プレミアリーグ初ゴール、そして代表復帰…今季こそ、ルーク・ショーの年になる!
「プレイをやめようとは思わなかったといったら、嘘になるね。僕の足は多くの合併症を抱えてしまい、とても難しい時間を過ごした。6か月経ってから知ったのだけど、実際に足を失う寸前だったんだ。試合の後、もしイングランドに戻っていたら、血栓や腫れのために足を失っていただろう。あのときのことは、あまり話したくない。足の両脇を切開するというのは、どれほどの重傷なんだろう。でも、もう気にしていない。僕は強くなった。右足は、負傷する前と同じだ」
今季は、ルーク・ショーの年になる。プレミアリーグ開幕から5試合連続でフル出場していたSBを、本ブログで絶賛し、それほどの選手ではないと嗤われて悔しい思いをしたのを覚えています。シーズンが終われば、彼がいかに素晴らしい選手か理解してもらえると信じていたのですが、ルーク・ショーのキャリアはプレイを評価される以前で立ち往生しました。リハビリは、きつかったでしょう。そしておそらく、プレミアリーグに戻ってきた後に、心の傷を癒すのがより大変だったのではないかと思います。
太ってしまった時期には、自己管理ができていないとメディアに非難され、モウリーニョ監督に苦言を呈されたのも1度や2度ではありませんでした。怖れたのは、スプリントか、対人プレイか。直近2年のプレミアリーグ出場は22試合に留まり、イングランド代表からも呼ばれなくなりました。ビッグクラブは、彼を獲ろうとは思わないでしょう。ルーク・ショーは、23歳にして「下位クラブでプレイするピークを過ぎた選手」の仲間入りをしてしまう寸前まで追い込まれていました。
チェルシー時代に獲得に乗り出し、マンチェスター・ユナイテッドが提示した法外なサラリーにクレームめいた発言をしたモウリーニョ監督が彼に厳しかったのは、期待の裏返しだったのではないかと思われます。2018-19シーズン、レスターをオールド・トラフォードに迎えたプレミアリーグ開幕戦。11人のスターターのリストにルーク・ショーの名前を発見したとき、3年前の期待感を思い出しました。3分のポグバのPKで、幸先いいスタートを切った赤いユニフォームは、なかなか追加点を奪えません。83分、ボックスに走り込んでマタの浮き球を受けた左SBは、トラップでリカルド・ペレイラをかわすと、跳ねたボールを高い打点のボレーで打ち下ろしました。ルーク・ショー、プレミアリーグ初ゴール!もう一度、彼に期待していいのだと実感できた最高の瞬間でした。
4節までの走行距離は、クラブではポグバに次ぐ2位の39.4㎞。スプリント45回はTOPの数字です。マンチェスター・ユナイテッドの8月の月間MVPとベストゴールに選ばれたルーク・ショーは、18ヵ月ぶりにイングランド代表から声がかかりました。
「とても厳しい2年だった。おかげで精神的に強くなれた。自分にできることを、モウリーニョ監督に証明したいと思った。今まで監督にできないといわれていたことを。もっとやれると思ってくれていたんだろうね。今は、監督は正しかったのだろうと思える」「開幕前に監督とやりとりしたとき、残留を望んでいるといってくれた。ポジションを争ってほしい、と。これは大きなモチベーションになった」
マンチェスター・ユナイテッドにはプレミアリーグ屈指のSBがいると声を大にして主張するのは、フルシーズンの貢献を見届けてからにしましょう。今季は、ルーク・ショーの年になると信じています。左サイドで上下動を繰り返し、時には縦に、またある時は中央に斬り込む自在なプレイを見せてくれるでしょう。最高のシーズンにしてください。怖れずに、しかし冷静に。
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大けがをした試合では、リプレイが流れるたびに背筋がぞくっとしてました。ショーの離脱でその後のシーズンチーム全体のいい勢いも失われてしまったのを覚えています。右SBのヴァレンシアも年齢が上がりフル稼働が難しいので、今シーズンは左SBのショーが高い位置を取ってポグバからのロングボールを受けるシーンが増えることを期待しています。