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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「スカイスポーツ」がデータ分析…ゴール前に入れないマンチェスター・ユナイテッド攻撃陣!

The Manchester United attacking problems Jose Mourinho must solve(ジョゼ・モウリーニョが解決しなければならないマンチェスター・ユナイテッドの攻撃の問題)」。イギリスメディア「スカイスポーツ」に突き付けられたこのデータは、なかなかショッキングでした。プレミアリーグ2018-19シーズンの最初の2試合において、マンチェスター・ユナイテッドはファイナルサード(ピッチを3分割した際に最も敵陣側の1/3のエリア)でボールをキープした時間が全体の20%ですが、この比率は20クラブのなかで最下位だそうです。ボールポゼッション55%は6位、しかしシュート数は17本しかなく17位。敵陣のボックスにおける25回のタッチは18位で、ボックス内のタッチ数の割合が1.7%もプレミアリーグ最下位です。緒戦はオールド・トラフォードでレスター、2戦めはブライトン。ビッグ6との直接対決だったから攻める時間が少なかった…などという特別な事情はありません。

マインツからブライトンに来たばかりの30歳CBレオン・バログンが、こんなことをいっていました。「プレミアリーグに来て、プレイが速くなるかと思ったが、チームメイトにこんなことをいわれた。マンチェスター・ユナイテッドとやるといつもこんな試合になる。彼らはゆっくりが好きだから、とね」。選手の感覚値を、「スカイスポーツ」がデータで解析するとこんないい方になります。「ボールを支配している割には、敵陣に攻め込む回数が少なく、速攻に長けているわけでもない」。連勝スタートのライバルクラブと比べると、マン・ユナイテッドのアタックの貧弱さはさらに際立ちます。

マン・ユナイテッドが1.7%だったボックス内のタッチ数比率を見ると、1位のマンチェスター・シティは5.3%、続くボーンマスは5.0%、3位リヴァプールが4.6%で4位トッテナムは4.4%。チェルシーは2.5%で17位ですが、別なデータでは上位に進出します。10本以上パスがつながった回数を見るとチェルシーは43回で、45回のリヴァプールに次ぐ2位にランクイン。トッテナムが42回で3位、敵地のアーセナル戦という厳しいドローでシーズンを始めたマン・シティは41回で4位です。

45回も10本以上のパスをつないだリヴァプールは、ビルドアップからのアタックが13回、自陣からの速攻が8回あり、いずれも今季プレミアリーグNo.1。同じ項目で27回に留まっているマン・ユナイテッドは、ビルドアップから攻めたのはわずか1回、カウンターは未だゼロです。ちなみに、プレミアリーグに昇格したばかりのフラムは、30回のパス回しでビルドアップから3回アタック、速攻は6本仕掛けています。マン・ユナイテッドよりビルドアップからの攻撃が少ないチームはカーディフのみ、カウンターを見せていないのは赤い悪魔とハダースフィールドだけです。運動量が少なく、縦にボールが入らないモウリーニョ監督のチームの渋い数字は、マティッチとバレンシアの不在という説明だけでは納得してもらえないでしょう。

気を取り直して、こう考えることにしましょう。「ワールドカップで活躍した出遅れ組のコンディションが上がれば、カウンターも波状攻撃も増えるはず」。次に当たるトッテナムも、ベスト4に進出したイングランド代表のメンバーが開幕直前に戻ってきたチームで、これに快勝すれば勢いに乗れるのではないでしょうか。現在の残念な数字が、さらに落ちるような試合にならないことを祈っております。ルカク、ポグバ、頼む!

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“「スカイスポーツ」がデータ分析…ゴール前に入れないマンチェスター・ユナイテッド攻撃陣!” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    中盤が下がりすぎていて前線との距離が遠すぎる、攻撃時のオフザボールの動きやポジショニングが悪すぎて前線へのパスが通らず「支配できているわりに敵陣まで攻め込めない」
    選手のせいではなく三年目になってもいまだにモウリーニョが攻撃のパターンを選手に与えてあげていないのでしょうね

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    ユナイテッドはネガティヴ情報が出てきますね
    ビルドアップからの攻撃も速攻も両方できるのが今のサッカーかと思います
    ユナイテッドはどんなサッカーがしたいのかわかりません
    三年目で円熟されるはずなのに・・・

  3. ペップの街 より:

    攻撃パターンが無いという批判に対してモウさんは「選手の創造性を尊重する。どこかのチームみたいにA→B、B→C、C→Dという縛るサッカーはしない」と大見得を切ってました。
    だから、彼はパターンを持ってないんだと思います。イブラやジエゴ・コスタにアザール、ウィリアン、セスクがいれば勝手にやってくれるということなのかな?

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    監督自身の哲学として意図的に攻撃のパターンや自動性を排していたのですね
    ディストピアのフットボールという言葉には反発を感じていましたが、その本当の意味がわかったような気がします

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    監督自身の哲学として意図的に攻撃のパターンや自動性を排していたのですね
    ディストピアのフットボールという言葉には反発を感じていましたが、その本当の意味がわかったような気がします

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