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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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不可避だった決裂。クリスティアーノ・ロナウドのクラブ批判に対する評論家たちの言葉。

「監督だけじゃなく、クラブの周辺にいる2~3人にもね。そう、裏切られたと思った。今年だけでなく去年も、僕を必要としていない人たちがいるように感じたんだ」

「何が起こっているのかわからない。サー・アレックス・ファーガソンが去ってから、このクラブに進化を感じなかった。進歩はゼロだ」

「彼(エリック・テン・ハフ)に対する敬意はない。僕に敬意を払わないからね。あなたが僕をリスペクトしていなければ、僕があなたをリスペクトすることはないだろう」

ガルナチョの劇的な決勝ゴールで、フラムを1-2で下した夜。プレミアリーグの前半戦の総括を求められたテン・ハフ監督は、「われわれは今、団結している」と答えています。「ドレッシングルームでも、スタッフとも。クラブ全体、そしてファンとも一体となっている」。指揮官のコメントを紹介した「BBC」のサイモン・ストーン記者は、その夜の別なニュースについて、こう表現しています。

「同じ時間に、ユナイテッドのスタッフたちは、一体感が全員を含むものではないことを思い知らされていた」

「そのときも今も、クリスティアーノ・ロナウドが自分たちに向けて放った攻撃の全容を、彼らは知らない。状況が変わらなければ、週給50万ポンドを支払っている選手に対するピアース・モーガンのインタビューのテレビ放映を、他のみんなと一緒に待たなければならない」

プレミアリーグ15節のアストン・ヴィラ戦を3-1で落とした後、詳細不明の病気で欠場と報じられていたクリスティアーノ・ロナウドは、後戻りできないクラブ批判を敢行しました。2夜にわたってテレビで放映される90分のインタビューの内容を「ザ・サン」が抜粋すると、評論家たちはこぞってその振舞いを非難しています。

「このインタビューまで、私は彼を擁護していた。でも、クリスティアーノとマンチェスター・ユナイテッドとの恋愛は、もう終わっているように見える。戻る道はないと思う。クラブが彼を連れ戻すとは思えないし、彼も戻りたいとは思っていない。これはすべて、そのために作られたものだ」(リオ・ファーディナンド)

「ロナウドはテン・ハフの下で再びプレイすることはできない。マンチェスター・ユナイテッドで再びプレイすることはない。テン・ハフにとっては、いいことかもしれない。このインタビューは全く必要ないものだ。彼のレガシーを傷つけてしまった」(クリス・サットン)

「今週中に終わらせるか、ワールドカップの間に休戦協定を結んでから終わらせるか。これは、終わらせなければならない。マンチェスター・ユナイテッドのファンのなかで、ロナウドをスタメンで起用する人は少ないだろう。ロナウドがいないほうが多くのゴールを決め、より多くのポイントを獲得している。エリック・テン・ハフに他の選択肢はなかった」(ガリー・ネビル)

「彼はクビになりたがっている、それは明らかだ。マンチェスター・ユナイテッドとエリック・テン・ハフを軽視している。彼は今、クビにされるか、フリーで去ることを許されようとしているのだろう。出て行く方法は、それしかないからね」(ジェイミー・キャラガー)

「トンネルを歩く姿など、シーズンを通じて小心者であることばかりが目立っていた」(ジャーメイン・ジェナス)

「不満を抱いていたんだと思うけど。嘘をつかれたのか、何なのか、いずれにしても今日の話は正しくないだろう。このままでは、クラブを去るしかない。正直、とても残念だ。何も証明するものがないのに、なぜ自分の主張を通そうとするのか理解できない。彼の自尊心が傷ついたのかもしれないね」(ジャーメイン・デフォー)

夏に移籍志願した選手に納得できるオファーはなく、モチベーションが低いままでシーズンに突入。プレイの質が上がらなければ、ベンチにいる時間が長くなるのは避けられず、途中出場を命じられるたびにプライドが削られていく…。不可避だった決裂。マンチェスター・ユナイテッドのスタッツを見ると、今季の彼をうまく起用するのがいかに難しかったかがよくわかります。

ロナウドを先発起用した4試合は1勝1分2敗。サブあるいは欠場の10試合は7勝1分2敗。1試合あたりの獲得ポイントは1.0対2.2、ゴール数は0.5対1.8、失点は1.8対1.3と対照的な数字が示されています。

プレースタイルも二極化。「スカイスポーツ」がまとめたレーダーチャートを見ると、彼がスターターではなかった試合は、ファーストブレイク、ゴールの期待値、オンターゲット、ファイナルサードでのプレッシングはトップレベルで、1試合あたりのクロスは10本に留まっています。

しかし、ロナウドが最前線に入ると、これらの数字はすべて激減。ターゲットマンに決めさせるための精度の低いクロスが倍増し、得点力を落とす元凶となっています。加えて、運動量も減少。4-0で敗れたブレントフォード戦は95.5kmしか走っておらず、これより少ないのは、ニューカッスル戦のフラムとエヴァートン戦のクリスタルパレスだけです。

2度めの先発となったニューカッスル戦は、2番めに少ない101.5km。前線で消える時間が長い7番は、72分の出場で7.3kmに終わっています。先発した試合とそうでない試合は4kmという大きなギャップがあり、スーパーサブとして機能させようとした指揮官の采配が間違っているとはいえません。

これ以上、何かの是非を問わなくてもいいでしょう。フラム戦を終えた後の指揮官の言葉と、今回の件を受けてクラブが発したステートメントに、小さくうなずくだけです。

「事実関係を完全に確認した後、対応を検討します。われわれは、シーズン後半戦に向けての準備と、選手、監督、スタッフ、ファンの間で築いた勢い、信念、一体感を継続させることにフォーカスしています」


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“不可避だった決裂。クリスティアーノ・ロナウドのクラブ批判に対する評論家たちの言葉。” への1件のコメント

  1. グーナーです より:

    自分はグーナーです。
    仮にですが、ティエリ・アンリがロナウドと同様の言葉を口にしたら。
    あるいはエジルが、あるいはサンチェスが。

    いずれも完璧な形でのクラブの去り方だったとは思いませんが、それでも今もリバプール戦に勝った後のエジルはSNSで喜びのコメントを出してくれるし、サンチェスはスパーズ戦前に「スパーズ相手に負けられないね」と言ってくれます。
    その言葉があるだけで、今も彼らの試合を追いかけた日々の思い出は素晴らしかったと思っています。

    世界最強のFWとして永遠に記憶されるべきロナウドが、ファンにとって苦々しいものになるのは切ない気持ちになります。
    何か別の出口はなかったのでしょうか。

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