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収穫はサイド攻撃と若手の個人技だけ。マンチェスター・ユナイテッド、発展途上の3-1辛勝!

うーん、微妙な試合でした。インターナショナル・チャンピオンズカップの北米ラウンドで、サンノゼ・アースクエイクスを3-1で下し、連勝スタートとなったマンチェスター・ユナイテッドのお話です。中盤の軸となるファン・マタ、新加入のメンフィス・デパイ、若手有望株の筆頭アンドレアス・ペレイラが次々と決めたと書くと、プレミアリーグ開幕に向けて順調のようにみえますが、リヴァプールやマンチェスター・シティ、アーセナルの仕上がりと比べると1周半遅れといった試合内容です。2年連続で大型補強を仕掛けたマンチェスター・ユナイテッドは、2年連続で出遅れてしまうのでしょうか。期待よりも不安が高まってしまったゲームについて、ざっと振り返ってみましょう。

前半は主力中心、後半は全員入れ替えて若手中心という戦い方は、前回のクラブ・アメリカ戦と同様のオペレーションです。GKジョンストン、DFにはルーク・ショー、ダルミアン、フィル・ジョーンズ、ダレイ・ブリント。キャリックとシュナイデルランがセンターに入り、マタ、デパイ、アシュリー・ヤングが2列め。最前線にはルーニーという顔ぶれは、前戦とまったく同じでした。前半の収穫は、攻め上がりがキレキレだったルーク・ショーと、アシュリー・ヤングのコンビネーションがよりこなれてきたことと、クラブ・アメリカ戦ではおとなしかったデパイに積極性が感じられたこと。不安を感じたのは、シェア・サリナスに完全に抜かれ、失点の原因となったシュナイデルランが若干空回り気味であり、同じく新加入のダルミアンもおっかなびっくりでプレイしているようにみえることでしょうか。

チャンスはすべて、ルーク・ショー&ヤングのコンビか、マタのフィードから。32分の先制点は、左を突破したアシュリー・ヤングがマタに戻した後、デパイに合わせたマタのクロスがポストに当たって直接入ったものでしたが、背番号8が出すボールの質の高さで決まった1点でしょう。デパイの積極的なランニングが実を結んだのは、37分。ルーニーがボールを奪われた直後に、相手のパスコースを読んでインターセプトしたデパイが、GKと1対1になり冷静に右足でゴール右隅へ。中盤の押し上げが少なく、サイドからの直線的な攻撃にしか活路を見いだせなかったマン・ユナイテッドは、ラッキーな追加点でゲームを優位に進めます。

42分の失点は、左サイドのカバーに走ったシュナイデルランが抜かれてしまい、フリーでグラウンダーを中に通されたのがすべてでした。アラシェのボレーをフィル・ジョーンズはブロックできず、前半は2-1で折り返します。後半は、こちらも前戦同様にヤヌザイ、アンドレアス・ペレイラ、リンガード、ジェームズ・ウィルソン、マクネア、ブラケットといった若手がピッチに登場。シュヴァインシュタイガー、ジョニー・エヴァンス、スモーリング、アンデル・エレーラは、こちらのユニットに組み込まれています。

弛緩した45分。見せ場は61分にリンガードのクロスをアンドレアス・ペレイラが完璧なヘッドで叩いたシーンぐらいで、完全に停滞。「前半には満足している。守備組織はオーダー通りのパフォーマンスを見せ、多くのチャンスを創って2ゴールを奪えた。ただし後半の戦いぶりは非常に悪く、何度もボールを失い、ペレイラのゴールだけがハイライトだった。中盤のポジショニングは前半のようにいかなかった」とファン・ハール監督が振り返ったように、シュヴァイニーはボールをもらえる位置を探しているうちにタイムアップの笛を聞いてしまい、エレーラも機能せず。カソルラ、セスク、ヤヤ・トゥレの役割を果たす選手がいないために、攻撃が単調になり、コンビネーションでサイドを崩す攻撃にしか可能性が感じられない状態でした。

アンドレアス・ペレイラとリンガードは、今季のプレミアリーグで時折使ってほしい成長株。期待のジェームズ・ウィルソンは、彼の持ち味のひとつである縦への速さを活かすスペースを与えられず、2戦連続の沈黙に終わっています。ここまでの結果を見れば、ファン・ハール監督は、噂になっているストライカー獲得のタイミングを早めようとするかもしれません。

テストマッチは、バルセロナ、パリ・サンジェルマンとあと2試合。この2つは、本番仕様のメンバーをチョイスして戦うことになるでしょう。ルーニー、デパイ、マタ、アシュリー・ヤングはいいとして、セントラルとCBをどうするのか、ダルミアンをどうフィットさせるのかがポイントとなるでしょう。このままの状態でプレミアリーグ本番を迎えれば、開幕のトッテナム戦、4節のスウォンジー戦あたりであっさり足元をすくわれそうです。

同じ3-1の勝利ではあるものの、シンガポールでレギュラー主体のエヴァートンをものともせず完勝したアーセナルとは、雲泥の差だと思います。あちらは既に完成間近で堂々たるプレミアリーグ優勝候補、こちらは未だチャレンジャーであることは重々承知なのですが…。私はピンチと見ましたが、いかがでしょうか。プレミアリーグ開幕まで、あと16日です。

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“収穫はサイド攻撃と若手の個人技だけ。マンチェスター・ユナイテッド、発展途上の3-1辛勝!” への4件のフィードバック

  1. グローリーグローリー より:

    ハイライトでしか確認できてないのですが、各メディアの報道見る限りではあまりネガティヴな印象は受けませんだしたが、そんなに微妙でしたか?

    若手にはチャンス与えてあげてほしいですね。特にペレイラからはオーラがプンプン感じます。ペドロ獲得がメディアの飛ばしである事を願ってます笑

  2. makoto より:

    グローリーグローリーさん>
    前半の11人は初戦よりチャンスは創れていたのですが、ルーク・ショーとアシュリー・ヤング頼みな感があり、全体がよくなったという感覚はありませんでした。後半は完全に停滞してしまい、ペレイラのゴールシーン以外では単発のチャンスしかなく、シュヴァイニーは単なるつなぎ役しかできませんでした。ペレイラはいいですね。ロメロはともかく、ペドロを入れると1~2名あふれてしまうのが気になります。ペレイラ、リンガード、バレンシア、ディ・マリア…。

  3. ぷれみあふぁん より:

    補強は間違ってないと思います
    これから連携が深まれば大丈夫でしょう
    FWがルーニーしかいないのでそこを補強でければ
    そんなに悲観的にならなくてもいいのでは?

  4. makoto より:

    ぷれみあふぁんさん>
    1シーズン全体でいえば、それなりの結果は出してくれると信じているのですが、出遅れとチャンピオンズリーグのプレーオフを心配しております。

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