2023.10.11 マンチェスター・ユナイテッドの話題
オナナはなぜ、キャッチミスを犯したのか?現地メディアが2つのテクニカルな問題をレポート!
公式戦5勝6敗、プレミアリーグ4勝4敗。唯一、快勝といえるのはカラバオカップのクリスタル・パレス戦のみ。オドソンヌ・エドゥアール、エゼ、グエイ、ヨアキム・アンデルセンを欠いたチームには3-0で勝ったものの、直後のオールド・トラフォードで主力が戻ってくると、0-1で敗れています。今のマンチェスター・ユナイテッドは、胸を張って勝てるといえる相手がいないチームです。
先週末のブレントフォード戦の最終ラインは、ダロト、マグワイア、ジョニー・エヴァンス、リンデロフ。レギュラーがひとりもいない布陣で、1失点は健闘といえるでしょう。問題は、その失点です。自陣で奪われたカゼミ―ロ、クリアをカゼミーロにぶつけたリンデロフもさることながら、イェンセンのシュートを後ろに逸らしたオナナが痛恨でした。
CLのバイエルン戦でもレロイ・サネのシュートをキャッチミスしたオナナは、ガラタサライ戦ではカゼミーロへのパスをメルテンスにカットされ、MFのレッドカードとPKという最悪の結果を招いてしまいました。昨季のインテルのゴールマウスに君臨した守護神と、デ・ヘアの後を継いだ凡庸なGKは別人のようです。
2022-23シーズンのオナナは、公式戦41試合で36失点。チャンピオンズリーグの13試合のうち、8試合でクリーンシートを達成しています。「アスレティック」のマット・ピズドロウスキー記者によると、欧州でのオナナはゴールの期待値(xG)17.8に対して、10ゴールしか許しておらず、決定的なショットストップ7.8は大会No.1でした。
今季プレミアリーグのセーブ率68.4%は11位。クリーンシートは、ウルヴス戦とバーンリー戦のみです。不振に陥っているGKについて、前述の記者は2つのテクニカルな問題を指摘しています。ひとつは「早すぎる倒れ込み」、もうひとつは「ネガティブステップ」です。
ノッティンガム・フォレスト戦の2分にアウォニイに独走された失点は、1対1でコースを切るのがうまいアリソンなら防いでいたかもしれません。ストライカーがボックスに入ってもオナナは前に出ず、打たれる前に腰から崩れ落ちてしまったため、イージーなフィニッシュが右隅に決まりました。
チャンピオンズリーグのガラタサライ戦で2-2からイカルディに決められたシーンも、チップキックが頭上に来る前に膝をついています。CLファイナルのマンチェスター・シティ戦でハーランドやフォーデンと対峙したとき、ぎりぎりまで動かなかった守護神は、同じマインドでピッチに立てていないのではないでしょうか。
2つめのネガティブステップのほうは、説明が必要でしょう。ニック・ポープとの違いを画像を使って解説している「アスレティック」の記事がわかりやすいのですが、オナナは他のGKよりも構えたときの両足の幅が広く、ダイビングキャッチではステップする瞬間のパワーとタイミングがより重要となります。
イェンセンのシュートを例にとって解説しましょう。一般的なGKは足を狭めて待っており、右に飛んできたボールに対して軽く右足を外に出し、横から手を伸ばして外に弾き出します。あのときのオナナは一瞬左に動いたため、対応が遅れました。右にシュートが飛んだ瞬間、軸足となる左足のほうに右足を払うように倒れ、上から右手を下ろしています。
これが、ネガティブステップ。メリットは、ステップを省くので素早くボールにいけることで、デメリットはタイミングを間違えると無様な後逸となることです。横から手を出せば、確実に外に出せるのですが、オナナは上から叩くように触れたため、ボールはグローブの下をすり抜けてしまいました。バイエルン戦のレロイ・サネのシュートでもリアクションが遅れ、上から振り下ろした左手の下からこぼれています。
身体能力の高さを活かし、足を開いて構えるようになったGKは、シュートに対応するタイミングを間違えなかったインテルでは高い評価を受けていました。しかし今は、焦りがあるのでしょう。1対1でガマンできずに先に動いてしまったり、シュートをこぼしてしまったりするのは、冷静さを欠いているからだと思われます。
「アスレティック」の記者は、マンチェスター・ユナイテッドのゴールマウスというプレッシャーがかかる場にいるニューフェイスを思いやりながら、「多くのことをしようとせず、基本に立ち返り、自己主張をやめて試合に身を任せればいい」とアドバイスしています。インターナショナルブレイクは、リフレッシュの機会になるでしょうか。こちらも気持ちを切り替えて、もう一度、彼を信じたいと思います。
先週末のブレントフォード戦の最終ラインは、ダロト、マグワイア、ジョニー・エヴァンス、リンデロフ。レギュラーがひとりもいない布陣で、1失点は健闘といえるでしょう。問題は、その失点です。自陣で奪われたカゼミ―ロ、クリアをカゼミーロにぶつけたリンデロフもさることながら、イェンセンのシュートを後ろに逸らしたオナナが痛恨でした。
CLのバイエルン戦でもレロイ・サネのシュートをキャッチミスしたオナナは、ガラタサライ戦ではカゼミーロへのパスをメルテンスにカットされ、MFのレッドカードとPKという最悪の結果を招いてしまいました。昨季のインテルのゴールマウスに君臨した守護神と、デ・ヘアの後を継いだ凡庸なGKは別人のようです。
2022-23シーズンのオナナは、公式戦41試合で36失点。チャンピオンズリーグの13試合のうち、8試合でクリーンシートを達成しています。「アスレティック」のマット・ピズドロウスキー記者によると、欧州でのオナナはゴールの期待値(xG)17.8に対して、10ゴールしか許しておらず、決定的なショットストップ7.8は大会No.1でした。
今季プレミアリーグのセーブ率68.4%は11位。クリーンシートは、ウルヴス戦とバーンリー戦のみです。不振に陥っているGKについて、前述の記者は2つのテクニカルな問題を指摘しています。ひとつは「早すぎる倒れ込み」、もうひとつは「ネガティブステップ」です。
ノッティンガム・フォレスト戦の2分にアウォニイに独走された失点は、1対1でコースを切るのがうまいアリソンなら防いでいたかもしれません。ストライカーがボックスに入ってもオナナは前に出ず、打たれる前に腰から崩れ落ちてしまったため、イージーなフィニッシュが右隅に決まりました。
チャンピオンズリーグのガラタサライ戦で2-2からイカルディに決められたシーンも、チップキックが頭上に来る前に膝をついています。CLファイナルのマンチェスター・シティ戦でハーランドやフォーデンと対峙したとき、ぎりぎりまで動かなかった守護神は、同じマインドでピッチに立てていないのではないでしょうか。
2つめのネガティブステップのほうは、説明が必要でしょう。ニック・ポープとの違いを画像を使って解説している「アスレティック」の記事がわかりやすいのですが、オナナは他のGKよりも構えたときの両足の幅が広く、ダイビングキャッチではステップする瞬間のパワーとタイミングがより重要となります。
イェンセンのシュートを例にとって解説しましょう。一般的なGKは足を狭めて待っており、右に飛んできたボールに対して軽く右足を外に出し、横から手を伸ばして外に弾き出します。あのときのオナナは一瞬左に動いたため、対応が遅れました。右にシュートが飛んだ瞬間、軸足となる左足のほうに右足を払うように倒れ、上から右手を下ろしています。
これが、ネガティブステップ。メリットは、ステップを省くので素早くボールにいけることで、デメリットはタイミングを間違えると無様な後逸となることです。横から手を出せば、確実に外に出せるのですが、オナナは上から叩くように触れたため、ボールはグローブの下をすり抜けてしまいました。バイエルン戦のレロイ・サネのシュートでもリアクションが遅れ、上から振り下ろした左手の下からこぼれています。
身体能力の高さを活かし、足を開いて構えるようになったGKは、シュートに対応するタイミングを間違えなかったインテルでは高い評価を受けていました。しかし今は、焦りがあるのでしょう。1対1でガマンできずに先に動いてしまったり、シュートをこぼしてしまったりするのは、冷静さを欠いているからだと思われます。
「アスレティック」の記者は、マンチェスター・ユナイテッドのゴールマウスというプレッシャーがかかる場にいるニューフェイスを思いやりながら、「多くのことをしようとせず、基本に立ち返り、自己主張をやめて試合に身を任せればいい」とアドバイスしています。インターナショナルブレイクは、リフレッシュの機会になるでしょうか。こちらも気持ちを切り替えて、もう一度、彼を信じたいと思います。
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とても分かりやすいご説明をありがとうございます。
さすがキーパー経験者ですね。
自信を取り戻し本来のオナナが早く見たいです。