2026.09.12 マンチェスター・ユナイテッドの話題
現地記者がレポート!「マンチェスター・ユナイテッドの投資はバランスが悪い」
2026年の夏の補強は、ブライトンで不振に陥っていたカルロス・バレバ、チェルシーの中盤でバックアッパーとなっていたアンドレイ・サントス、実はお買い得だったユーリ・ティーレマンス。総額1億6300万ポンドの強化は、堅実かつコスパ良好という好意的な評価より、「ヤングスターをことごとく獲り逃し、左SBという課題が残った」と懸念する声のほうが多いようです。
エリオット・アンダーソン、マテウス・フェルナンデスなどの争奪戦で早期に撤退したのは、移籍金の相場の高騰に異を唱えたわけではなく、単に予算がなかったからでしょう。2022年からの5シーズンで10億ポンド以上を投資した唯一のクラブは、余剰戦略の売却がうまくいかず、純支出額は7億6950万ポンドに膨らんでしまいました。こちらもチェルシーを上回るワーストです。
「スカイスポーツ」の記者たちがバランスを指摘したのは、ここ2年の補強が特定のポジション集中していたからです。2025年は、エンベウモ、マテウス・クーニャ、シェシュコら前線の強化にシフト。今年の夏は、中盤センターに特化しました。左のフルバックまでカバーできなかった最大の理由は、売却候補だったラシュフォード、ウガルテ、ザークツィーの残留でしょう。
冒頭で挙げたDFの市場価値は、昨年までダニエル・レヴィがいたスパーズよりも低く、ビッグ6の最下位だそうです。エヴァートン戦で最終ラインに並んだルーク・ショー、リサンドロ・マルティネス、ハリー・マグワイア、ディオゴ・ダロトは2022年のエリック・テン・ハフの初陣と同じ顔ぶれでした。過去5年で、5000万ポンド以上を投じたDFはレニー・ヨロだけです。
5年前もプレミアリーグに所属していた16クラブについて、2022-23シーズンの開幕戦と最新の試合を比較すると、マンチェスター・ユナイテッドの選手の残留率54.5%はぶっちぎりのTOP。アーセナルの36.4%を大きく引き離しています。放漫経営と補強の失敗が続いていたら、スパーズが回避した最悪の事態を甘受するしかなくなっていたかもしれません。
2024年2月に共同オーナーになったサー・ジム・ラトクリフは何かと批判されていますが、崩壊寸前だった財政を立て直した救世主と評するべきでしょう。昨シーズンのマイケル・キャリックの躍進は、プレミアリーグ史上最少のシーズン40試合という状況のなかで実現したことです。チャンピオンズリーグに復帰した今季は、60試合に増える可能性があります。
中盤センターとGKしか補強していないチームは、シェシュコが不在の際はサイドから代役を寄せるしかなく、ブルーノ・フェルナンデスが長期離脱となったらアウトです。はっきりいいましょう。われわれは、国内と欧州を両立できる選手層を確保できていません。マイケル・キャリックは、若手をブレイクさせるか、不振の選手を再生するか、いずれかが必須となっています。
22歳のアンドレイ・サントスとバレバは変わるのか。21歳のメイヌーは化けるのか。サポーターから不評のドルグは納得感を得られるのか。ルーク・ショーの代役はハリー・アマスか、エイデン・ヘヴンか。レニー・ヨロはレギュラーになれるのか。メイソン・マウントとティーレマンスがトップ下でも機能するようになれば、ブルーノ・フェルナンデスを休ませることができます。
サバスを4-0で下したCLの初戦では、メイソン・マウント、アンドレイ・サントス、ザークツィー、ハリー・アマス、シェイ・レイシーが後半からプレイしています。マイケル・キャリックの強い思いが込められた交代策が、どこかで実を結ぶと信じましょう。まずはマンチェスターダービー。劣勢必至ですが、次につながる濃密な90分にしていただければと願っています。
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