FFP違反と契約違反…国内トレブル目前のマンチェスター・シティが問われる2つの疑惑!
調査の対象になっているのは、数百万ポンドに及ぶスポンサーシップ契約です。得られるメリットに対して不当に高額なフィーがマン・シティに支払われているという疑惑が取り沙汰され、元ベルギー首相のイヴ・ルテルム氏をリーダーとするUEFAのクラブ・ファイナンシャル・コントロール機関(CFCB)が設置した調査委員会が間もなく結論を出すと報じられています。プレミアリーグNo.1クラブは、「CFCBの調査に全面的に協力しており、事情通からのリークを引用したとする『ニューヨーク・タイムズ』の記事に強い懸念を抱いている」と声明を発表。「マンチェスター・シティの会計報告は完全であり、法に則っている。不正会計の告発は完全な誤りであり、CFCBに包括的な事実の証明書を提出した」と抗議しています。
真偽のジャッジは調査委員会とUEFAの裁定に委ねるしかありませんが、2019年3月1日付の「デア・シュピーゲル」の記事は具体的です。彼らと「ニューヨーク・タイムズ」がニュースソースとしたのは「フットボールリークス」でした。ドイツメディアの記事によると、マン・シティの幹部が、UEFAの監査を回避できるスペシャルスキームを考案したのは2012年。コストがオーバーした際に、UAEの国営投資会社やエティハド航空などから提供された裏金を後で支払うことで帳尻を合わせていたと伝えています。メディアは、このスキームの存在を証明するメールや内部文書が発見されていると主張しており、プレミアリーグ王者は、ピッチではめったにお目にかかれない圧倒的に不利な状況に追い込まれているように見えます。
「ニューヨーク・タイムズ」は、「UEFAがペナルティを執行できなければ、2011年以降に導入された財務ルールの公平性が意味をなさなくなる」と主張。「UEFAで財務統制に携わる何人かの職員は、個人的な見解として、われわれの仕事が歯抜けとされれば評判を傷つけられるといっている」。今回の裁定の重要度がいかに高いかが窺えるコメントです。
さらに気になるのは、「BBC」が報じているもうひとつの疑惑です。こちらを調査しているのは、FIFA、FA、プレミアリーグ。イギリスメディアは、チェルシーが咎められたのと同様にユース選手との契約において違反の疑いがあるとして、決定的な証拠が出れば補強禁止処分が下されると報じています。欧州出禁と補強ゼロのダブルを喰らうことになれば、経済的にも戦力的にも大きなビハインドを背負うことになります。2020-21シーズンだけでなく、その後のチーム作りにも影響が残るかもしれません。
あまりに重い本件に、予断をはさむことはできません。2014年に「スポンサーフィーが適正な額とはいえない」とされ、4900万ポンドの罰金を支払った前科1犯のクラブの命運はいかに。「BBC」は、今後の48時間でUEFAの裁定が下される可能性があると伝えていますが…。(エティハド・スタジアム 写真著作者/Profile)
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2012年当時ならあり得る話ですね。シティとチェルシーは金満クラブの象徴、クラブにビッグマネーが入り始めた頃は無理が通って道理が引っ込められることも多かったのではないでしょうか。
仮に欧州出禁、補強禁止となればペップの動向が気になります。
カタルーニャでの人権弾圧に抗議してイェローリボンをつけていた(いる?)ペップですが、クラブの資金源の国でも人権弾圧があるようで、ペップは言動の矛盾を批判されてます。
ドリームチームは今季が見納めなのか、とすれば残念な話です。