2022.09.21 マンチェスター・ユナイテッドの話題
過去2年のセーブ率は平凡、さらに…地元記者がダヴィド・デ・ヘアの契約延長に反対する理由。
「マンチェスター・ユナイテッドは、ダヴィド・デ・ヘアに冷酷な決断を下す必要がある」。刺激的なタイトルで、地元クラブの守護神を問題にしているのは、「マンチェスター・イブニングニュース」のスティーヴン・レールトン記者です。2011年の夏にアトレティコ・マドリードからやってきたデ・ヘアは、既に31歳。プレミアリーグで12年めを迎えています。
オールド・トラフォードの2年めに、リーグ制覇。サー・アレックス・ファーガソンのラストシーズンを知る唯一の存在です。名将が去ってから獲得したタイトルは、ヨーロッパリーグ、FAカップ、EFLカップのみ。窮地に陥ったチームを救う数々のビッグセーブは、熱狂的なサポーターたちの記憶には残っても、プレミアリーグやチャンピオンズリーグのトロフィーにはつながっていません。
彼の絶頂期は、レアル・マドリードへの移籍が破談になった2015年から、2018年のロシアワールドカップまででしょう。2015-16シーズンは、ペトル・チェフに次ぐ15回のクリーンシート。2017-18シーズンは、セーブ率80.6%とクリーンシート18回がいずれもリーグTOPです。この年に受賞した5回めのPFAベストイレブンは、最後となるかもしれません。
プレミアリーグで最高のショットストッパーと謳われたスペイン代表守護神がつまずいたのは、ワールドカップロシア大会でした。ポルトガルとの初戦で、クリスティアーノ・ロナウドが放ったシュートをキャッチミス。オンターゲット12本のうち11本を決められ、ラウンド16のロシア戦でもPKを1本も止められずに敗れ去りました。
プレミアリーグ2018-19シーズンは、トラウマを拭い去れなかった1年だったのかもしれません。モウリーニョ解任の後、スールシャールの下でプレミアリーグ10勝2分と快進撃を続けていたチームは、3月のアーセナル戦を0-2で落としたのをきっかけに大混乱に陥りました。左足のアウトにかけたジャカのミドルに対して、弾道と逆に動いてしまったGKは、エヴァートン戦でもミドルをまったく止められず、4-0惨敗の戦犯となってしまいました。
このシーズンは、セーブ率71.8%でリーグ7位。2019-20シーズンは73.6%で5位と持ち直したものの、過去2シーズンは70%を切ってしまい、17位&12位と大きく順位を落としています。凡庸な数字に留まっている守護神に対して、「マンチェスター・イブニングニュース」の記者が指摘しているのは、ブレントフォード戦の2つのミスです。
ジョシュ・ダシルヴァのシュートを後逸した後、エリクセンへのパスをイェンセンにさらわれ2失点。とりわけ厳しい評価を受けているのは、2点めにつながったパスミスです。「ワールドクラスのショットストッパーであり続けているものの、もはやワールドクラスのGKではない」といい切ったスティーヴン・レールトン記者は、「足元でボールを扱う技術で後れを取っている」と評しています。
ペップの降臨以降、GKには的確なフィードが求められるようになり、パントが多いデ・ヘアはクラシックなGKと形容されるようになりました。スールシャールがさほどこだわらなかったビルドアップをテン・ハフは重視しており、プレミアリーグ出場383試合のレジェンドは、ペップの下で3試合出場に終わったジョー・ハートと同じ運命を辿るかもしれません。
ひと頃まで、重度のデ・ヘアジャンキーだった者として、記者のいうとおりと諸手を挙げて賛同する気分にはなれません。しかし、「足元がしっかりした若いGKを獲る」といわれたとき、「デ・ヘアがいるじゃないか」といいづらいのも認めなければなりません。
マンチェスター・ユナイテッドは、1年の延長オプションを発動させるのでしょうか。今、いえるのは、「何があっても、思い出は変わらない」というひとことだけです。
オールド・トラフォードの2年めに、リーグ制覇。サー・アレックス・ファーガソンのラストシーズンを知る唯一の存在です。名将が去ってから獲得したタイトルは、ヨーロッパリーグ、FAカップ、EFLカップのみ。窮地に陥ったチームを救う数々のビッグセーブは、熱狂的なサポーターたちの記憶には残っても、プレミアリーグやチャンピオンズリーグのトロフィーにはつながっていません。
彼の絶頂期は、レアル・マドリードへの移籍が破談になった2015年から、2018年のロシアワールドカップまででしょう。2015-16シーズンは、ペトル・チェフに次ぐ15回のクリーンシート。2017-18シーズンは、セーブ率80.6%とクリーンシート18回がいずれもリーグTOPです。この年に受賞した5回めのPFAベストイレブンは、最後となるかもしれません。
プレミアリーグで最高のショットストッパーと謳われたスペイン代表守護神がつまずいたのは、ワールドカップロシア大会でした。ポルトガルとの初戦で、クリスティアーノ・ロナウドが放ったシュートをキャッチミス。オンターゲット12本のうち11本を決められ、ラウンド16のロシア戦でもPKを1本も止められずに敗れ去りました。
プレミアリーグ2018-19シーズンは、トラウマを拭い去れなかった1年だったのかもしれません。モウリーニョ解任の後、スールシャールの下でプレミアリーグ10勝2分と快進撃を続けていたチームは、3月のアーセナル戦を0-2で落としたのをきっかけに大混乱に陥りました。左足のアウトにかけたジャカのミドルに対して、弾道と逆に動いてしまったGKは、エヴァートン戦でもミドルをまったく止められず、4-0惨敗の戦犯となってしまいました。
このシーズンは、セーブ率71.8%でリーグ7位。2019-20シーズンは73.6%で5位と持ち直したものの、過去2シーズンは70%を切ってしまい、17位&12位と大きく順位を落としています。凡庸な数字に留まっている守護神に対して、「マンチェスター・イブニングニュース」の記者が指摘しているのは、ブレントフォード戦の2つのミスです。
ジョシュ・ダシルヴァのシュートを後逸した後、エリクセンへのパスをイェンセンにさらわれ2失点。とりわけ厳しい評価を受けているのは、2点めにつながったパスミスです。「ワールドクラスのショットストッパーであり続けているものの、もはやワールドクラスのGKではない」といい切ったスティーヴン・レールトン記者は、「足元でボールを扱う技術で後れを取っている」と評しています。
ペップの降臨以降、GKには的確なフィードが求められるようになり、パントが多いデ・ヘアはクラシックなGKと形容されるようになりました。スールシャールがさほどこだわらなかったビルドアップをテン・ハフは重視しており、プレミアリーグ出場383試合のレジェンドは、ペップの下で3試合出場に終わったジョー・ハートと同じ運命を辿るかもしれません。
ひと頃まで、重度のデ・ヘアジャンキーだった者として、記者のいうとおりと諸手を挙げて賛同する気分にはなれません。しかし、「足元がしっかりした若いGKを獲る」といわれたとき、「デ・ヘアがいるじゃないか」といいづらいのも認めなければなりません。
マンチェスター・ユナイテッドは、1年の延長オプションを発動させるのでしょうか。今、いえるのは、「何があっても、思い出は変わらない」というひとことだけです。
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