開始4分の衝撃!イブラヒモヴィッチ、母国スウェーデンで豪快な自己紹介ボレー!
その瞬間は、キックオフから3分10秒でした。右サイドから上がったバレンシアのクロス。ジャンピングボレーをゴール右隅に叩き込んだのは、ズラタン・イブラヒモヴィッチ!浮き球を的確にミートした一撃に、体を寄せたリネスは無力でした。衝撃的な自己紹介は、母国のファンはもちろん、プレミアリーグ優勝を夢見るマンチェスター・ユナイテッドサポーターと、若いチームメイトの心を一発でわしづかみにしたのではないでしょうか。このゴールは、決めた選手だけでなく、出したほうもほめないといけません。他の選手がプレシーズンマッチで調整しているなかで、アントニオ・バレンシアは、ひとりだけプレミアリーグの本番を戦っているかのような別世界の出来でした。
チェルシー時代のモウリーニョ監督なら、あるいは昨季プレミアリーグで最少失点だった「守備的ポゼッションサッカー」のファン・ハール監督でも、ここから守備を落ち着かせてリードしたまま前半を終えていたでしょう。しかし22分、右からのFKをギュミュシュにヘッドで決められると、41分にはワンツーで簡単にフリーになったブルマに左から美しいシュートを決められてしまいます。FKのシーンは、手前にいたイブラヒモヴィッチがカットしなければならず、ワンツーについていかなかったエレーラは、同じようなプレイを繰り返せばライバルにポジションを奪われてしまいます。1-2で終わった前半は、モウリーニョ監督の守備戦術がチームに浸透しきっていないことを露呈しました。初コンビのCBよりも、セントラルMFのスペースの埋め方、パスコースの切り方のほうにより不満が残る45分でした。
チームを構築している最中のゲームですので、勝敗にはさほどこだわらなくていいのですが、そうはいっても気持ちよく勝って新シーズンを迎えたいものです。昨季のプレミアリーグで1ゴール以下に終わった試合が25もあったチームにとっては、こうすれば決まるんだという手応えのあるゴールがほしいところ。後半頭からピッチに登場したのはラシュフォード、キャリック、リンガード、アシュリー・ヤング、フェライニ。マンチェスター・ユナイテッドが追いついたのは52分でした。ワンツーでバレンシアをフリーにしたのはリンガード。ゴールライン際からのクロスは難しいボールでしたが、ウェイン・ルーニーが苦もなくインサイドに当ててコースを変え、GKムスレラの脇を破りました。
57分、今度はルーニーがお膳立てにまわります。ラインの裏に出たボールに追いつき、アジズをあっさり抜き去ったラシュフォードは、守護神ムスレラまでかわしにいったところを倒されてPK。ルーニーがこれを冷静に蹴り込み、マンチェスター・ユナイテッドが再度1点リードです。リンガードとラシュフォードの活躍には、サポーターは熱くなります。彼らの成長によって、モウリーニョ監督がレギュラーを固定できなくなれば、プレミアリーグ、国内カップ、ヨーロッパリーグの変則トレブルまで視野に入ってきます。62分、バレンシアがファーに上げたクロスをフェライニがヘッドで逆サイドに沈め、4-2。68分にダルミアン、マタ、デパイ、フイル・ジョーンズ、キャリックが入ると、75分に試合を締めてくれたのはマタでした。
中盤での短いパスのやりとりから、シェジュを軽快なタッチでかわした8番が右に落とすと、完璧なグラウンダーを中に通したのはキャリック。ゴール前に走り込んだマタが左足で合わせて枠に流し込むと、すぐ後ろにいたデパイが複雑な表情で喜んでいます。結局5-2、モウリーニョ監督と選手たちにとっては、収穫の多いゲームだったと思います。
最初と最後が最高だったゲーム。イブラヒモヴィッチの豪快なゴール、マタの軽快なプレイにテンションが上がりました。右サイド偏重ながらも攻撃には期待できる一方で、守備には不安が残りました。この時期は、ハードなマークやスライディングをしないのは理解しつつも、少人数の崩しに対するチェックが曖昧になるシーンが目立ち、セントラルMFとCBのポジショニングとマークの受け渡しは改善しなければなりません。このままプレミアリーグが始まると、神様デヘア様主催の失点2割引キャンペーンを頼らなければなりません。最終的に中央のレギュラーになるのは誰でしょうか。引き続き、モウリーニョ監督のチームづくりに注目してまいります。
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イブラヒモビッチのゴールはすごいですね
個人的にはラッシュフォードが期待できそう
まだ10代ですがスタメンで使う価値があるでしょう
シティふぁんさん>
ラシュフォードの素晴らしさをあらためて実感した試合でもありました。2トップもおもしろそうです。