。資本注入からの10年で、プレミアリーグ優勝3回、FAカップ1回、リーグカップ3回と7つのメジャータイトルを制しています。ヤヤ・トゥレ、ダヴィド・シルヴァ、セルヒオ・アグエロ、ヴァンサン・コンパニ。主力に据えるべく獲得したタレントの人選は的確でした。Webサイトのページの後半には、ペップ・グアルディオラのチームが記録した数々のレコードがこれでもかと並んでおり、「イングランドにおけるUEFAランキングNo.1」「1ゴールを決めるまでにかかる時間は、143試合107ゴールのアグエロが107分で最短」と胸を張られると、深々と首を垂れるしかありません。残念ですが、認めましょう。直近の10年は、サー・アレックス・ファーガソンのチームからマン・シティとチェルシーに覇権が移った時代でした。

興味深いのは、財務データでみる10年です。2008-09シーズンの総収入は8700万ポンド。2億ポンドを超えたのは2011-12シーズンで、そこからの6年で売上は倍増しています。2008年にエティハド航空がスポンサーになり、2011年にはナイキが参入。翌年にニューヨーク・シティFCが立ち上がり、2014年には日産とパートナーシップを締結しています。メルボルン、横浜、ニューヨークをつなぐ「ワールドワイドなフットボールクラブチェーン」の後に着目したのは、中国とのリレーションシップ。シティサッカースクールは、2015年から中国教育省と連携しており、最初の3年で35万人の子どもを育成する計画となっています。2017-18シーズンにはAmazonと提携。2007-08シーズンには24社だったパートナーは54社に増え、2300万ポンドしかなかったコマーシャル収入は、2億1800万ポンド(約320億円)に増加しました。ブランド価値は、10年前の3300万ポンドから29倍となる9億5300万ポンド(約1400億円)に膨らんでいます。

インフラや世界戦略まで紹介し始めると大変なボリュームになってしまうので、昨年度の決算の範囲に話を留めます。最後に紹介したい数字は「収入における人件費比率52%」です。数年前は、選手獲得のための法外な移籍金&サラリーとダブついたスタッフの賃金で、人件費比率が100%を超えていたクラブが、よくぞここまで改善しました。ファーガソン&ヴェンゲルがプレミアリーグを席巻した時代があったため、イングランドでは長期政権がもてはやされる傾向がありましたが、これはあくまでも短期契約の更新を続けた結果論。インフラ、育成、世界的なマネタイズを視野に捉えた中長期的な経営戦略を構築しつつ、監督と選手についてはクイックに是非を判断する短期的なPDCAサイクルをまわすのが、クラブ経営のあるべき姿なのだと思います。5億ポンドですか。数年後には、お隣を抜いて世界一に躍り出るかもしれませんね…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“売上は5億ポンドを突破!マン・シティ躍進の10年を振り返る「Decade in data」がおもしろい!” への4件のフィードバック

  1. あああ より:

    今日は17/18シーズンの年次事業報告書に、プライムビデオでのALL OR NOTHING の日本語版配信といいシティ祭りですね。ここ数年のピッチ内外でのシティには驚かされるばかりで応援していて本当に楽しいです。
    たった10年でこれだけの成長を遂げたシティを見て分かるように、現代サッカーにおいてフロントと監督などの現場がポリシー、哲学を共有することは本当に重要だと思います。
    ユナイテッドが復権出来ないのは、それが出来ていないからでしょう。頻繁にモウリーニョが批判を浴びますが、同じくらいフロント陣にも責任があると私は思います。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    どれだけ頑張っても 熱いサポーターがつかないのは悲しいけど

  3. ペップの街 より:

    素晴らしい躍進の10年、そして訪れた記録づくめの17ー18シーズン。
    ボードの最大の功績はペップの招聘に成功したことでしょう。
    問題はペップの去就です。サー・アレックスやアーセンのような王国を築くのか、また次の挑戦に向かうのか。
    クライフ→ペップと受け継がれた美しいくて強いフットボールは誰に託されるのか、シャビ?それとも?

  4. C より:

    ネイマールが2億2200万ユーロで移籍して以来、わかりやすく相場が崩壊した今日の移籍市場において、金を湯水の如く使えるというのは圧倒的なアドバンテージですよね。
    しかもあれだけ使っといて何だかんだ黒字決算というのだから、もう脱帽です。

コメントを残す