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マンチェスター・ユナイテッド担当の記者が語る「ラファエル・ヴァランの序列が下がった理由」

オールド・トラフォードのマンチェスターダービーで、CBはマグワイアとジョニー・エヴァンスとアナウンスされたとき、一瞬言葉を失いました。右はラファエル・ヴァランじゃないのか?前週のシェフィールド・ユナイテッド戦で、最後の6分だけプレイしたのは、ペップとの対決を見据えた策と思っていました。

6-3で敗れた昨季のエティハドで、ハーランドにやられた残像が消えないのか。あるいはコンディションが上がらないのか。夏に放出候補だったマグワイアと、レスターとの契約が終わって浪人中だったジョニー・エヴァンスのコンビとは…。ハーランドを止められず、当然のように0-3完敗。ヴァランは最後までベンチに座って戦況を見つめていました。

今季プレミアリーグで先発4試合、途中出場4試合。レアル・マドリードで18のトロフィーを獲得したワールドクラスのCBが、3年めを迎えたクラブで居場所を失っています。リサンドロ・マルティネスの代役として、左足を使えて前線にボールを出せるジョニー・エヴァンスを起用するのは理解できるとしても、右でマグワイアのサブという扱いを疑問に思う人もいるでしょう。

Why is Raphael Varane so far down Manchester United’s defensive pecking order?(ラファエル・ヴァランはなぜ、マンチェスター・ユナイテッドの守備陣で序列を大きく下げているのか?)」。赤いシャツをこよなく愛する「アスレティック」のカール・アンカ記者は、オナナの存在が大きいといっています。

テン・ハフの思惑を伝える記事は、左右のCBを分けてそれぞれの序列を整理しています。大前提は、「マン・ユナイテッドのボスは右利きのCBを左に配するのを好まない」。以前のインタビューで、「左利き、あるいは両足を使えるCBなら、パスのアングルを広く取れるうえに、戻りながら守る際の足の出し方もスムーズになる」という趣旨の発言をしています。

ガブリエウとキヴィオルを手元に置いているアルテタ監督と、ナタン・アケとグヴァルディオルを起用するペップも同じ考え方でしょう。ビルドアップからの左足のフィードを重視する指揮官は、リサンドロ・マルティネスに続くCBについて、ジョニー・エヴァンス、ルーク・ショー、両足が使えるリンデロフという順で起用する意向のようです。

左では構想外のヴァランは、右のCBのポジションをマグワイアやリンデロフと争うことになります。マン・ユナイテッド担当の記者は、こちらで序列が下がっている理由を「パスワークが保守的でショート偏重のため、ビルドアップの際にプレスのトリガーにされている」とレポートしています。

ロドリやカイセドのように、囲まれてもうまくさばいてくれるMFがいればいいのですが、ボールロストが増えたカゼミーロにさほどの強さはありません。ロングパントが多かったデ・ヘアなら、ヴァランのパスは気にならなかったのですが、オナナを獲得してビルドアップの質を高めようとすると、体勢が悪いSBやMFに出して追い込まれるシーンが問題視されるのもわかります。

ライバルのマグワイアは、ハル・シティ時代に3バックの右からドリブルでオーバーラップしていた選手です。空中戦の強さとモチベーションも評価して、彼を起用するという策をNGとはいえません。ヴァランはこのままサブとしてシーズンを終え、夏にクラブを去ってしまうのでしょうか。レギュラーとして起用すれば、最も失点を抑えられる存在だと思うのですが…。

「アスレティック」の記事は、「12月にルーク・ショーが復帰して左サイドの展開がスムーズになり、プレッシャーを受けてもレシーブとパスができるメイソン・マウントが右に定着すれば、選択肢は変わるかもしれない」と結んでいます。マンマークと守備範囲の広さを強みとするCBが復活し、上位進出をめざせるようになればと切に願っております。(ラファエル・ヴァラン 写真著作者/Ardfern)


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