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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

チェルシー戦はベンチスタート…無気力なプレイを非難されたラシュフォードに思うこと。

シュート数28対13、オンターゲット9対3。プレミアリーグ15節のチェルシー戦は、今季のマンチェスター・ユナイテッドのベストバウトといっていいでしょう。ポゼッションは45%対55%、パス本数は397対512。押されながらもカウンターで勝ち切ったような数字ですが、敵陣でのスタッツを見ると、ホームチームが攻め続けたゲームだったことがわかります。

相手のサイドでのパス本数は175対146、ボックス内でのタッチ数は41対20。チェルシーのビルドアップのミスを誘い、幾度となくショートカウンターを仕掛けたマンチェスター・ユナイテッドは、最後まで集中力を切らさず戦い抜きました。特筆すべきは、アカデミー出身の2人です。ガルナチョはシュート8本と1アシスト、マクトミネイは7本のうち2本をネットに突き刺しました。

マクトミネイの先制ゴールのきっかけとなったのは、ガルナチョのグラウンダーをダイレクトで叩いたマグワイア。チームの士気を高める貴重なゴールを決めたのは、夏に放出候補と報じられていたコンビでした。この日のピッチにいたのは、「マンチェスター・ユナイテッドで戦いたい」「トロフィーを獲得したい」という意欲が高い選手ばかりです。

アントニー、オナナ、ホイルンドはテン・ハフに請われて加わっており、アカデミー出身のガルナチョとマクトミネイはハングリーです。ブルーノ・フェルナンデスとアムラバトは、マンチェスター・ユナイテッドを「夢のクラブ」と表現し、オファーを待ち焦がれていました。難敵に勝てた最大の要因は、グループとしての高いモチベーションだったのではないでしょうか。

「先週、われわれは3試合を戦ったのに、誰もがニューカッスル戦のことばかり話している」。選手たちとの確執など、ネガティブな報道に不満を漏らしていたテン・ハフ監督は、「ドレッシングルームに問題はない」「チームは団結している」という自らの言葉を証明することができました。カゼミーロとヴァランが不在で、マルシアルと彼をベンチに下げた一戦で。

「マーカス・ラシュフォードが監督と不仲なのか、チームメイトの何人かと対立しているのか、あるいは自分がプレイしているポジションが気に入らないのかはわからない。しかし、ニューカッスルに敗れた土曜日のゲームを見れば、そこに不満を抱いている選手がいたことはわかる」(アラン・シアラー)

セント・ジェームズ・パークでの無気力なプレイを非難された10番は、最高の自分を取り戻せるでしょうか。思い出すのは4年前。ジョゼ・モウリーニョの下で力を発揮できていなかったラシュフォードは、スールシャールが就任するとプレミアリーグ8戦6発2アシストとブレイク。翌シーズンは、31戦17ゴール9アシストというキャリアハイの数字を叩き出しました。

ウェイン・ルーニーの後継者として、マンチェスターでもイングランド代表でもエースになるかと思いきや、前線の3つのポジションをまわされる起用法によって迷いが生じ、2021-22シーズンのプレミアリーグは25試合4ゴール2アシスト。テン・ハフのモチベートによって表情が変わった昨季は、ワールドカップの後に19戦17発という無双状態に突入したのですが…。

最初の10試合で1ゴール2アシストという絶不調に陥った10番は、右ウイングにまわされた直近の3試合で、2年前のトラウマを呼び起こしてしまったのでしょうか。しかし今回の問題はシンプルで、結果を出せばいいだけです。不振でも左サイドで起用し続けた現在の指揮官は、ハイパフォーマンスの次の試合にポジションを変えるスールシャールのようなことはしないでしょう。

とどのつまりは、彼自身の問題です。ボスに対する不満で自らを崩す日々を繰り返すのか、自分の強みを再確認して真摯に戦う姿勢を見せるのか。10月末に首位トッテナムと11ポイント差の8位だったマンチェスター・ユナイテッドは、6週間で彼らと並び、4位マンチェスター・シティと3ポイント差という好ポジションを得ています。この世界は、2ヵ月もあれば変わるのです。

あの頃の感触を思い出せれば、年明けにはやはりエースと称賛される日々を送っているかもしれません。そんな未来を実現するためにも、全力で戦ってほしい。たとえゴールを決められなくても、「必死に守っていた」「一番走っていた」といわれるようなプレイを見せてほしい。今はただ、息を詰めてゴールを決めてくれるのを見守るのみです。


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