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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

総額880億円!2冠達成のマンチェスター・ユナイテッドの2016-17シーズンの収入は史上最高額!

2016-17シーズンは成功だった。3つのトロフィーを獲得して、チャンピオンズリーグ復帰を決めた。スカッドへの投資には満足しており、エキサイティングなシーズンを楽しみにしている」。マンチェスター・ユナイテッドのヴァイスチェアマン、エド・ウッドワードのコメントを紹介したのは、イギリスメディア「BBC」。ビル・ウィルソン記者は、プレミアリーグで6位だったクラブの年間収入は、5億8100万ポンド(約877億円)という史上最高額だったと伝えています。フットボールクラブにおける収入の3本柱は、「テレビ放映映権料」「マッチデー収入」「コマーシャル収入(スポンサー&コンテンツ収入)」ですが、プレミアリーグで最も稼いでいるクラブの羽振りのよさをカテゴリごとに紹介しましょう。

最も増加したのは、プレミアリーグの全クラブが恩恵を受けているテレビ放映権料です。新しい巨額な契約が始まった2016-17シーズンの終わりに、マンチェスター・ユナイテッドに配分された額は1億9400万ポンド(約293億円)。1年前の1億4000万ポンド(約211億円)から38%の増収です。「BBC」は、マンチェスター・ユナイテッドのテレビ放映権料の増加について、「5月のストックホルムでアヤックスを倒したこと」も理由のひとつとしています。クラブ初のヨーロッパリーグ制覇は、チャンピオンズリーグ復帰をもたらしただけでなく、テレビ放映数増加による収入UPにも寄与しています。

プレミアリーグのライバルクラブに対して、マンチェスター・ユナイテッドが強いのはコマーシャル収入です。昨季1年で増えたスポンサーは、グローバルスポンサードパートナーシップ9社と、地域スポンサー、ファイナンシャルサービス、MUTVパートナーがそれぞれ1社ずつ。2億7550万ポンド(約416億円)となったスポンサーフィーは対前年で2.7%増となりました。デジタルアウトプット(モバイルコンテンツなど)の領域は15%の売上減少となったものの、近年急激に売上を伸ばしてきたリテール&アパレル、プロダクトライセンスが軒並み増えています。

オールド・トラフォードのシーズンチケットやメガストアの売上をカウントするマッチデー収入が4.7%の増収となったのは、カップ戦優勝を重ねてホームゲームが増えたからです。FAカップを制したファン・ハール監督の後を継いだジョゼ・モウリーニョ監督は、ヨーロッパリーグとEFLカップを勝ち切ることでクラブの収入増加にも貢献しました。

一方、コストを見ると、増えているのは選手たちへのサラリーです。ズラタン、ポグバ、ムヒタリアン、バイリーを獲得したことによって、支払い総額は14%UP。新シーズンもルカク、リンデロフ、マティッチのサラリーが乗っかってきていますが、プレミアリーグNo.1だったウェイン・ルーニーがエヴァートンに移籍したために、さほど増えないのではないかと思われます。営業費用総額は5億1130万ポンド(約772億円)に膨らんでおり、前年より17.1%の増加となっています。すべて締めると、純負債が4780万ポンド圧縮されて2億1310万ポンド(約322億円)。プレミアリーグで順位を落としたものの、ピッチの上も金庫の中も実りある1年だったといえるでしょう。

今回紹介した数字を前年と比較してみたい方、詳細を確認したい方は、「Business Wire」を見ていただくのがいいでしょう。「マンチェスター・ユナイテッドのコマーシャル収入は、マッチデイの2.5倍もあるのか!」など、収益の柱とそれぞれの規模感がつかめる興味深いレポートです。

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