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香川真司移籍からザハの恋愛ドラマまで…不振マンチェスター・ユナイテッドに地元紙からの追い打ちゴシップ!?

勝てないクラブにゴシップはつきものです。マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグで劣勢を強いられることが決定的となったWBA戦以降、ピッチ内外のさまざまな話題がイギリスの新聞紙上を賑わせているようです。サー・アレックス・ファーガソンが去った今、これまでの鬱憤を晴らすかのように、タブロイド紙は書き放題モード。事実かどうかはともかくとして、流れてきている3つの話題を、わがニッポンの新聞切り抜き赤枠囲みによるニュース番組のように紹介していくとしましょう。

まずは香川真司の移籍話です。プレミアリーグ5節のマンチェスター・ダービーまでは、イギリスのマスコミは「なぜカガワを出さないのだ」という論調でした。しかしその後、WBA戦のハーフタイムでの交代という厳しい扱いと、その4日後のチャンピオンズリーグで交代出場もなかったことを受けて、「モイーズ監督は香川真司を戦力とみなしていない」という方向に風向きが変わり、ドルトムントを筆頭として、移籍先の推測記事が出るようになりました。

いちばん最新のネタは、イギリス紙エクスプレスが報じた「1月にドルトムントDFネベン・スボティッチと香川を交換トレードする」というものです。ここ数試合で、香川真司が信頼されていないという話に加え、ダービーでボロボロにされたDF陣が弱いのではないか、という指摘が増えて、この話につながったようですね。さすがにここまでの交渉がなされているわけもなく、現地でもせいぜい「DFを物色してて、フンメルスやスボティッチが候補らしい」という噂が流れている程度かと思われるので、2つの別な話をくっつけてこれ幸いと脚色したのでしょう。「それはないやろ!」といいながら、具体的に語られると何となく不気味です。

モイーズ監督のコメントから察するに、どうも彼は香川が闘志を前面に出さないのが気に入らないようですね。現地の会見で「練習からアピールする必要がある」という言葉を残していたりします。欧米人からすると、ただでさえ感情が読み取りにくい日本人。ましてや、シャイな香川です。この問題を解決するには、ゲームに出た時に得点に絡んできっちり結果を出すだけでなく、コミュニケーションの密度を上げることも重要でしょう。「チームを離れることが決まって、彼は私と抱き合ってしばらくの間号泣した」と、ドルトムントのクロップ監督が語ったような信頼感を作るには、香川のほうからのアプローチが必須ではないでしょうか。

そして次の話題は、ザハです。ベルギー人MFヤヌザイがチャンスを与えられているのに対し、今季のプレミアリーグでまったく顔をみない19歳のサイドアタッカーは、何とモイーズ監督の娘と恋に落ちており、しかも上司である50歳の父親と自宅で鉢合わせした、とのこと。いやいや、何と申し上げてよいやら。話ができ過ぎていて、にわかに信じがたいですが、もし事実なら、自由恋愛とはいえ異動してきた上司の娘さんとたった3ヵ月でここまでいくのは、日本企業文化では最も避けたい振る舞いのひとつ。こちらは複数のイギリスメディアが伝えているそうなので、まったく「火のないところ」ではないのでしょう。ちなみにご本人は、「事実無根」とコメントしています。

この話から感じるのは、サー・アレックス・ファーガソンのマスコミ操縦術の素晴らしさです。2年前、ギグスが実弟の奥さんと不倫をしているという、タブロイド紙にとっては最高のスルーパスが出たときですら、話のインパクトに比べて大げさな報道は少なかったと記憶しています。ファーガソンのスタイルは「変な記事を書いたマスコミは出禁にするぞ」という睨みと、「懇意にしている記者には自ら病気のお見舞いに出張るほどの人情味」。まさに、アメとムチです。ギグスの際も、スルーパスを受けたものの、痛そうにしているギグスと真っ赤な顔で叫ぶファーギーを見て、ゴールを諦めピッチ外に球を蹴り出した記者も多かったのではないでしょうか。こういった偉大な前任者の歯止めが効かなくなった今、記事には尾ひれがつき、「不振の理由は部下の恋愛事情」とまで書かれてしまう始末です。ああ…。

最後に、そのサー・アレックスですが「モイーズには変わらず100%の信頼を置いており、自分が監督に戻るなどということは絶対にない」とコメントしています。こちらは本日のロイター通信ですが、地元メディアの願望も込めて、「復帰説」がまことしやかに語られている状況をけん制したものと思われます。ファーガソン復帰がブックメーカーで賭けの対象にもなっているというあたりは、イギリスらしいですね。まだまだ新監督への愛情と信頼が低い私は、「悪くないな、その話」と思ってしまいました。いや、すみません。サポーターがマスコミに踊らされてはいけません。

イタリアでは日常茶飯事なのでしょうが、わがマンチェスター・ユナイテッドがこれだけ広範囲にイギリスメディアの餌食になるという体験は初めてです。これを払拭するには、プレミアリーグで勝ち点3を重ね続けるしかありません。このうえは、上記記事が「すべて当たり」ではないことをを祈るばかりです。(ウィルフリード・ザハ 写真著作者/James Boyes)

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